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zoom RSS Mr.Storytelling for the Human Beings―フランク・ダラボン

<<   作成日時 : 2013/01/12 12:31   >>

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“12歳のときに観たジョージ・ルーカスの「THX-1138」で、僕は“ストーリーの語り手”になりたいんだと直感したんだ”


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フランク・ダラボン Frank Darabont
1959年1月28日
フランス、モンベリアル出身

1956年10月23日に勃発したハンガリー動乱(ソビエト連邦(当時)による支配から脱却しようと、ハンガリー人が一斉蜂起した事件)。市民による反乱そのものはソビエト軍によってそぐに鎮圧されたが、ハンガリー側には数千人にも上るといわれる死者と、25万人もの難民という被害をもたらしてしまった。
フランク・ダラボンの両親は、このとき難民となって祖国を離れ、フランスに逃れたハンガリー人であった。その3年後、ダラボンはフランスのモンベリアルで誕生し、彼がまだ赤ん坊のときに両親とともにアメリカに移り住んだ。
ハリウッドの高校へ通い、少年の頃からの夢であった映画業界で働くため、1980年「ヘルナイト」の製作アシスタント(要は使い走り)として映画製作の現場にもぐりこんだ。それからの6年間というもの、プロの脚本家として独り立ちすることを目指しつつ、大道具係やら衣装係やら、現場での仕事のアシスタントをこなす日々が続く。
1983年にスティーヴン・キングの原作を映像化したオムニバス作品「スティーブン・キングのナイトシフト・コレクション」の中の1編“The Woman in the Room(312号室の女)”を監督して、監督としてのキャリアもひっそりと始めている。努力の甲斐あって、1986年ごろから彼の手がけた脚本にも買い手がつき始めた。映画関連では「エルム街の悪夢/惨劇の館」(1987年)「ブロブ/宇宙からの不明物体」(1988年)「ザ・フライ2/二世誕生」(1989年)など、ホラー映画での活躍が目立つ。またテレビでも、「インディ・ジョーンズ若き日の大冒険」シリーズ中のエピソードを書いて、ライターズ・ギルド賞にノミネートされた。
1994年はダラボンにとって大飛躍を遂げる年となった。スティーヴン・キングの原作に惚れこみ、自ら脚色も行ってメガホンを握った「ショーシャンクの空に」では、原作の持つストーリーの転調の鮮やかさを、映画ならではのさわやかな感動に昇華させて映画ファンの琴線を強く揺さぶった。結局無冠に終わったものの、アカデミー賞でも作品賞を含む主要部門でノミネートを受け、全米監督組合賞では“演技指導における卓越した業績”を称えられた。同年、ケネス・ブラナー監督が自ら主演した「フランケンシュタイン」(ロバート・デ・ニーロ共演)の脚色にも共同で参加している。
自ら豪語するところの、“発明王エジソンの努力に負けない粘り強さ”でもって、愛する映画の“ストーリーの語り手”になってみせたダラボン。「ショーシャンクの空に」ではついに監督としても勇名を轟かせた彼は、非常に寡作ながら、自身がメガホンを取った作品はいずれも観客の記憶に深く残るものに仕上げている。
作家スティーヴン・キング原作の映像作品は、とかく失敗作が多いと揶揄されるが、ダラボンが手がけたものに関してはいずれも秀作。両者の相性の良さは、次のコンビ作「グリーンマイル」(1999年)の興行的・批評的大成功でもって証明された。ところが、ハリウッドの汚点たる“赤狩り”をモチーフにした、映画愛を謳うハート・ウォーミング・ドラマ「マジェスティック」(2001年)は、やはり題材が題材だっただけに批評家の受けも芳しくなく、興行的成功にも繋がらなかった。しかし今作にこそ、“永遠の映画少年”であるところのダラボンの真骨頂を見出せるだろう。
キャリアの中心は、脚本ならびに製作であり、「プライベート・ライアン」、「スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃」、「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」(脚本のクレジットから自らの名前をはずすよう要請)など、ノン・クレジットでシナリオのリライトを行っている場合も多い。

現在のところの劇場用長編映画監督最新作は、そのバッド・エンドが物議を醸したスティーヴン・キング原作「霧」の実写化「ミスト」。興行成績は振るわなかったものの、密室状態における人間の本性を極上のサスペンスの中で描き切り、久しぶりに戻ってきたホラーのテリトリーで“人間こそが最大の恐怖の源泉である”ことを鮮やかに語ってみせた。テレビ界に戻り、アメリカでも日本でもヒットを記録しているテレビ・シリーズ「ウォーキング・デッド」のクリエイターとなったが、後に番組を去っている。テレビ界でも映画界でも重宝されるマルチな才能の持ち主であることは、多くの人間が認めるところであるものの、私自身は、彼が“アウトサイド”から映画界に一石を投じるような作品を手がけることができるよう、願って止まない。


●フィルモグラフィー

・監督
1983年「スティーブン・キングのナイトシフト・コレクション」(未)
1989年「悪女の構図」(TVムービー)
1994年「ショーシャンクの空に」
1999年「グリーンマイル」
2001年「マジェスティック」
2007年「ミスト」
2007年「ザ・シールド〜ルール無用の警察バッジ〜 シーズン6」(TVシリーズ)
2010年〜2013年「ウォーキング・デッド The Walking Dead」(TVシリーズ)
2013年『L.A. Noir』(TVシリーズ) (post-production)

・脚本
1987年「エルム街の悪夢3 惨劇の館」
1988年「ブロブ/宇宙からの不明物体」
1988年「ザ・フライ2 二世誕生」
1992年「インディ・ジョーンズ/若き日の大冒険4 ドイツ領東アフリカ編/コンゴ編」(TVシリーズ)
     「インディ・ジョーンズ/若き日の大冒険6 オーストリア編/英領東アフリカ編」(TVシリーズ)
1994年「フランケンシュタイン」
1994年「ショーシャンクの空に」
1998年「ブラック・ラン」(TVムービー)
1998年「プライベート・ライアン」
1999年「グリーンマイル」
2007年「ミスト」
2010年〜2013年「ウォーキング・デッド The Walking Dead」(TVシリーズ)

・製作
1998年「ブラック・ラン」(TVムービー)
1999年「グリーンマイル」
2001年「マジェスティック」
2002年「THE SALTON SEA ソルトン・シー」(未)
2004年「コラテラル」
2007年「ミスト」
2010年〜2013年「ウォーキング・デッド The Walking Dead」(TVシリーズ)

エモーションの深層のどこかをがっしり掴んでその世界に引きずり込む映画には、何物にも代え難い秘密があるのだろう。そんな僕にとっての神様たちといえば、デイヴィッド・リーン、ジョン・フォード、スタンリー・キューブリック、バスター・キートンにキャロル・リード…、そしてなんといっても、ハリウッド史上最高のストーリーテラーであるロバート・ワイズだ。「地球の静止した日」と「サウンド・オブ・ミュージック」と「ウエスト・サイド物語」が同一の映画監督によって撮られた作品だとは、にわかには信じられないだろう? ―フランク・ダラボン・インタビューより抜粋


なんだかんだ言いまして、今だ「ミスト」観賞後の虚しさと後味の悪さを反芻している館長です。みなさんお元気ですか?現在私が住まいする土地は、ここ数日絶えることのない強風に晒されております。ちょうど「ミスト」冒頭で、町を襲った嵐のような風情ですね。

「ミスト」の感想記事は以前アップしましたが、なんだか言い忘れたことがあるような気がしてならないのですよね。後から後から様々な感慨が湧き出してきます。私が映画館で観賞できる作品数はごくわずかなのですが、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」といい、この「ミスト」といい、容赦ないバッド・エンディングで観客の鼻先にリアルを突きつける映画が目立つような気がします。娯楽を求めて映画を観にいくのに、現実世界の悲惨を叩き込まれて劇場を後にするとはね。皮肉な現象ですが、これが今現在の映画界のトレンドのひとつになっているのは確かでしょう。
現実を悲惨にするのも人間なら、それを改善しようとするのも人間。絶望する人間もいれば、最後まで希望に縋るのも人間。たとえ、良かれと思って成したことが最悪の結果を招いたとしても…。人間は不完全であるからこそ魅力的なのであり、愚かであるからこそ愛おしい。およそドラマというものが、不完全なほころびから生まれるものならば、人間という生き物はまさしくドラマティックな存在でありましょう。この映画の余韻はそんなことを思わせてくれました。そして、映画作家フランク・ダラボンが映画に求める要素もまた、こうした不完全な人間たちがぶつかり合い、化学反応を起こして作り出す“ドラマ”を語ることにあると思われます。

さて、「ミスト」の作品的成功で、めでたく鬼畜人間ドラマ映画作家(笑)のトップに躍り出たフランク・ダラボン監督。彼は元々優れた脚本家であり、メガホンを取った作品でも脚本の高品質は保証付きであります。あの長大なキング小説を脚色するのは至難の業だと思うのですが、「ショーシャンクの空に」然り「グリーンマイル」然り、そして「ミスト」然り、映像化する際に問題となる点を上手く避け、映画的クライマックスに巧みに繋げておりますものね。常々思うのですが、キング作品における本当の面白さって、多種多様な人間が様々な極限状態に置かれたときに如何にして行動するか、そして、その行動が一体どのような運命を引き寄せてしまうのか、“予測不可”である部分ではないでしょうかね。だからこそ、まさに同じ点に興味を抱き、そこからストーリーと映像を構築しようとするダラボンとの相性が良いのではないかと。

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↑「マジェスティック」演出中のダラボン監督。

ダラボンにとって、取り扱うジャンルがホラーだろうと非ホラーだろうと、それはさしたる問題ではないと思います。どんな内容の映画であれ、彼自身が語っているように、予想外の事態に巻き込まれた人間たちが織り成す予想外のドラマが、映画的クライマックスと不可欠の融合を果たすことこそ、彼が脚本を書き、メガホンを取る唯一の理由であるからです。しかし、後日改めて記事にしたい、ダラボン作品の中では地味な位置づけである「マジェスティック」で明らかなように、彼が綴るドラマの根底には、人間の欠点も長所も全てひっくるめていとおしむ気持ちと、ドラマを語る場所であるところの映画そのものを愛して止まない気持ちが存在するのは確かです。私たちがダラボンの映画を観て否が応にも心を揺さぶられるのは、人間性を見極める冷徹なまなざしの裏に、彼らの不確かな感情の揺れをも甘んじて受け入れる度量を感じるからでしょうね。


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