House of M

アクセスカウンタ

zoom RSS What are your true colors? ―シンディ・ローパー

<<   作成日時 : 2015/12/13 07:56   >>

ナイス ブログ気持玉 5 / トラックバック 0 / コメント 0

2012年に書いた記事の再掲です。

。:*━♪━*:。━♪━。:*━♪━*:。━♪━。:*━♪。:*

シンディ・ローパー姐さんが、震災から1年を迎える3月に再来日を果たしました。3月7日の新潟公演から、全国4ヵ所で再来日ツアーを行っております。

東京公演3デイズ(渋谷Bunkamuraオーチャードホール)の最終日は、明日の3月11日。姐さんの熱意にほだされたWOWOWは、彼女のライブの模様を全国14ヶ所の劇場で同時生中継することを急遽決定。ワーナー・マイカル・シネマズ北上(岩手県)、ワーナー・マイカル・シネマズ名取とワーナー・マイカル・シネマズ新石巻(宮城県)、ワーナー・マイカル・シネマズ福島(福島県)4会場での上映については、料金は全て無料です。鑑賞チケットは全席指定席で、先着順に一人4枚まで発券されるとか(定数に達し次第販売終了ですのご注意を)。

劇場に行けない人は、3月25日(日)21:00からWOWOWライブで放映される番組をご覧ください。日曜日ですし、皆さんぜひとも、人生の酸いも甘いも噛み分けたこのシンディ姐さんの真心を見届けてくださいませ。そして願わくば、シンディ・ローパーという苦労人アーティストの、真のアーティスト魂がどんなものなのか、しっかり目に焼き付けていただけたら、と思います。どんな厳しい状況下にあっても、絶対にマイクを投げ出すことはしないと言い切るミュージシャンの激しい生き様を、私たちは思ってもみない形で直に目撃したことになるのですから。

私はおそらく死ぬまで、彼女がステージで熱く歌う姿を忘れないと思います。

シンディ姐さんに敬意を表して、2011年3月の混乱期に書いた記事を再アップします。

。:*━♪━*:。━♪━。:*━♪━*:。━♪━。:*━♪━*:。

あの日から2週間経ち、混乱していたこの国も少しずつ落ち着きを取り戻し始めていますね。しかし、日本中を揺るがせたこの悲劇は、たぶん大勢の人にとっては、今までの価値観とか人生観といったものまでが揺らぐほどの衝撃だったのでは。もちろん、私もそう。


“True Colors”by Cyndi Lauper

You with the sad eyes 悲しそうなあなた 
don't be discouraged そんなに落ち込まないで
oh I realize ちゃんとわかってる
it's hard to take courage たくさんの人がひしめいてるこの世界で
in a world full of people 勇気を持つのは難しい
you can lose sight of it all あっという間になにもかもを失ってしまう
and the darkness inside you そして心の中の闇は
can make you fell so small あなたをみじめにしてしまう

But I see your true colors でも、私にはあなたの本当の姿が見える
shining through キラキラ輝いているのがわかる
I see your true colors あなたの本当の姿がわかってるからこそ
and that's why I love you 私はあなたを愛している
so don't be afraid to let them show だから、ありのままのあなたでいることを恐れないで
your true colors あなたの持ってる本当の色は
true colors are beautiful 例えようもなく美しい
like a rainbow まるで虹のよう

Show me a smile then だから笑ってよ
don't be unhappy, can't remember 不幸せなままでいることはない
when I last saw you laughing あなたが最後に笑っているのを見たのはいつだったか
if this world makes you crazy もし世界があなたを狂おしくさせ
and you've taken all you can bear あなたが全ての苦しみを背負い込んでいるというのなら
you call me up すぐに電話をして
because you know I'll be there いつでもあなたの側にいる

…………
(日本語の歌詞の方は、豆酢の飛躍…もとい意訳です。間違っている箇所もあるでしょうが、大目に見てやってくだされ。それから、著作権の問題もあるでしょうが、今回だけお許しください。)

昨年の3月11日。東京から、あるいは日本から、地震を恐れて逃げ出す外国人が、レミングの群れのように倍増していく中、シンディ・ローパーは、15日の名古屋を皮切りに始まるツアーのため、既に日本の地に降り立っていました。想像を絶する地震の被害が明らかになるにつれ、来日していた他のアーティスト達のほとんどがパニックに陥るのを尻目に、シンディは踏みとどまって予定通り来日公演を敢行しました。

物質的、精神的被害を受けて疲弊していたオーディエンス1人1人に、暖かさを届けてくれたのみならず、会場では募金活動まで手伝ってくれたとか。自身のコンサートそのものをチャリティ・イベントに変えた彼女。多くのミュージシャンが来日をキャンセルしたり、急遽出国していったのとは対照的ですね。彼女と同じく、スタッフの反対を押し切ってこの時期に来日し、日本でコンサートを行った、男気溢れるNEYOというシンガーもいました。

画像

しかし、とりわけシンディ姐さんの歌声が弱りきった日本人の心に響いたのは、上に挙げた“True Colors”という名曲があったためだと思われます。このナンバーのテーマはずばり、社会の中で苦しんでいる人を元気づけるというもの。まさに今、社会が混乱して国民総不安症に陥っている状態の私たちが必要とするエモーションだったのです。

未曾有の震災が発生してからしばらくの間、世界中から日本に向けて、“私たちの心はいつもあなた方と共にあります”という言葉が届けられました。現に私もtwitter上で何度も何度も目にしたメッセージです。ありがたい言葉ですし、動揺した心に感謝の念もわきあがりました。外国では、このような表現がお悔やみを表す言葉として、定着しているのでしょう。でも、大きな発言力を持つ世界中の“セレブ”と呼ばれる人達が、判で押したように繰り返し同じこの文句を唱えるのを見ていると、徐々に心の奥から暗雲がざわざわと立ち込めてきたのも事実なのです。これが心底身勝手なわがままなのは、充分わかっています。ですが彼らにとっては、この信じられない災害も、所詮は日常の出来事の中の一つに過ぎないんだろうと思い至ると、砂を噛むような気持ちになってしまうわけですよ(笑)。同じことは、日本の政治機構のトップに居座っておられる方々にも言えますね。安全な場所でおいしいものを食べて休息した後で、テレビカメラの前で口先だけのお悔やみを並べたところで、そんな言葉は、被災した方々の心を逆撫でするだけでしょう。

話がそれましたが、つまりシンディ姐さんのこの歌が多くの日本人の心を支え得たのは、彼女自身の勇気ある行動とあったかい人柄がきちんと伴っていたからだと思うのです。大阪公演では、当初演奏リストになかったこの曲をアドリブで歌ってくれたそうで、この歌詞の持つ意味合いを考えると、私たちは今回、シンディ姐さん自身の“True Colors”をも目の当たりにしたのかもしれません。
私達は何よりかにより、誰かにこんな風に言われることを欲しているのだと思います。肯定されたいわけです。今は特に。不安のあまり、自分の存在意義を信じられない人にとって、“あなたはそのままでいいのだ”と受け入れられることは、生きる許しを得たのと同義なのです。想像するに、日本人の中でも直接的な被害を受けていない人達は、被災地で奮闘する人達よりもむしろ不安定で、自己嫌悪と無力感に苛まれているのではないでしょうか。被災地の惨状を見せられるたびに、むざむざ生き延びて申し訳ないと思ってしまう気持ちは、どなたの心にも巣食っている負の感情です。シンディ姐さんの“True Colors”は、被災した人達のみならず、その他大勢の人の抱える鬱屈した感情をも解放してくれました。

そして、この歌に心を動かされた多くの日本人が、世界中から寄せられる純粋な好意と善意とリスペクトを通じて、今まで見えなかった世界中の人達の“True Colors”に目を向けるようになったと思います。まさに今、大規模な地震が起こって死者も出ているタイでは、スラム街に住む人達が募金活動をしてくれたり、小さな島国台湾で何十億円もの寄付金が集まったり、あらゆる分野におけるアーティスト達が被災地のために様々な活動を行ってくれたり。世界の中での日本という国の立ち位置を理解することができた2週間でもありました。
今まであまり目立つタイプではなかった人が、ピンチの際に見事な行動力を示して驚かされたかと思えば、逆にオピニオン・リーダーだのと持ちあげられていた識者が、肝心の時にまるっきり役立たずであることがわかって幻滅したり。世の中のいろんな人の“True Colors”を、いろんな側面で見せられた2週間でした。

シンディ姐さんが、無名時代に助けて貰った日本人女性との交流から、大変な親日家になったという逸話ぐらいは知っていましたが、私にとってシンディ・ローパーとは、やはり“80年代のポップ・アイコン”です。あのラグジュアリーな時代にあっても一際目立つ、自由奔放でガールズ・パワー満載のミュージシャン。テリアみたいなファニーフェースに、素っ頓狂な高音からしっとりした低音まで自由自在のミラクル・ヴォイス、一度聴いたら耳について離れない独特の歌唱方法、ケバい古着ファッションにあのハリウッド・スマイル(笑)!今で言うところのレディ・ガガ的な存在だったのですよ、彼女は。懐かしいなあ。でも、本当に強力な個性の持ち主でした。それはとりもなおさず、ミュージシャンとしての確固としたポリシーがあり、豊かな才能があり、逆境にもめげないガッツがあるという下地があってこそのもの。ポッと出の乳臭いアイドル・シンガーとは格が違います。

シーズ・ソー・アンユージュアル
エピックレコードジャパン
2001-02-21
シンディ・ローパー

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by シーズ・ソー・アンユージュアル の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

彼女のデビュー・アルバム「She's So Unusual」はリリース当時購入して、よく聴いていましたし、“True Colors”同様名曲となっている“Time After Time”(同じ昔よく聴いてたフーターズの中心メンバー、ロブ・ハイマン作)はいまだにカラオケで歌えますし(笑)。基本的には明るいポップスなのですが、ダンスのリズムが入ってきたり、ロカビリー、R&B、カントリーにロックンロール、ゴスペル…と、あらゆる土壌の音楽のエッセンスを吸収して、“シンディ・ローパー色”に染め上げたサウンドです。ご本人の佇まいは非常にぶっ飛んでおられるのですが(笑)、音楽のバックグラウンドは伝統にしっかり根付いたもの。カラフルなジェリービーンズのようなアルバムですが、躍動感と統一感がバランスよく配合されています。

しかしながら、“True Colors”が収められている2枚目のアルバム「True Colors」から、“Girls Just Want to Have Fun”のような突き抜けた明るいナンバーが減り始め、3枚目の「A Night to Remember」で、人が変わったように洗練されメロウ路線になってからは、アーティストとしての彼女への興味を失ってしまいました。80年代後半から90年代にかけては、メジャー・レーベルとの契約を切られたり、映画や舞台に進出してキャリアに新鮮な風を吹き込みながら、インディ・レーベルで出直しを図ったり…と苦労を重ねていたようですね。

トゥルー・カラーズ
エピックレコードジャパン
1996-10-21
シンディ・ローパー

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by トゥルー・カラーズ の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

いくら下積み生活が長かったとはいえ、デビューしていきなり大ヒットをかっ飛ばして私生活を失い、創作の自由までも奪われた環境に放り込まれ、シンディ自身も自分の“True Colors”を見失っていたのでしょう。その後のキャリアのスランプから、ようやく“True Colors”を取り戻した彼女だからこそ、今の日本人の心情を理解できるのかもしれませんね。

なお、シンディの詳しいプロフィール等を知りたい方は、Wikipediaの該当ページに飛んでみてください。


ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 5
ナイス ナイス ナイス ナイス
なるほど(納得、参考になった、ヘー)
What are your true colors? ―シンディ・ローパー House of M/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる