House of M

アクセスカウンタ

zoom RSS 刑事コロンボ、最期の事件。 The last case of Columbo.

<<   作成日時 : 2016/09/17 01:03   >>

ナイス ブログ気持玉 7 / トラックバック 0 / コメント 0

「うちのかみさんがね…」の名文句で知られる刑事コロンボ Columbo。そして、刑事コロンボと言えばこの人、ピーター・フォーク Peter Falkの最大の当たり役でありました。


画像

ピーター・フォーク Peter Falk
1927年9月16日生まれ
2011年6月23日死没 (満83歳)
出身地:ニューヨーク州オシニング
死没地:カリフォルニア州ビバリーヒルズ

計4度のエミー賞に輝いたこの名優は、亡くなる数年前から患っていたアルツハイマー病との闘いを終え、2011年6月23日、ビバリーヒルズの自宅で家族に見守られつつ安らかに逝きました。享年83歳。

ぼっさぼさの頭によっれよれの薄いコート、刑事のくせに拳銃を握っているところを誰も見たことがない、みるからに情けない風貌のおっさんコロンボ。しかし、その見かけに騙されてはいけません。対峙する殺人犯がつい油断してしまうそのゆるいルックスとは裏腹に、明晰かつ冷徹な頭脳で、完全犯罪を成し遂げた犯人を執拗に追い詰めていくのが、彼の捜査スタイルなのです。

実は我が家にも、1967年に制作された「刑事コロンボ Columbo」のパイロット版“殺人処方箋”から1978年の“攻撃命令”までを網羅した旧シリーズの全エピソードのDVDが揃っていたりします。これは一生モノのお宝なので、子豆たちがもう少し大きくなったら、見せてやろうと思っています。フォーク自身が制作にも関与した新シリーズはあまり好きになれなくて、テレビで放映していたときも興味を引かれなかったのですが、コロンボの真髄が詰まった旧シリーズは、数ある刑事ものドラマの中でも別格の素晴らしさを誇っているでしょう。

画像

ピーター・フォークというクセ者役者、決して主役を張るような二枚目タイプでもなんでもない人でしたが、長年にわたってテレビや映画に出演し続け、息の長い俳優人生をマイペースに全うしました。それはおそらく、彼の得難い個性や役者としての力量のおかげであったのでしょうが、それ以上に、“刑事コロンボ”という世界中で認知され、また愛されたキャラクターを演じぬいたからだとも思うのです。現に1987年の「ベルリン 天使の詩 Der Himmel Uber Berlin」(1987年、ヴィム・ヴェンダース監督)では、“刑事コロンボを演じる俳優”にして元天使というキャラクターで登場し、観客を猛烈に感動させた(笑)こともありました。

画像

ジョン・カサヴェテス演じるはぐれ男ニッキーに振り回される、組織に忠実な男マイキーという、コロンボの逆バージョンのようなキャラクターを演じた「マイキー&ニッキー/裏切りのメロディ Mikey and Nicky」(1976年製作、エレイン・メイ監督)でも、コロンボというキャラクターに見られるある種の優しさの一片を垣間見せていました。世界中の著名な名探偵を一同に集め、彼らの鼻を明かしてやろうとする快作「名探偵登場 Murder by Death」(1976年製作、ニール・サイモン脚本)では、コロンボの持つ“胡散臭さ”と“情けなさ”を純粋培養したかのような、往年のボギーに憧れているのだけれど、ことごとく大失敗しているかのような(笑)、面白いキャラクターを楽しそうに演じてておられました。

画像

また、フォークの出演作品の中でも一、二を争うぐらい大好きな小品「カリフォルニア・ドールス The California Dolls」(1981年製作、ロバート・アルドリッジ監督の遺作)では、厳しい女子プロレス界で、2人の美女チーム“カリフォルニア・ドールス”を売り出そうとする怪しげな中年マネージャーに扮し、物語の侘び寂び、ユーモアとペーソスといった、作品全体の重心を支える役目を担っていて絶妙でした。もし、コロンボが引退して悠々自適の旅生活を送るようになったら、冷徹な部分がとれて、きっとこんな感じの人物になるのではないかと思わせたりね(笑)。

俳優にとって、一つの役柄だけで人々の記憶に残ることは果たして幸福なことなのかどうか、一観客に過ぎない私にはわかりません。しかしながら、“刑事コロンボ”というキャラクターは、およそ俳優が演じたいと願う全ての要素を兼ね備えた、ある意味完璧なキャラクターではなかったかと思うのですよ。周囲に自身の真の姿をおいそれと見せない、そのくせ、己の信ずる正義には恐ろしいほどストイックであり、人間の原罪を罰するという意味においては、もはや神の領域にまで達している不思議な男。人間の持つあらゆる感情に通じ、緻密な頭脳をもち、一方では複雑で、多面的な人間性を秘めた、奈落のように奥深い男。そんなキャラクターを完全に自分のものとしたフォークに、他の代表作が必要だとは私には思えません。コロンボを演じることで、フォークは役者としておそらく最高の仕事をこの世に残すことが出来たのです。

“コロンボ”と共に生きたフォーク。そのフォーク=コロンボが最期に手掛けた事件は、もちろん彼自身の死でありました。アルツハイマーによって、その明晰な頭脳が一瞬翳ってしまったとしても、刑事コロンボというキャラクターは、永遠の命を得てこれからも生き続けることでしょう。

刑事コロンボ 完全版 コンプリートDVD-BOX
ジェネオン・ユニバーサル
2008-07-10

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 刑事コロンボ 完全版 コンプリートDVD-BOX の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 7
ナイス ナイス ナイス ナイス
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
刑事コロンボ、最期の事件。 The last case of Columbo. House of M/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる