House of M

アクセスカウンタ

zoom RSS “トラウマ”とは何ぞや。The movie with trauma.

<<   作成日時 : 2013/10/26 22:44   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 0

その昔、“後味が悪い映画をみんなで挙げてみよう!”という企画を、お友達ブロガーさんと一緒に立ち上げたことがありました…。

その際に設けた基準は以下の通り。

【エントリー条件】

@ 劇場公開されたもの(TVMは不可)

A 総合評価が【並】以上のもの← これは絶対ね!箸にも棒にもひっかからないホラー映画なんかはダメですよ!

B バッドエンドであるもの

C 見終わった後で、嫌な気分になるもの← どうしようもない暗鬱たる気分になる映画であれば最高。


一応、これを基準にして、皆さんから広く作品名を募ったわけです。その結果がこれでした。


みなさんから寄せられた数多くの“トラウマ映画”。各人の映画体験が違えば、トラウマ映画もそれぞれ異なるというわけで、実に多彩な作品を知ることが出来ました。まずは、コメント欄にて寄せていただいた全てのタイトルを列挙していきましょう。

「インファナル アフェア」

「鬼畜」

「セブン」

「クイルズ」

「運命の逆転」

「ディア・ハンター」

「脱出」

「サルバドールの朝」

「クルーシブル」

「ディセント」

「アメリカン・ヒストリー ]」

「スネーク・アイズ」

「SPL 狼よ静かに死ね」

「13/ザメッティ」

「ブリッジ」

「フリーダムランド」

「アダム」

「ウィッカーマン」

「パーフェクト・ストレンジャー」

「unknown」

「ゾディアック」

「プレステージ」

「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」

「ボーイズ・ドント・クライ」

「遊星からの物体X」

「アレックス」

「ノーマンズランド」

「コレクター」

「ミスティック・リバー」

「ジャッカス・ザ・ムービー」

「ミリオンダラー・ベイビー」

「サイン」

「ピアニスト」

「スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする」

「キャリー」

「ローズマリーの赤ちゃん」

「ファイトクラブ」

「悪魔のいけにえ」

「ケン・パーク」

「居酒屋」

「吐きだめの悪魔」

「死霊の盆踊り」

「オーメン」

「サスペクト・ゼロ」

「サイレントヒル」

「ザ・フィールド」

「ローズ・イン・タイドランド」

「火垂るの墓」

「真夜中のカーボーイ」

「タクシードライバー」

「時計じかけのオレンジ」

「シュウシュウの季節」

「ドッグヴィル」

「チャプター27」

「忘れられた人々」

「小間使の日記」

「ダンサー・イン・ザ・ダーク」

「ライフ・オブ・デヴィッド・ゲイル」

「ヴィレッジ」

「SAW」シリーズ

「ヒッチャー(リメイク版)」

「ビハインド・ザ・サン」

「ロード・オブ・ウォー」

「ペパーミント・キャンディ」

「屋根裏部屋の花たち」

「隣人は静かに笑う」

「プレッジ」

「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」

「クローバー・フィールド」

「28週後・・・」

「砂と霧の家」

「レクイエム・フォー・ドリーム」

「アイランド」

「ソドムの市」

「誰も知らない」

「地の群れ」

「ソルジャー・ブルー」

「ジョーズ」

「俺たちに明日はない」

「ゴッド・ファーザー」

「ダーリング」

「恋する予感」

「道」

コメントへのレスでも度々書かせていただいたのですが、やはり一口に“後味が悪い”と言っても、その解釈の仕方は十人十色。何をもって“後味が悪い”とみなすのか、存外難しい面があることに気づかされます。
一見ハッピーエンドに見えるけれども、本当は怖気を催すほどブラックな意味合いが込められていたりする作品も、“後味悪い”テイストに含まれるでしょうね。中には、徹頭徹尾救いようのない物語もあるでしょう。あるいは、作品の言わんとすることがいまひとつ伝わりにくい、製作側があえてストーリーの結末に明確なオチをつけずに、判断を観客に委ねてしまうものもあります。観賞後ももやもやした嫌な気分が続くという作品の中には、この手の映画が多いかもしれません。それに、期待して観たのはいいが“騙された!!”という類の作品も、違った意味で後味の悪いものでしょうしね(笑)。
また、最近の映画の傾向として、実話を映画化したもの、あるいは、世界中で実際に起こっている出来事に想を得た作品の中には、陰鬱な現実を反映した重苦しい内容のものが多いような気もします。映画は世情を反映する鏡でありますが、今や現実の方が過酷すぎて、映画がその深刻さに追いついていない状態にあるのでしょうか。皮肉なものです。
ただ、“後味は悪いけれども記憶に残る映画”と定義すると、錯綜・拡散しがちなこのテーマが絞れてくるようにも思います。単に悲惨さや恐怖などを垂れ流すだけの作品は除外してもいいでしょうし、観客にショックや混乱を与えようとしていることがみえみえの、破綻した作品も大いに疑問。
個人的な経験から鑑みると、観賞後の気分は悪いのに、不思議と忘れられない映画というのは、えてして人間性の真理を突いている場合が多いもの。誰しも、心の奥底にしまっておきたい秘密のひとつやふたつはあるはずで、それを白日の下に晒されると、本能的に嫌悪感や困惑、怒りを感じてしまうでしょう。例えるなら、後味の悪いトラウマ映画の本質は、そんなところにあるようにも思います。

そして、私自身にとってのトラウマ映画が、次の2本の作品です。


画像

THE BABY OF MACON ベイビー・オブ・マコン [VHS]
アミューズソフトエンタテインメント
1994-10-21

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ商品ポータルで情報を見る

「The Baby of Mâcon」(1993年製作)
監督:ピーター・グリーナウェイ

画像

グリーナウェイ監督のフィルモグラフィーの中でも、最極北に立つ孤高の名作です。おそらく彼は、今後これを超える映画を撮ることはないでしょうね。そのあまりにグロテスクな映像は、精緻かつ豪華な美術、時代考証を極めた衣装に支えられ、悪臭を放つ美にまで昇華されました。「レンブラントの夜警」で復活の兆しを見せたグリーナウェイ監督ですが、ぜひとも、そして今度こそ「ベイビー・オブ・マコン」のDVD化もお願いしたいもの。
若き日のジュリア・オーモンドが、欲に駆られた処女の役で舞台に登場。彼女の祖母が生んだ美しい赤子には未来を予知する能力があり、中世時代のイタリアの町に住む人々に奇跡を授けます。娘は、その赤子を処女である自分が生んだことにして、赤子をキリストの再来だと吹聴して回るわけですね。あっという間に“聖母”となった娘の下には、富と名声が集中。ところが赤子は、いずれ娘と自分が悲惨な最期を遂げることを予知するわけですね。果たして、娘はその予言どおりの運命をたどり、やがて赤子も…。

画像

実はそれは映画の中で上演されている舞台のお話であり、その芝居を時の権力者コジモ・ディ・メディチが観覧しているという、入れ子構造の設定なのです。芝居が進むうち、観客席にいたはずのコジモが舞台に乱入して物語の流れを勝手に変えてしまったりします。それをスクリーンの向こうから見ている私たちも、一体どこまでが現実(映画にとっての現実世界)でどこからが虚構なのか、あるいは、正気と狂気を隔てる境界線が曖昧模糊としてまいります。
グリーナウェイ監督の面目躍如である凝りに凝った舞台美術は、毒々しい赤色を基調にしたもの。この作品の血なまぐささを一層強調する役割を果たしていますね。
実は今作、若き日のレイフ・ファインズも、悪代官のバカタレ息子役で登場します。彼も劇中笑えるほど悲惨な目に…。画像を挙げました、奇跡の赤子役のかわいらしい少年も、すさまじい最期を遂げます…。「ミスト」や「パフューム」の比ではありません(苦笑)。


画像

ミスター・グッドバーを探して [VHS]
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
1986-06-21

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ商品ポータルで情報を見る

「Looking for Mr. Goodbar」(1977年製作)
監督:リチャード・ブルックス
“ミスター・グッドバー”とは、男性のシンボルの隠語です。そのタイトルが示すとおり、ダイアン・キートン演ずるヒロインが“自分にぴったり合う”男性を求めてさすらうお話ですね。女性なら身につまされる一面も持つ、非常に後味の悪い作品でした。原作小説も後から読んだのですが、ベトナム戦争後のアメリカの混沌とした世相を反映した、こちらも気の滅入る内容でしたね。
美しい女教師テレサには、6歳のときにポリオに罹患する悲劇があった。壮絶な手術と苦痛を伴うリハビリを乗り越えて、11歳のときようやく歩けるまでに回復したが、いまだ再発の不安におびえる毎日だった。内向的な性格はますます暗くなり、教師として働く傍ら得るささやかな恋も長続きはしなかった。彼女にはキャサリンという姉がいたが、キャサリンの私生活は放埓を極め、ただれた男関係とドラッグにおぼれるものだった。そんな姉の悲惨な姿を目の当たりにしたテレサは、やがて自分自身も同じような運命を辿るだろうと予感する。

画像

テレサが酒場でハントし、行きずりの愛を交わす男たちの中に、若き日のリチャード・ギア(「アメリカン・ジゴロ」当時のセックス・アピールぎらぎらの頃)や、トム・べレンジャー(「プラトーン」でブレイク前)が登場します。彼らの瑞々しい姿とは対照的に、テレサの自滅っぷりには腐る寸前の果実の匂いが漂い、死と絶頂が交錯する禁断の快楽さえ感じられます。

ラストがショッキングなせいか、これも未DVD化です…。いや、ひょっとしたら、日本で起こったとあるキャリア・ウーマンの転落事件に、内容があまりに酷似していたせいか…。今作は、ジュディス・ロスナーによる同名原作を映画化したものでありますが、事実は小説よりも悲劇的なのでありましょう。


にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 2
なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
“トラウマ”とは何ぞや。The movie with trauma. House of M/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる