House of M

アクセスカウンタ

zoom RSS レイア姫 Princess Leiaと「ファンボーイズ Fanboys」。

<<   作成日時 : 2015/09/20 08:19   >>

面白い ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

J.J.エイブラムス版「スター・ウォーズ Star Wars」が覚醒し、今はまた「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー Rogue One: A Star Wars Story」が世界中で大ヒット中。私が子供の頃にリアルタイムで見た“スター・ウォーズ”サーガの血脈は、まだまだ生き続けるようですね。日本時間で今朝未明、レイア姫ことキャリー・フィッシャーが逝去するという訃報に打ちのめされている私ですが、悲しいときだからこそ、“スター・ウォーズ”への愛情に満ちた愛すべき小品「ファンボーイズ Fanboys」の過去記事を再掲してみたいと思います。



「スター・ウォーズ」シリーズでレイア・オーガナ姫を演じ、映画史に名を刻んだ女優キャリー・フィッシャー。レイア姫役以降は、作家、脚本家としての才も発揮し、多方面で活躍していた彼女が、実はかつて薬物中毒に苦しんでいたことは有名な話だ。

画像

“常に責任は私にあった。ハリウッドのせいだというなら、みんなが薬物中毒になってるわ”

これは、薬物と闘った人間が発するからこそ、重みのある言葉だろう。クスリも酒も、あるいは他の依存症も、全ては自分の弱さから逃避するための代替行為に過ぎない。彼女が語るように、家族がバラバラになったことや有名人としての重圧を薬物中毒の理由とし、責任回避するのは本来あってはならないことだろうとは思う。
まあ、しかしそうはいっても、人間って、誰しも何かに縋らなければ生きられない生き物でもある。特にドラッグの誘惑に抗うのは、並大抵の試練ではない。ドラッグ禍に屈した理由を自分以外の対象に求める人間は、もちろん後を絶たないだろう。それを敢えて、全ては自分の責任だと言い切ったフィッシャー女史の勇気を称えたいと思う。

しかしながら、世界中に生息する無数の「スター・ウォーズ Star Wars」狂にとっては、いわゆる愛と純潔のシンボルでもあるレイア姫のアルターエゴが、スクリーンの裏ではドラッグをキメていた…となれば、やはり心穏やかではいられないだろうねえ…。


画像

お前のデス・スターを探すんだ!

「ファンボーイズ Fanboys」(2008年製作)
監督:カイル・ニューマン
製作:デイナ・ブルネッティ&ケヴィン・スペイシー他。
原案:アーネスト・クライン&ダン・ピューリック
脚本:アーネスト・クライン&アダム・F・ゴールドバーグ
撮影:ルーカス・エトリン
音楽:マーク・マザースボウ
音楽監修:ミシェル・シルヴァーマン
出演:サム・ハンティントン(エリック)
クリストファー・マークエット(ライナス)
ダン・フォグラー(ハッチ)
ジェイ・バルシェル(ウィンドウズ)
クリステン・ベル(ゾーイ)
その他、スター・ウォーズ・シリーズとスター・トレック・シリーズにゆかりのある豪華ゲスト陣。

1998年のハロウィン。「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」は、劇場公開を半年後に控えていた。高校卒業後、エリックは漫画家になる道を諦め、心ならずも父親の経営する中古車販売店で働いていた。かつては、親友ライナス、デブのハッチ、オタのウィンドウズと共に「スター・ウォーズ」シリーズを聖典とあがめ、漫画家になる夢を抱いていたものだ。しかし現実と直面したエリックは、高校卒業後は仲間たちとも疎遠になっていた。ところが、久々に再会した仲間たちは、相変わらず「スター・ウォーズ」の世界の住人であり、大人の社会からもつまはじきの状態。というのも、仲間のうちの1人ライナスが末期がんに侵されており、彼になんとしても公開前の「エピソード1」を観せてやりたいという悲願で彼らは団結していたのだ。高校卒業後はライナスとの交流も断絶していたエリックは、ジョージ・ルーカス監督の本拠地であるスカイウォーカー・ランチに乗り込み、公開前の「エピソード1」のフィルムを盗み見るという彼らの無謀な計画に、一旦は距離を置こうとする。しかし、小学校から一緒だった親友が余命3ヶ月だと聞かされた彼は、父親から経営を託された会社も放り出し、今一度スター・ウォーズ狂であったかつての自分を奮い立たせた。再び集結したエリック、ライナス、ハッチ、ウィンドウズは、ハッチがスター・ウォーズ仕様に改造したポンコツヴァンに乗りこみ、一路カリフォルニア州マリンカウンティを目指す。
目的地までは、宿敵「スター・トレック」シリーズの熱狂的ファンの聖地アイオワを通過せねばならない。ハッチたちは、観光客相手にガイドを務めるトレッキーの一味に喧嘩を吹っかけ、ハン・ソロを誹謗中傷したトレッキー一味と大乱闘を演じてしまう。命からがら難を逃れたエリック一行は、途中でヴァンがエンコするトラブルを謎の男チーフに救われたり、警察にとっ捕まったところを助けてくれた女友達ゾーイとも合流して、ようやく目的地に近づいていく。スカイウォーカー・ランチ内に侵入する手引きをしてくれるはずだった人間が、実はスター・ウォーズ・オタ界ではその名を知らぬ者のないドン、ハリー・ノウルズの姪っ子ちゃんだったことが判明し、4人はノウルズにボコられるが、難度maxのスター・ウォーズ・カルトクイズに見事パスして強力な手がかりを得た。なんと、「スター・トレック」シリーズのカーク船長ことウィリアム・シャトナー本人が手引きしてくれるというのだ!しかし彼と接触するためには、ラスヴェガスで開催されるトレッキー達の祭典に参加せねばならない。アイオワで闘ったトレッキー一味の妨害を掻い潜り、はたまたギャンブルの誘惑を撥ね付けるという試練が待っている。また、スカイウォーカー・ランチには、これまで数多くのスター・ウォーズ・オタ達が侵入を試み、その都度、鉄壁のセキュリティに跳ね返されてきた歴史もあるのだ。エリック達は、力尽きようとしているライナスを守りつつ、スカイウォーカー・ランチに無事侵入することが出来るのだろうか。

ファンボーイズ [DVD]
ビデオメーカー
2010-05-12

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ファンボーイズ [DVD] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


人が旅に出るのは、今までの自分の人生のあり方を見つめなおし、少なからずそれを変えるためだと相場は決まっている。つまり、父親から会社を譲られて大喜びしなければならないはずのエリックが、何故それを捨て、仲間と共にアホな計画に挑むために家を飛び出さねばならなかったか、そのワケが薄々わかろうというものだ。

まだ夢に夢を見ていられた高校生時代は、悪友達と日がな一日スター・ウォーズ談義をしていても大丈夫だった。だが、いずれその安らかな生活から巣立たねばならないときがくる。そんな決断のとき、自分がどんな生き方を選択するのかということで、後の人生の方向性もほぼ定まってしまうものだ。エリックははたと現実に目覚め、冒険はなくともより確実で安楽な道―すなわち、父親の会社を継ぐべく面白くもないサラリーマンになることを選び、ライナス、ハッチ、ウィンドウズ達は現実の厳しさを横目に見ながら、オタ生活を引き摺る自堕落な生活に突入。ライナスが末期がんだとわからなければおそらく、スター・ウォーズで結ばれた仲良し4人組の絆もバラバラになったままだったろう。

エリックが、一度は捨てた過去と再び向き合う決意を固めたのは、死にゆく親友ライナスに公開前の「スター・ウォーズ エピソード1」を観せてやりたいという気持ちだけではなかったはず。スカイウォーカー・ランチへの大冒険をきっかけに、父親の望む通り唯々諾々と敷かれたレールの上を走る生き方から、思い切り良く逃れようと考えたに違いない。ルーク・スカイウォーカーにとっての超え難い壁は父親たるダース・ベイダーであったが、エリックにとっての壁もやはり、父一人子一人の家庭で暮らしてきた父親であった。つまり、エリックが昔抱いていた漫画家への夢を再び実現させるということは、とりもなおさず、頭の上がらぬ父親に自分の意思で反抗することを意味するわけだ。

画像

スター・ウォーズ狂の聖地への道中には、もちろん大小様々な困難が待ち受けるが(笑)、それらを乗り越えていく度にエリックの内面も変化してゆく。かつての仲間達への信頼を取り戻し、スター・ウォーズだけを信じていた昔の自分の純粋さとガッツを思い出すのだ。もちろんそれは、エリックだけに起こった変化ではない。他の3人も、各々の中に溜め込んでいた現実と理想の軋轢を消化し、自分達の周囲に張り巡らせていた“現実逃避という名の繭を打ち破っていくのだ。最もイカレ度合いの高かったハッチ然り、女性に極端にオクテであったウィンドウズ然り、そして大親友だったエリックへの友情を再び取り戻し、死を目前に頑なだった心を氷解させたライナス然り。
スター・ウォーズ好きでなければ、きっと何の意味も持たないだろう(笑)そんな鍛冶場の馬鹿力は、しかし、大人になる途中でかつての夢をどこかに置き忘れてきた覚えのある私たちには、妙に身につまされるものでもある。誰だって、何か一つのことにわき目も振らず熱中した時期があったはずで、エリック達のアホらしくも涙ぐましい奮闘っぷりを見ているうち、そんなほろ苦い昔への郷愁を呼び覚まされもするのだ。
エリックの及び腰のせいで、当初は不協和音の目立っていた4人のパーティーも、“ライナスに「EP1」を観せる”という崇高な(?)目標に向かって団結してゆく。そして、彼らの岩をも貫くスター・ウォーズへの熱い信念(笑)は、最終的に、御大ジョージ・ルーカスからの粋な計らいという形で結実する。

画像

エリックと父親との関係性も含め、全編に渡って散りばめられた“スター・ウォーズ”という物語へのオマージュ、スター・ウォーズ関連のトリビアのみならず、オタのオタによるオタのための濃すぎるSWとSF薀蓄語り。ウィリアム・シャトナー本人までをも担ぎ出してダメ押しされる、宿敵スター・トレック狂達へのおちょくり描写。この辺りのコアなお笑いときたら、楽屋落ち的なものも多く、余程のスター・ウォーズ好きでなければ面白いとは思えないかもしれない。片田舎の判事を演じたビリー・ディー・ウィリアムス、倒れたライナスを治療する女医に扮したレイア姫ことキャリー・フィッシャー、スカイウォーカー・ランチのコスプレ好き警備員だったレイ・パークなど、スター・ウォーズゆかりの俳優達のゲスト出演も、ひとえに世界中の“ファンボーイズ(スター・ウォーズ・オタ)”達へのプレゼントだったのだろう。
スカイウォーカー・ランチ内に展示されたルーカス関連の映画の小道具が、宝物のごとき扱いで描写されているのも微笑ましい。確かに「ウィロー」の魔法の書にはリアクションがなかったが(笑)、今作の作り手自身もまた、熱狂的なファンボーイズであることが伺える。現実離れしたファンボーイズのイカレ言動には、当然いたたまれなさが漂うものの、彼らを笑いものにしようとする意図は皆無。なぜならこのお話は、スター・ウォーズが好きでしょうがない、愛すべきファンボーイズへのまっすぐな賛歌であると同時に、4人の不器用な若者がそれぞれの方法で自分自身を見つめ直し、前進してゆく過程を描いた、実に普遍的なロード・ムービーでもあるからだ。また、いったんは壊れてしまった友情が、“スター・ウォーズ”というキーワードを介して再構築されていくサブ・ストーリーは、広く観客の共感を得るだろう。
まあ、一連のジャド・アパトー監督作品のごとき、ちょいお下劣で低脳気味な(笑)ギャグセンスは、ご愛嬌だと思って大目に見てあげよう。エリックに扮した、いかにも気弱そうなサム・ハンティントン、ジャック・ブラック型ハイテンション・デブ・オタを演じたダン・フォグラー、ひょろ長い身体に眼鏡という“ザ・オタク”を好演したジェイ・バルシェル、いずれも予定調和といえども皆ハマり役だった。観ていて安心する布陣。対するトレッキー達の呆れるほどの格好悪さには、ひょっとしたら製作側の悪意も仄めかされているかもしれないな(笑)。


画像

…ハン・ソロはオカマぢゃないやい!


画像

…どこのアホがライトセーバーを手作りしようとして髪の毛を焦がす?そんなの、オレ達だけだ!


画像

…みんな右手を“レイア・オーガナ”と名付けていたろ。…オレは両手だ!


画像

…お前のデス・スターを探すんだ!

―All photos from Vanity Fair

ピープルVSジョージ・ルーカス コレクターズ・エディション [Blu-ray]
ファインフィルムズ
2012-07-04

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ピープルVSジョージ・ルーカス コレクターズ・エディション [Blu-ray] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

ジョージ・ルーカス監督のSF映画の古典「スター・ウォーズ」をめぐって、ルーカスの熱狂的な信者達とアンチ・ルーカスを掲げる“もう一方の”ファンの間に深い遺恨の溝ができてしまったのはなぜか。両者が対立する様子を追ったドキュメンタリー映画です。ルーカス信者派とアンチ・ルーカス派だけではなく、「スター・ウォーズ」プロデューサーの1人ゲイリー・カーツや、スタッフや俳優たちの証言も収められています。このドキュメンタリーと「ファンボーイズ」を観比べてみると、より面白いかもしれませんね。


にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
面白い
レイア姫 Princess Leiaと「ファンボーイズ Fanboys」。 House of M/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる