サン・ディエゴで開催されているコミック・コンの興奮がネットの海を通じて伝えられ、今日は気もそぞろというか、上の空というか、全く落ち着かない一日を過ごしてしまいました。殺気立った気持ちを静めるため、過去のおヴァカ記事を再発掘し、共に賢者タイムに突入いたしましょう(笑)。 クリストファー・ノーラン監督によるバットマン・シリーズが、第3作目の「ダークナイト・ライジング」をもって完結。ワーナーはすったもんだの末に、マーベルに倣ってDCコミックのもう1人のヒーロー、スーパーマンとの共闘作品を製作中でございます。 …正直な話、バットマン/ブルース・ウェイン役がベン・アフレックにスイッチしたことで、私自身はDCコミック版ヒーロー大集合お祭り作品からは興味を失ってしまいました。実際に作品が公開されても、たぶんわざわざ映画館まで観に行くこともないだろうなあ。作品の内容に共鳴するかどうかはまた別として、バットマン/ブルース・ウェインの肖像は、ノーラン版バットマン・シリーズのクリスチャン・ベールが、やはり最も明確に体現していたと思っているので。 振り返れば、ノーラン版バットマンの最高傑作「ダークナイト」をきっかけに、新しい出会いがたくさんございました。初見時は、多少の消化不良点も気にはなりましたが、それから何度も見返すうちに新たに発見することも多々ありました。作品の内容に関する記事は、当館のこのカテゴリ内に収めてありますが、今回はもっとお笑い的要素のツッコミにチャレンジしてみましょう。 パリに住んでいた頃、飽きるほどDVDで観賞した「ダークナイト」内で、改めて気づいた点を、もう時効だろうと思うので白状しますね。 「ダークナイト」で重要な役目を担った2人の男性キャラクター。このお2方、よく考えなくてもバットマン、あるいはブルースにむんずとばかりに抱かれ倒したのではあるまいかと…。 1人目のエントリーはハーヴィー・デント君。 ハーヴィー・デントを全面的にバックアップしようと、ブルースが自宅内で開いたパーティーのシーンですね。そこへジョーカー一味が乗り込んできて一暴れするわけですが、ブルースはデントを守ろうと別室に匿います。ただ、デントも黙って匿われるようなタマじゃございませんから(笑)、ブルースはやむなく彼を後ろから羽交い絞めに。気を失わせるのが目的だからでしょうが、デントったら結構な力で抱きすくめられているように見えるのですよ。よりにもよってブルース坊ちゃまに。なんとうらやましい(本音)。 別のシチュエーションなら鼻血もんでございましょうて。いやまあ、うっすら二人羽織りに見えなくもないですが(笑)、デントがあまりに“きゅううう”と目をつぶった格好になっているので、逆に微笑ましく感じられますな。このときの状況は決して笑えるようなものではありませんけどね。 このときレイチェルが目ん玉ひん剥いて怒りますが、あれはきっと、「おまはん、私の男に手出さんといて!」という、メスの威嚇行為だったのではないかと(←違)。…このショットだけ見ると、まるでホラー映画の様相(笑)。 デントは、バットマン仕様のブルース坊ちゃまにも、もう一度抱きすくめられています。裏切り者の刑事のせいで拉致された場所から、バットマンに救出されるときですね。状況が状況ですから、デントさんやっぱり必死の表情。色男2人がしっかり抱き合っているというシチュエーションにもかかわらず、物語の展開が過酷でもあり萌えるどころじゃなかったのが心残り。 はい、2人目のエントリーは、ゴッサム・シティのマフィアどもに資金援助していた、香港マフィアのラウさん。 ブルースはゴッサム・マフィアをつぶすため、資金源を断つことにします。これすなわち、ラウをゴッサムの司法制度で裁き、然るべき罪で検挙することに他なりません。そうするためには、ラウ本人をゴッサムに連行しなくては。とっとと香港にトンズラこいたラウを追い、ブルースはバットマンとなってその本拠地へ突撃。ご本人を拘束し、文字通り空輸してゴッサム警察まで生鮮パックでお届けするのです。スクリーンを見てましたらね、ラウを途中で落っことさないようにという配慮か、バットマンはラウの大胸筋辺りを揉むように(笑)抱え込んでいたのですよ。こいつはうらやましい、もとい、許しがたい(笑)。私だって抱え込まれたいぞ、ちくしょーめ。 …とまあ、妄言はこれぐらいにしておいて。 今作でラウを好演していたチン・ハンさん、その後、マーベルの「キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー」にも顔を出されていたのを確認し、非常に懐かしい気持ちになりました。私は不勉強で、「ダークナイト」と「キャプテン・アメリカ2」以外の出演作品を存じませんのでなんともいえませんが、「ダークナイト」における彼の演技は私が大変好むタイプのものでありました。若くしてマフィア組織の頂点に立った自信が、その必要以上に不遜な言動に厭らしいほど表れているラウ。しかし彼は、失敗した経験のない者特有の脆さも抱えています。ゴッサムに連れて来られてからというもの、その表情は一転して怯えきった小動物の哀れをもよおし、ジョーカーによって赤子の手を捻るように葬り去られてしまいます。その変化をハンさんは実に自然に表現されていたと思いますね。 …つまりデントとラウのお2方は、状況はどうあれ、バットマンに抱きすくめられた男になったわけで、ある意味とても貴重な体験をされたといえるのではないでしょうか。ああ、いっそうらやましい(まだ言うか)。 そうそう、実はシリーズ第3作目では、バットマンにコミッショナー・ゴードンをできれば後ろから抱きしめてもらいたかったんだよなあ(笑)。真正面からむぎゅうでも、もちろん良かったのですが(笑)。「バットマン・ビギンズ」を振り返ると、坊ちゃまがゴードンをストーキングしてるようにしか見えなくて、どうしようもありませんでしたねー(←どうしようもないのは館長の頭)。バットマンの理解者であり、「ダークナイト」を経て「ダークナイト・ライジング」ではついにバットマンのマスクの下の素顔を知った者として、シリーズにおけるゴードンの存在意義は本当に大きなものでした。演じたゲイリー・オールドマンの酸いも甘いも噛み分けた演技も相まって、ノーラン版バットマン・シリーズの中では最も好きなキャラクターでした。ブルースには、レイチェルやら、どこの馬の骨とも分からんタリアなんぞ放っておいて、いっそゴードンを抱きしめとけとアドバイスしてあげたかったですわ(笑)。 「そ…それは…ちょっと…」 ![]() にほんブログ村 ![]() |
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