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zoom RSS 第63回エミー賞まとめ。―63rd Emmy Awards

<<   作成日時 : 2011/09/22 12:31   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

異論はあるでしょうが、映画界における最大のお祭り騒ぎがアカデミー賞であるならば、テレビ界のそれはエミー賞でしょうね。いよいよ、“△●■◎Award”の季節の到来であります(笑)。

当館ではテレビドラマの話はあまりしていないのですが、館長にももちろん、お気に入りのドラマがいくつかあります。英国産のドラマにはクオリティの高いものが多いので、テレビドラマもどうしても英国モノに重心が傾きがちではありますが。

テレビドラマの世界は映画界とはまた一味違った傾向があり、特にアメリカでは、一度当たったシリーズは視聴率が下がってどうしようもなくなるまで(笑)続くし、一方、新規参入のドラマに関しては、短期間である程度の視聴率を獲得できなければ、どんなにクオリティが高くても即打ち切りの憂き目に遭います。厳しいといえば厳しい世界ですが、逆に考えれば、こんな風潮だから“ドラマの内容がマンネリ化していく→飽きた視聴者が離れる→局側がリスクを恐れて余計に現状維持に固執し、冒険しなくなる→テレビドラマ界全体の質が低下していく…”という悪循環を生み出しているのでは、とも思います。
従って、エミー賞のノミネート一覧及び受賞結果を見ていると、ノミネートされる番組は安定した視聴率のとれている人気ドラマになるのでしょうから、結局“毎年おんなじ番組が選出されとるがな”という感慨を抱いてしまうわけです(笑)。まあ、それだけ長く支持されるということは、要は“良質のドラマ”の証だともいえるんでしょうけどね。今年も前年に引き続き、ノミネート一覧には根強い人気を誇る番組が並びました。

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授賞式は、「Glee」の大ヒットで一躍人気者になったジェーン・リンチ(「クリミナル・マインド」のリード捜査官のママ役ですよ)の司会で華やかに開催されましたよ。受賞結果は以下の通り。


ドラマ・シリーズ部門

・作品賞 (Outstanding Drama Series)

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「MAD MEN マッドメン」
以下ノミネート作品
「ボードウォーク・エンパイア 欲望の街」
「デクスター 〜警察官は殺人鬼」
『Friday Night Lights』
『Game Of Thrones』
「グッド・ワイフ」
実は以前の記事で「MAD MEN マッドメン」のことをちらっと書いたことがあります。そのときは、60年代の広告業界を舞台にしたこの背徳感溢るるドラマの面白さが、いまひとつピンとこなかったものでした。これはね、少し時間が経った後からじわじわじわじわじわじわ(笑)毒が回ってくるのですよ。該当記事を書いた後に、それを実感いたしました(再笑)。一度観て、「なんや、これのどこが面白いねん」と文句を垂れつつも、結局その先の展開が気になって続きを観てしまう。観終わってしまうと、「なんや、さっぱり意味がわからへんわ。もっかい観よ」と、今度はもう一度最初から観直してしまうというカラクリです(笑)。男女の間の性愛、親子あるいは兄弟姉妹の間で交錯する複雑な愛憎、そしてもちろん夫婦間の理解し難い距離感、友情の実情、男同士、あるいは女同士の戦い…等々、あらゆる側面から垣間見られる人間の業が、捕らえ難い魅力を持つドン・ドレイパーという男を中心にスケッチされていく物語です。一話完結タイプではないので、この不思議なドラマもいつかは終焉するのでしょうが、ラスト、どのような展開が待ち受けているのか想像できませんね。結局私も、「なんや、これどんなオチつけんねん、気になるわ」と最後まで見届けてしまうのでしょうよ(笑)。

そして『Game Of Thrones』。放映前はいろいろ取り沙汰されていたファンタジー・ドラマですが、いざ蓋を開けてみれば大成功。現在も熱心なファンの支持により快調にシリーズを重ねているようです。…伝聞の形になってしまうのは、これがいまだに日本で放映されていないからで、愛するショーン・ビーンが“番組のスターター”の役割を果たしているに過ぎないとわかっていても、やっぱり日本語で本編を観る希望を捨てきれないからです(泣笑)。なんでもいいから、早く日本で放映されることを強く願っておきますね。エミー賞初ノミニー、おめでとうございます。

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それからもうひとつ、日本で未放映の良質ドラマがノミネートされていました。あのホラー小説の巨匠スティーヴン・キング氏が絶賛した『Friday Night Lights』です。とある親切な某様が、アメリカで発売された同番組のDVD-BOXを貸してくださったので、現在シーズン1から順に観ている最中なのですが、本当にね、この汚れ腐った心が綺麗に清められる気がいたしますよ(大笑)。私は普段はシリアスで重い作品ばかり好んで観るのですが、アメリカの片田舎で繰り広げられる、ごくごく普通の人々による美しい綴れ織りのようなドラマに、いつのまにか身も心も共感してしまっていました。

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「キングダム/見えざる敵」(2007年)で演出者としての力量を買われた俳優ピーター・バーグが、その3年前にメガホンをとったスポーツ映画「プライド 栄光への絆 Friday Night Lights」を元に制作されたテレビ・シリーズです。タイトルの“金曜日の夜”は、地元の高校のアメリカンフットボールのチームが試合に臨むときを指し、ドラマは、舞台となる町の住人が総出で応援し、また同時に大会での優勝を熱狂的に望んでもいるそのチームのチームメイトと周囲の人々の日常を描くものです。
エイリアンが地球を侵略しにくるわけでもなく、意思を持ったロボットが地球でプロレスをするわけでもありません。このドラマの魅力とは、市井の人たちのありきたりの日常の中にある小さなドラマを抽出して、テレビを見ている私たちの中にも同じように息づく、万華鏡のような感情を呼び起こすことにあると思います。登場する子供達や彼らをまとめるコーチ、子供達の親達、彼らの友人達諸々は皆、私たちの身近にいそうな人物ばかり。私たちは、ドラマの中の愛すべき人々の中に、無意識のうちに自分自身を重ね合わせて共鳴しているのですね。
このドラマは、実は本当の意味での“ファミリー・ドラマ”だと認識していますが、しかしいかんせん、全体的に大変地味な作りであります(笑)。ド派手で頓狂な世界観が横溢するテレビ界にあって、市民の日常を淡々と追うお話が目立つとは思えません。アメリカ本国でも、何度も放映打ち切りの噂があったそうですが、無事第5シーズンのフィナーレまで“普通の人々”の物語を完結させ、こうしてエミー賞にまでノミネートされたのですから、なんだか泣けてきますよ(涙笑)。手塩にかけて育てたわが子が晴れ舞台に立った姿を遠くから見守るような、感慨深い気持ちですね。


・主演男優賞 (Outstanding Lead Actor In A Drama Series)

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カイル・チャンドラー 『Friday Night Lights』
以下ノミネート
スティーヴ・ブシェミ「ボードウォーク・エンパイア 欲望の街」
マイケル・C・ホール「デクスター 〜警察官は殺人鬼」
ヒュー・ローリー「Dr.HOUSE」
ティモシー・オリファント『Justified』
ジョン・ハム『MAD MEN マッドメン』
そして、今回のエミー賞最大のサプライズその1は、くだんの『Friday Night Lights』で主演を務めたカイル・チャンドラーの受賞でありました!正直、彼はノミネートどまりで受賞はジョン・“とっとこ”・ハム太郎だろうと踏んでいたので、twitterで速報を見たときはのけぞりました。ね、良かったですよね!某様!


・主演女優賞 (Outstanding Lead Actress In A Drama Series)

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ジュリアナ・マルグリース「グッド・ワイフ」
以下ノミネート
コニー・ブリットン「Friday Night Lights」
キャシー・ベイツ「Harry's Law」
ミレイユ・イーノス「THE KILLING 〜闇に眠る美少女」
マリスカ・ハージティ「LAW & ORDER: 性犯罪特捜班」
エリザベス・モス「MAD MEN マッドメン」
ドラマ通の方からすれば頓珍漢な感想で申し訳ありません。受賞したジュリアナ・゜グリースさんて、「ER」でDr.ジョージ・クルーニーと恋愛して、自殺未遂しちゃった看護婦さんでしたよね、確か。役柄の設定のせいもあって、なんとなく暗いというのか、空気が重いタイプの女優さんだなあと勝手に感じていたのですが。なにはともあれ、自身が看板を背負って立つシリーズでの受賞、おめでとうございます。


・助演男優賞 (Outstanding Supporting Actor In A Drama Series)

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ピーター・ディンクレイジ「Game Of Thrones」
以下ノミネート
ジョシュ・チャールズ「グッド・ワイフ」
アラン・カミング「グッド・ワイフ」
ウォルトン・ゴギンズ「Justified」
ジョン・スラッテリー「MAD MEN マッドメン」
アンドレ・ブラウアー「Men Of A Certain Age」
そして!今回のエミー賞最大のサプライズその2は文句なくこの部門です!おめでとうございます!!いまだ「Game Of Thrones」本編は日本に上陸していないのでコメントが難しいのですが、とにかく!
ピーター・ディンクレイジは、軟骨発育不全というハンデをものともせず、ハリウッドで活躍する俳優の1人です。小さな身体を生かして様々なジャンルの映画やテレビに登場、最近では「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛 」のドワーフ役として記憶しておられる方も多いと思います。演技派の名脇役として知られますが、インディペンデント映画『The Station Agent』(2003年)では主役を熱演し、全米映画俳優組合賞等にノミネートされました。肉体的な問題で、彼が俳優としてどんな苦労を味わってきたか、それは私たちにはうかがい知れませんが、エミー賞を受賞したことで、その苦しみのほんの一かけらでも報われてくれるのならば、私たちにとってこんなに嬉しいことはありませんね。

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そして、ここにこっそりと貼る授賞式当日のアラン・カミングちゃん画像(笑)。アランちゃん、さりげに「グッド・ワイフ」にお出ましになられておりました(笑)。おいくつになっても素敵なアランちゃん、おめでたい場に彼がどのようなお衣装で降臨されるのか、それも私にとっては密かな楽しみでございます。


・助演女優賞 (Outstanding Supporting Actress In A Drama Series)
マーゴ・マーティンデイル 「Justified」
以下ノミネート
ケリー・マクドナルド「ボードウォーク・エンパイア 欲望の街」
アーチー・パンジャビ「グッド・ワイフ」
クリスティーン・バランスキー「グッド・ワイフ」
ミシェル・フォーブス「THE KILLING 〜闇に眠る美少女」
クリスティーナ・ヘンドリックス「MAD MEN マッドメン」


・監督賞 (Outstanding Directing For A Drama Series)
マーティン・スコセッシ 「ボードウォーク・エンパイア 欲望の街」
以下ノミネート
ジェレミー・ポデスワ「ボードウォーク・エンパイア 欲望の街」
ニール・ジョーダン「The Borgias」
ティム・ヴァン・パタン「Game Of Thrones」
パティ・ジェンキンス「THE KILLING 〜闇に眠る美少女」


・キャスティング賞 (Outstanding Casting For A Drama Series)
エレン・ルイス、メレディス・タッカー 「ボードウォーク・エンパイア 欲望の街」
以下ノミネート
ニナ・ゴールド、ロバート・スターン「Game Of Thrones」
マーク・サックス「グッド・ワイフ」
ジュニー・ローリー・ジョンソン、リビー・ゴールドスタイン、スチュワート・エイキンス、コリーヌ・クラーク、ジェニファー・ページ「THE KILLING 〜闇に眠る美少女」
ローラ・シフ、キャリー・オーディノ「MAD MEN マッドメン」


・脚本賞 (Outstanding Writing For A Drama Series)
ジェイソン・ケイティムズ「Friday Night Lights」
以下ノミネート
デヴィッド・ベニオフ、D.B. ワイス「Game Of Thrones」
ヴィーナ・スッド「THE KILLING 〜闇に眠る美少女」
マシュー・ワイナー「MAD MEN マッドメン」
アンドレ・ジャケメットン、マリア・ジャケメットン「MAD MEN マッドメン」


・ゲスト男優賞 (Outstanding Guest Actor In A Drama Series)
ポール・マクレーン 「Harry's Law」
以下ノミネート
ブルース・ダーン「ビック・ラブ」
ボー・ブリッジス「ブラザーズ & シスターズ」
マイケル・J・フォックス「グッド・ワイフ」
ジェレミー・デイヴィス「Justified」
ロバート・モース「MAD MEN マッドメン」
おおお。「MAD MEN マッドメン」はやっぱりゲスト俳優のチョイスも渋いのぅ。このシリーズには初期に「ダーマ&グレッグ ふたりは最高!」のレギュラーだったジョエル・マーレーも出演していました。


・ゲスト女優賞 (Outstanding Guest Actress In A Drama Series)
ロレッタ・デヴァイン 「グレイズ・アナトミー」
以下ノミネート
メアリー・マクドネル「クローザー」
ジュリア・スタイルズ「デクスター 〜警察官は殺人鬼」
ランディ・ヘラー「MAD MEN マッドメン」
カーラ・ブオノ「MAD MEN マッドメン」
ジョーン・キューザック「Shameless」
アルフレ・ウッダード「True Blood」


・シングルカメラ編集賞 (Outstanding Single-Camera Picture Editing For A Drama Series)
シドニー・ウォリンスキー 「ボードウォーク・エンパイア 欲望の街」
以下ノミネート
ルイス・シオッフィ「デクスター 〜警察官は殺人鬼」
エリザベス・クリング「THE KILLING 〜闇に眠る美少女」
トム・ウィルソン「MAD MEN マッドメン」
パッティ・ロジャース、レオ・トロンベッタ「MAD MEN マッドメン」
映画にしてもテレビドラマにしても、作品の最終的な成否を決定するのは“編集技術”だと思います。編集次第で、作品は駄作にも良作にもなりうる。地味な部門であり、なかなか一般的な注目を集めることはありませんが、これからはこの“編集賞”に上がってくる名前も覚えておいてください。


・サウンドミキシング賞 (Outstanding Sound Mixing For A comedy Or Drama Series (One Hour))
ヴォン・ヴァルガ、ジョセフ・デアンジェリス、ブラッド・ノース「Dr.HOUSE」
以下ノミネート
フランク・ステッタナー、ジェフ・プルマン、トム・フリッシュマン「ボードウォーク・エンパイア 欲望の街」
スコット・クレメンツ、デビッド・レインズ、シェリー・クライン「バーン・ノーティス 元スパイの逆襲」
グレッグ・アガルソフ、ピート・エリア、ケビン・ローチ、ジェレミー・ベルコ「デクスター 〜警察官は殺人鬼」
フィリップ・W・パーマー、ジョセフ・H・アール、ダグ・アンダーム「Glee」
ピーター・ベントリー、ケン・ティーニー、トッド・オー 「MAD MEN マッドメン」


総評:
この結果を見ると、スコセッシ監督が立ち上げたドラマ「ボードウォーク・エンパイア 欲望の街」への安定した評価が目立ちます。最近では、映画界とテレビ界の垣根がますます低くなり、映画界の優秀な人材が多数テレビ界に流れ込む風潮が定着しました。折角そのような良い流れが出来たのですから、テレビ局の皆さんには、もっともっとリスクの高い作品にも挑戦して欲しいとも思いますね。そしてなんといっても、主演男優賞と助演男優賞のサプライズ受賞。ハリウッドもまだまだ捨てたモンじゃないのかね(笑)。


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