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zoom RSS 相互理解は幸せの第一歩―「ヒックとドラゴン How to Train Your Dragon」

<<   作成日時 : 2016/03/30 16:49   >>

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今、子豆2号が、英国の児童作家クレシッダ・コーウェル Cressida Cowell女史原作の「ヒックとドラゴン How to Train Your Dragon」シリーズに大ハマリしております。思えば子豆1号も、ちょうど現在の子豆2号の年齢の時にヒックとトゥースレスの冒険譚に夢中になっていました。クレシッダ・コーウェル Cressida Cowellさん、あなたの素晴らしい作品は、私の息子達の想像力を大いに刺激し、鼓舞し、鍛えてくれました。次男は、ヒックの次の作品を楽しみに待っています。このシリーズが長く続きますように。


さ、"Let's fly with your dragon!"ですよ、皆さん。飛ぶ夢を見ましょう!

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「ヒックとドラゴン How To Train Your Dragon」(2010年)
監督:クリス・サンダース&ディーン・デュボア Chris Sanders & Dean DeBlois
製作:ボニー・アーノルド
製作総指揮:クリスティン・ベルソン&ティム・ジョンソン
原作:クレシッダ・コーウェル Cressida Cowell『ヒックとドラゴン How to Train Your Dragon』シリーズ(小峰書店刊)
脚本:クリス・サンダース&ディーン・デュボア&ウィル・デイヴィス
視覚効果スーパーバイザー: クレイグ・リング
プロダクションデザイン:キャシー・アルティエリ
美術監督:ピエール=オリヴィエ・ヴィンセント
音楽:ジョン・パウエル
主題歌:“Sticks & Stones”(歌:Jónsi)
撮影アドバイザー:ロジャー・ディーキンス
声の出演:ジェイ・バルシェル(ヒック)
ジェラルド・バトラー(ストイック)
アメリカ・フェレーラ(アスティ)
クレイグ・ファーガソン(ゲップ)
ジョナ・ヒル (スノット)
T・J・ミラー(タフ)
クリステン・ウィグ(ラフ)
クリストファー・ミンツ=プラッセ(フィッシュ)

バーク島は、1年のうちのほとんどを厳しい寒さに晒される最果ての孤島である。しかも、常に多種多様なドラゴンたちの襲撃の的にもされるのだ。翼を持ち、頑丈な身体を持ち、口から炎を吹いてバイキングを襲う彼らは、人間が苦労して育てている羊やわずかばかりの穀物を根こそぎ奪っていってしまう。そんな不毛な場所に好き好んで暮らすのは、おそらく勇猛果敢な海賊、バイキングしかいないだろう。バイキングは古来から、ドラゴンたちとの戦いに明け暮れていた。彼らの歴史は、ドラゴン討伐の歴史と共にあるといってもよい。すなわち、ドラゴンを倒して初めて一人前とみなされるわけだ。
ストイック率いるバイキング一族もまた、老若男女の別なく鎧に身を固め、昼となく夜となく襲い掛かる獰猛なドラゴンたちと戦っていた。そんな中で、小柄でやせっぽちの少年ヒックは、いかにも肩身の狭い思いを噛み締めていた。同じバイキング見習いの仲間達―勇猛果敢な少女戦士アスティ、マッチョでお調子者のスノット、デブで運動神経ゼロだがドラゴン知識に関してはパーフェクトなフィッシュ、始終いがみ合っているハングリーなタフとラフの双子―と違い、ヒックはドラゴンと戦うたびに大失敗をやらかし、一族に大損害を与えてしまうのだ。偉大なリーダー、ストイックの1人息子でなければ、おそらくとっくに一族を追放されていたことだろう。従って、ヒックの持ち場は、ストイックの右腕であり無二の親友である鍛冶屋ゲップの仕事場であった。元来研究家肌で発明の才に恵まれるヒックは、鍛冶場で様々なドラゴン退治マシーンを作り出していた。
だから、ある夜ドラゴンの一群が大挙して襲ってきたときも、ヒックは最強最悪のドラゴン“ナイト・フューリー”に向けてパチンコの原理を応用したマシーンで応戦したのだ。果たして、手ごたえはあった。あったが、その決定的瞬間を仲間達は誰も見ておらず、従ってその直後にヒックの周囲で起こった大惨事の責任は、例によってストイックが全て被らねばならなかった。
次の日、ヒックはついに自分が仕留めたドラゴンを発見する。全身真っ黒の小柄なドラゴン。これが、バイキングの勇者であるストイックですら実際にその姿を見たことがないという、伝説のドラゴン“ナイト・フューリー”であったのだ。網に捕縛され、後尾翼を一部失ったドラゴンは深く傷つき、そして怯えていた。ドラゴンの恐怖がヒックにも伝わり、ヒックはドラゴンに止めを刺すことができなくなる。ナイフをその身体に突き立てる代わりに、網を切り、自由にしてやった。ドラゴンもまた、自由になった刹那ヒックを襲うかと思いきや、そのまま逃げ去ってしまう。だがドラゴンはもがくばかりで飛べなくなっていた。その様子を仔細に観察したヒックは、失われた翼を手作りしてやろうと思い立つ。

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一方、ゲップの進言により、ストイックは他のバイキング見習い達と共にヒックもドラゴン訓練に参加させることにする。その間彼自身は、今だかつて誰も見たことがないというドラゴンの巣を探しに、手勢を率いて出立した。巣を焼き払えばドラゴン達の繁殖を食い止めることができる。ストイックは、子孫にドラゴン被害の憂いを残さぬよう、ここで一気にカタをつけようと考えているのだ。ヒックは、ドラゴンを殺す方法を実地で習う訓練に参加する傍ら、徐々にナイトフューリーとの距離を縮めていった。彼はドラゴンを“トゥース(歯)”と名付け、謎に包まれていたその生態を学んでいく。そして、ドラゴンもまた人間を恐れていたことを思い知り、トゥースと深い絆で結ばれていくのを感じるのだった。ヒックはトゥースに飛行補助具を作り、自らトゥースの背中に乗りながら補助具を操作する。やせっぽちのはぐれバイキングと、羽を失った幼いドラゴンは、やがて一心同体で空を自由に飛ぶことができるようになる。トゥースを通じてドラゴンの真の姿を知れば知るほど、ヒックは人間とドラゴンの間に横たわる無理解の溝に心を痛める。人間は、ドラゴンがどのような生き物か知ろうともしないで、やみくもに根絶やしにしようとしていたのだ。両者は戦い合わずとも、平和に共存できるのではないか。
ドラゴン訓練をこっそり抜け出しては、トゥースとの飛行訓練に明け暮れていたことが、ついに優秀な戦士候補であるアスティにばれてしまった。反目するトゥースとアスティの間にヒックが割って入り、アスティをトゥースの背中に乗せて夜間飛行へと誘う。そこで、ヒックとアスティは思わぬ発見をした。ドラゴン達は、人間から奪った家畜などを自分で食べるのではなく、ドラゴンの主が住む火山島に運んでいたのだ。その島には、山1つ分もあろうかと思われる巨大で獰猛なドラゴンの主がおり、他の全てのドラゴン達を支配していた。人間から簒奪の限りを尽くしていたドラゴンもまた、1頭の巨大ドラゴンに隷属していたのである。
アスティもドラゴンを誤解していたことを痛感するが、しかし、ドラゴンを1頭殺さねばならない“ドラゴン訓練最終試験”は間近に迫っていた。これは、バイキング見習いが、正式なバイキング戦士となる最終試験を兼ねている。ストイックも直々に観戦するその御前試合で、こともあろうにヒックがドラゴンと戦う戦士に選ばれてしまった。とうとうヒックは、最終試験用に解き放たれたドラゴンを殺すことを拒否し、全てのバイキングの前で、ドラゴンの真の姿を理解し和睦することを強く訴える。ドラゴンを倒すことを座右の銘とするバイキング一族にとって、これは背信行為に他ならない。ヒックを助けようと皆の前に姿を現したトゥースはストイックの命で捕らえられ、ヒックもまた追放の憂き目に遭う。
ストイックはドラゴン討伐のための大船団を編成し、ヒックとアスティが止めるのも聞かず、ドラゴンの主のいる火山島へ赴いた。人間の力だけで巨大ドラゴンを倒すことなど、到底不可能だ。ストイックの無謀な戦いに、ゲップですら当惑の色を隠せない。トゥースを囮として連れて行かれてしまったヒックの不安は尚更だ。ヒックは、アスティ、スノット、フィッシュ、タフ&ラフと共に、ある計画を実行に移し、一か八かの賭けに出ることにした。

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昔、空を飛ぶ夢を見たときには、それは言葉では言い表せないほどの素晴らしい体験でした。夜明けを迎えた海の上をまっすぐ飛んでいるんですよ。目を上げた先にはまっすぐな水平線、下を見下ろすと太陽の光に瞬く水面が、まるで流れ星のように過ぎ去っていきます。それだけ自分が凄いスピードで飛んでいるということなんですが、耳に聞こえてくるのは鋭く風を切る音のみ。不思議と寒さは感じず、ただひたすら自分が飛んでいるという感覚に浸っておりました。
翼を持たない人間にとって、“飛ぶ”ことは永遠の憧れです。今でこそ飛ぶ手段はいくらでもありますが、実際に翼ある者と共に滑空する快感はまた格別でありましょう。今作の白眉に、3D映像によってより鮮明に、明確になった、“飛ぶ感覚の共有”があると思われます。ヒックがトゥースと共に、試行錯誤しながら飛行訓練を重ねるシーンの総仕上げとして、アスティと(そして観客も)一緒の飛行体験シークェンスがあり、これはエレガントとしか言いようのないものでした。これは、ジブリ・アニメの名作「魔女の宅急便」や「紅の豚」などで印象的だった“飛ぶ”シーンのリアリズムが継承されたものでしょうが、そこからさらに先に進んだ技術の進歩とその結集には、ハリウッドの底力を感じますね。“飛び出す絵本”の映画バージョンのような、中身の薄っぺらな作品ではなく、はたまた、“猫も杓子も3D”的風潮に安易に乗っかった作品でもなく、計算されつくした伝統的なエンターテインメントを感じることが出来ます。また、撮影アドバイザーに名カメラマンロジャー・ディーキンスを迎え、自然光の下での撮影を意識した画面作りがなされているとか。CGアニメ映画とは思えぬ自然でリアルな発光には、そんな理由があったのですねえ。
さて、今作にはジブリ・アニメからの影響が色濃いと前述しましたが、他にも様々な作品からのインプレッションが見られると思います。例えば、昨今の3D映画革命を起こし、また今作と同質のテーマ…異種間の融和…を掲げる「アバター」であるとか、劇中終盤にストイックがドラゴンの巣に殴りこんでいくシーンにオマージュされる「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズであるとか。そうそう、ドラゴン訓練最終試験における、ヒックとドラゴンの1対1の勝負のシークェンスも、あの「グラディエーター」を髣髴とさせますよね。こういった過去作品への目配せも、まあ、今風の映画だといえるでしょうかね。

今作は、ヒックという半人前の少年と、言葉も通じない子供ドラゴンとの間に育まれる友情関係を通じ、人間界とドラゴン界の根深い対立と、ヒックとストイック親子間の深刻な断絶の物語を丁寧に描いています。結局それらは、現代社会における異人種間の断絶、あるいは異世代間の断絶を反映しているといってもいいでしょう。
言葉も生活習慣も考え方も価値観も全く異なる者の間では、そりゃ相互理解などままならん。でも、だからといって、“あいつのことは理解できん。だから何もかもを否定して排除してしまえ”という姿勢では、いつまでたっても世界は混乱したままであります。実際のところ、世界には“自分と違う存在”が無数にあるわけで、従って今いる世界を少しでも住みやすくするためには、“異なる存在”“未知の存在”を理解し、互いに歩み寄ろうと努める労力が不可欠。今作のテーマはそこに結実してゆくのです。
イギリスの児童文学作家クレシッダ・コーウェルの原作は未読であるので、設定やストーリーに変更が加えられたという映画版との比較はできません。しかし、ヒックが持ち前の知性と知識、そしてトゥースと触れ合うことで得た無私の勇気を、最後に一体化させるクライマックスでは、原作のテーマが存分に生かされているだろうと感じましたね。そうすることで、ヒックはついに偉大な父親を乗り越え、無事、大人への階段を上がることに成功したのですから。自分1人の力だけで難事を御そうとごり押しするストイックは、言ってみれば、旧モラルに隷属する世代のメタファー。状況を読み解き、それに合わせて柔軟な思考を繰り出していくヒックは、新しい世代のリーダー像そのものでしょう。原作ではバイキング一族の王となったヒックですが、古いモラルのしがらみを打破し、新しい考え方でもって、人間とドラゴン異種間の世界の融和という奇跡を起こしたヒックには、原作者が未来に託した希望も感じられるのではないでしょうかね。対立するものを排除するのではなく、受け入れる姿勢こそ、平和と幸福への第一歩だというわけですな。

我が長男さんこと子豆1号は、伝説や神話に登場する不思議な生き物に相変わらず夢中であります。彼が今作を楽しみにしていたのも、ひとえに、いろいろな種類のドラゴンがたくさん出てくるから(笑)。果たして、冒頭から多種ドラゴンの群れによるバイキング村の襲撃シーンが展開され、そのド迫力映像に、早速3Dの効果を身をもって思い知らされる羽目になりましたが(笑)。ルックスも生態も様々なドラゴンが、その恐ろしげな風貌とは異なる愛すべき性質を秘めていることに、クリエイターチームであるクリス・サンダース&ディーン・デュボア両監督(他に「リロ&スティッチ」シリーズ)の原作への愛着を感じましたよ。いや、クリーチャーへの愛情というべきか。モンスターは男のロマン。これ、世界共通の認識です。確かに類型的かもしれないけれど、このドラゴン達の個性豊かな造形は面白かったですね、やっぱり。
んー、うちの1号も、長じればこんな世界に進むのかねえ…(笑)。なんかこう、サンダース&デュボア・チーム、他人とは思えないよ(再笑)。実は現在、1号も2号もですね、自分で新しく創り出したドラゴンのデザインを一生懸命考えてるんですわ。今作の北米での大ヒットを受け、映画版「ヒックとドラゴン」は続編製作が決定したそうですが、うちの子供達のアイデアを誰か採用してくれないかな(大笑)。

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ドラゴンの描き分けもはっきりしていて面白かったですが、やはりこの手のお話では、主人公を支える周囲の人間模様も重要です。優秀で美しい戦士アスティ、知識は豊富だが運動能力はゼロのフィッシュ、勇敢だけど性格が悪く、喧嘩っ早い双子のタフとラフ、マッチョでお調子者のスノット、そして、典型的な“タフな親父”であるストイック。親子断絶するストイックとヒックの間を取り持ってやる、古参の兵士ゲップもいい味を出しています(うちの父豆は、元K-1選手の角/田氏とゲップが似ていると指摘・笑)。それぞれの個性と能力に見合った見せ場が与えられていて、群像劇としても無難にまとめられていると思いましたね。

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周囲の人間とのドラマがきちんと押さえられているために、ヒックとトゥースの強い絆の物語がより鮮明になるというわけ。それにしても、最強のドラゴンと恐れられるナイト・フューリーの正体が、こんなに可愛い子だったなんて(笑)。細かい仕草が猫みたい。ヒックとトゥースがはじめて触れ合うシーンでは、ETのあの名シーンを思い出したなあ。

さて、民族舞踏的なサウンドがたいそう気に入った音楽ですが、主題歌を担当しているのは、あの、アイスランドの生んだ名バンド、シガーロスのフロントマンであるヨンシー様でした!しかも新曲だ!館長ってばエンドクレジットでヨン様の名前を確認し、1人で大興奮していたのは内緒の話です。
ジョン・パウエル/オリジナル・サウンドトラック『ヒックとドラゴン』
ジェネオン・ユニバーサル
2010-07-28
ジョン・パウエル

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