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zoom RSS 『J.Edgar』―イーストウッドはJ・エドガー・フーヴァーFBI長官の真相を描けるか?

<<   作成日時 : 2011/01/14 11:22   >>

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以前、フランス人作家マルク・デュガンによるスキャンダラスな手記「FBI長官フーバーの呪い」をご紹介しました。そして偶然にも、FBIの本家本元のアメリカでは、そのフーヴァー長官の人生にスポットライトを当てた映画『J.Edgar』がクランクインを目前にしています。

この『J.Edgar』なる作品、実はイーストウッド監督がメガホンを取り、ハーヴェイ・ミルクの生涯を綴った映画「ミルク」でオスカーを受賞した脚本家ダスティン・ランス・ブラックが脚本を手がけるもの。作品がどのような形になるかは明らかにされていませんが、自身の同性愛的嗜好を決して認めようとしない、いわゆる“ゲイフォビア”の同性愛者(ややこしい)であったフーヴァーの隠された一面にも、おそらくスポットライトが当たることにはなるでしょう。
50年にわたってFBIを支配し続けてきた独裁者フーヴァーの生涯には、歴代のアメリカ大統領や有力議員たちの人生が入れ替わり立ち代り登場し、複雑に交錯します。彼らに関わる、歴史的にも著名なエピソードを追っていくだけでも、2時間の上映時間はあっという間に終わってしまうでしょうね。それこそ、フーヴァーという人間を中心に、1930年代中盤から1970年代初頭までの一大アメリカ政治・犯罪裏面史絵巻が描けるわけですから。なので、まあ普通に考えて、彼のスキャンダラスな私生活への言及は、あったとしてもごくわずかに抑えられるのではないかと思います。
フーヴァー長官の略歴に関しては、上記リンクの記事をご参照ください。

フーヴァー、引いてはFBIという組織全体の禁忌に触れる作品になるため、おそらく現FBIの組織的バックアップは望めそうもありません。それでも、次々と決定していくキャスティングをみていると、完成作品に対する期待は高まりますね。

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「シャッター・アイランド」のディカプリオ。フーヴァーは、終生太りやすい体質に悩んでいたといいます。お抱え医師からは、ダイエットをするよう忠告されていたそうですが、激務からくるストレスで過食に走ったりして、食の誘惑には抗し切れなかったようです。残されたポートレイトをみても、がっちりした骨太の身体に贅肉をつけた、かなりどっしりした体格です。ご本人が、鏡で自分の姿を見るのを嫌がった気持ちもわからんではないです。恰幅の良くなったディカプリオさんは、案外本物のフーヴァーのルックスに似るかもしれませんね。

渦中のフーヴァー長官に扮するのはレオナルド・ディカプリオ、FBI副長官として公私に渡ってフーヴァーの“女房役”を務めたクライド・トルソンを演じるのは、当初伝えられていたホアキン・フェニックスから「ソーシャル・ネットワーク」のウィンクルボス兄弟役のアーミー・ハマーに変更。50年もの間、フーヴァーの個人秘書を務めたヘレン・ガンディ女史のキャスティングに関しては、シャーリーズ・セロンの降板を受けてナオミ・ワッツとエイミー・アダムスが出演交渉に入っているとか。また、役柄は不明ですが、英国の重鎮デイム・ジュディ・デンチも配役に加わっているので、老若のバランスが見事にとれた俳優陣はいっそ壮観ですらありますね。ここに、テレビドラマ「ゴシップガール」(浮薄そうなタイトル…笑)で人気者になった若手のエド・ウェストウィックが、フーヴァーの伝記の執筆を担当するスミス捜査官役として加わります。おそらく、このスミスなる人物が、伝記執筆を通じ、フーヴァーの危険極まる実像に迫っていく…という構成になるのではないでしょうかね。ロマン・ポランスキー監督のサスペンス「ゴーストライター」のようなイメージかな。

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最近、“ワシは100歳まで映画を撮り続けるぞ”と、あながち冗談でもなさそうな(笑)景気のいい発言をしたばかりのイーストウッド監督。大変失礼ながら、結構なご高齢になっても、こんなリスクの高い題材に取り組むことのできるパワーの源泉は何なんでしょうね。その飽くなき映画へのチャレンジ精神には、平伏するばかりです。
個人的には、イーストウッド御大出演作品の中では、テレビ・シリーズ「ローハイド」がいっとう好きだったりしますけども(笑)。やっぱり、現代のアメリカ人俳優の中でも、最も西部劇が似合う方ですから。彼が監督した数多くの作品の中では、「ミスティック・リバー」を筆頭に、ミステリー・サスペンス的映画言語を用いた作品群に惹かれますね。それらの監督作品に共通するのは、犯罪に直面することで明らかになる人間の業を描きながら、生死に関する概念を紐解こうとする姿勢です。
イーストウッド監督は、映画という媒体を通じ、様々なシチュエーションの下での生死の概念、及びそれらの解釈を丹念に拾い集め続けているように見えます。果たしてその先には何があるのでしょうか。私たち愚かな人間の存在意義を裏付ける、普遍的な哲学が待っているのでありましょうか。この『J.Edgar』が、監督が終生追い求めている疑問の答えを提示することになるのかどうかは、まだわかりません。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
レオ様、フーバーちょおかんっすか!?驚きました。コリンの記事にコメントしようとしてたのに、「誰がフーバー長官やるんだろ??女装似合わないとダメよね・・」などとつぶやきつつ記事を読み進んで驚きました。がんばってほしい!今はそれしか言えないけど(笑)
たっきー
2011/01/15 12:25
ぶわっはっはっは!たっきーさんのコメントに吹き倒しましたよ、わたしゃ!

>「誰がフーバー長官やるんだろ??女装似合わないとダメよね・・」

ナーイス・コメーント!!山田く〜ん、たっきーさんに座布団10枚お持ちして〜。

レオ・“タイタニック”・ディカプリオ様が、果たしてフーヴァーの晩年までを演じるのかどうかはまだ全然わかんないの。晩年までやるとしたら、こりゃ大変ですよ〜。亡くなる直前のフーヴァーは、トルソンの手記によると、夜な夜な若い男の子達を招いてパーティー三昧だったそうですからね。女房トルソンも、晩年は全く顧みられることがなかったそうで。気の毒に。

あんまり毒っ気の強い描写は入らないとは思いますけどね。現時点で最も観てみたい映画の1本であることは確かです。
豆酢
2011/01/15 14:40
『J.Edgar』―イーストウッドはJ・エドガー・フーヴァーFBI長官の真相を描けるか? House of M/BIGLOBEウェブリブログ
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