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zoom RSS Kadおっちゃん、我が道を行く。

<<   作成日時 : 2012/08/16 01:17   >>

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Kad Merad(本名:Kaddour Merad)
キャッド・メラッド

1964年3月27日生まれ
アルジェリア出身

現在46歳のこのむさいルックスのおっさんは、只今フランスで絶大なる人気を誇るコメディアンなのであーる。そして、わたくし、豆酢館長のツボにもしっくりはまっているおっさんなのであーる。


アルジェリア人の父親とフランス人の母親の間に生まれた彼は、音楽が好きで演劇活動にも熱心に取り組んでいました。転機が訪れたのは1991年のこと。ロック系のラジオOuï FMで仕事を得た彼は、そこでOlivier Barouxという男と運命の出会いを果たします。すぐさま意気投合した彼らはコンビを組み、2人で“Le Rock'n'roll circus”と銘打ったコメディ・ショーを立ち上げました。そこからは、『Mais qui a tué Paméla Rose ?』や『Teddy porc fidèle』等の名作スケッチが生まれ、毎週水曜日の夜に行われる“Le Rock'n'roll circus Live”は大盛況となったそうです。Kadはピンでも“Ziggy Show”なるコミカル・ショーを披露。人気を博します。インテリで弁が立つOlivierの芸風と、もっさりした外見からは想像が付かないほどの柔軟で広い芸域を誇るKad。対照的な個性を持つ彼らのコンビネーションは抜群で、1999年から2001年まで、ケーブル系の“Comédie !”にレギュラー出演し、ついにテレビ界にも進出しました。
コメディのみならずシリアスな俳優業にも意欲的なKadは、脇役ながら映画出演にも挑戦し、フィリップ・リオレ監督による映画『Je vais bien, ne t'en fais pas』での演技が高く評価されました。同作では、2007年のセザール賞最優秀助演男優賞を獲得しております。2003年には、相棒Olivierと共に脚本を担当した『Mais qui a tué Pamela Rose ?』を長編映画として再生し、ヒットに導きました。
その後の彼の活躍は順調そのもの。Olivierも出演する人気コメディ生番組“Samedi soir en direct”(直訳すると、これ“サタデー・ナイト・ライブ”になるのよ・笑)で、得意の歌を生かしたお笑いネタを編み出し、数々のスケッチでスタジオ内に陣取るお客さんのハートをがっちり掴んでいます。映画出演の数もうなぎのぼりに増え、当館でも以前記事にした『Le petit Nicolas』における、主人公ニコラ少年のおトボけパパ役など、一般にも彼の名前は広く浸透していますね。パリ滞在中は、彼が出演する“Samedi soir en direct”のオーディション・スケッチ等をYouTubeで観まくっていたわたくしめ、大いに笑ってストレスを発散していたものです。

結局Kadのお笑いの魅力ってね、物凄く視覚的であることだと思うのですよ。フランス語がわからなくても、彼の芸は素直に笑えます。これがいいのです。彼は歌が得意だと前述しましたが、彼の有名な持ちネタの中に“ジャン・ミッシェル何某”というのがありましてね。これ、全て“ジャン・ミッシェル・●×”で始まる名前を持つ様々なジャンルのミュージシャンを、彼が1人で演じるというものなんです。YouTubeで検索していただければすぐご覧になれると思いますが、レゲエ・ミュージシャンやロックンローラー、果てはフォーク・シンガー、シナトラばりのロマンチックなアーティストまで、“そーいえば、こういう感じの奴、いるいる”と観る者が思わず笑ってしまうほど、ミュージシャンの特徴をよく捉え、かつ上手くデフォルメした見事な芸なのですよ。言葉を介さないお笑い、ユーモアって、比較的フィジカルに走りがちなのですが、Kadの場合はその独特のほんわかした雰囲気も手伝って、大げさなリアクションも嫌味になりません。彼の芸風は、日本で例えるならば志村けんさんに近いものがあると思いますね。無我の境地でアホになりきる。坂田師匠の教え説くお笑い道の、達人であるともいえるでしょう。

●フィルモグラフィー

2001年『La Grande Vie !』 Le motard
2001年『La Stratégie de l'échec』 : M. Golden
2003年『Bloody Christmas』 : L'homme
2003年『Le Pharmacien de garde』 : Le médecin légiste
2003年『La Beuze』 : Le directeur de Pacific Recordings
2003年『Mais qui a tué Pamela Rose ?』 : Richard Bullit
2003年『Rien que du bonheur』 : Pierre
2003年『Les Clefs de bagnole』 : Un comédien qui refuse de tourner avec Laurent
2004年『Les Choristes』 : Chabert
2004年『Monde extérieur』 : Bertrand
2004年『Les Dalton』 : Le prisonnier mexicain
2005年『Iznogoud』 : Le génie Ouzmoutousouloubouloubombê
2005年『Propriété commune』 : Martin
2005年『Les Oiseaux du ciel』 : L'oncle de Tango
2006年『Un ticket pour l'espace』 : Cardoux
2006年『Je vais bien, ne t'en fais pas』 : Paul Tellier
2006年『J'invente rien』 : Paul Thalman
2006年『Les Irréductibles』 : Gérard Mathieu
2006年『Essaye-moi』 : Vincent
2007年『Je crois que je l'aime』 : Rachid
2007年『La Tête de maman』 : Jacques Charlot
2007年『Pur week-end』 : Frédéric Alvaro
2007年『3 amis』 : Baptiste « Titi » Capla
2007年『Ce soir je dors chez toi』相棒Olivier Barouxの監督作 : Jacques
2008年『Bienvenue chez les Ch'tis』 : Philippe Abrams
2008年『Modern Love』 : Le masseur d'Éric
2008年『Faubourg 36』 : Jacky
2008年『Mes stars et moi』 : Robert Pelage
2009年『Safari』相棒Olivier Barouxの監督作 : Richard Dacier
2009年『Le Petit Nicolas』 : Le père de Nicolas
2009年『R.T.T.』 : Arthur
2010年『L'Immortel』 : Tony Zacchia
2010年『Protéger et Servir』 : Michel Boudriau
2010年『L'Italien』相棒Olivier Barouxの監督作(公開予定)
2010年『Monsieur Papa』ついにKad Merad本人が監督に進出する作品(公開予定)

こうしてざっとフィルモグラフィーを眺めてみると、相棒Olivier以外の数多くの才人と、バラエティに富んだ仕事をしているKad。どんな監督と組んでも、与えられた役柄にすんなり溶け込んでしまう彼の特質が大いにうかがわれますね。コメディアンとしての彼は、私が観た限りでは、視覚的にわかりやすくアホになりきるという、インテリ好きなフランス人からは一段低く見られがちな芸風なのでしょうが、映画の中の彼は必ずしもそうではありません。水が器に沿うように決して役柄からでしゃばらず、でも脇でさりげなく光る。なかなかに憎い芸当を披露してくれるのですよ(笑)。

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(画像向かって右側がKad、左側がOlivier)

シリアスな役者としても評価されるKadですが、私個人は、やっぱり相棒Olivierと組んでいる彼が一番好き。Kad et Olivier(Kad&Olivier。コンビ名ね)からは、対照的な持ち味のコメディアンの間にだけ発生する不思議なケミストリーを感じます。Kadが“歌も上手い志村けん”なら、さしずめOlivierは、モンティ・パイソンの中の中心人物“バカ歩きジョン・クリース”でありましょう。頭の回転も速くてすこぶる切れる男なのに、どっか間抜け(笑)。Olivierもクリースを意識してる部分があるんじゃないかしらね。

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それから、私がこのコンビを愛している理由のひとつに、彼らの仲の良さ、結束力の強さがあります。ステージでは息の合ったお笑いを披露するのに、いったん舞台を離れると口もきかない…という漫才コンビは多々ありますが、彼らの場合はたぶん、私生活でも本当に友人同士なのだろうなと想像できます。その独特の空気は、彼らが共同で製作する映画にも反映されているのではないでしょうかね。

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「Protéger et Servir」
この作品は、パリ滞在中に新作映画として公開された劇場で観てまいりました。以前に書いた感想を簡単にまとめておきますね。

今回の舞台は警察。相棒はClovis Cornillac。この濃い顔の男もコメディアンで、Kadとは以前もコンビを組んでおり、なかなかに芸達者。
孤児院で知り合ったKadとClovisは、長じて揃って刑事となる。だが、どこまでもおとぼけでお人よし、歌が大好きなKadと、女にもてないことが悩みのケチんぼClovisのコンビは、いつも失敗ばかり。上司からも同僚の刑事からも大いに馬鹿にされている。しかし、パリ市内で連続テロ事件が勃発し、2人は急遽テロ対策本部の担当刑事に任命されてしまった。どうやらこの事件には黒幕が潜んでいるようで、2人が右往左往しているうちに事件は意外な展開を見せ始める…。
ま、いかにもアホゥなフランス人が好きそうな、ベッタベタの下ネタ満載の、KadとClovisの個人芸で100分の上映時間をもたせるような、そんな内容だった(笑)。いや、大笑いしたけどさ。笑いの質がやっぱり視覚的でシンプルだからか。しかしまあ、金はかかってなさそうだし(悪役として、お懐かしやキャロル・ブーケが登板。年は食っていたが相変わらずのクール・ビューティー。今作の製作費の半分は、たぶん彼女へのギャラに消えたものと思われる・笑)、いまさら演出をどうのこうの論じるようなタイプの映画でもないし、ストーリーも取り立ててスマートなわけでもない、要は実にくだらんコメディである(笑)。れっきとしたフランス映画なのに、フランスの映画雑誌でも星をひとつもつけていない評価もあったぐらい(再笑)。
でも、Kadおっちゃんのなんとも言えない魅力はやはりピカイチ。今回も、孤児院の子供達の合唱団を指導するシーンが用意されていて、Kadは歌って踊って、そりゃもうご満悦(笑)。今私はこの禿げの中年コメディアンに夢中なのである。


「Un Ticket pour l'Espace」
実はこの作品は、DVDで観賞済み。感想を簡単に記しておきます。

Kadおっちゃんは、元々テレビのお笑い番組「Samedi soir en Direct」(アメリカでいうところの「サタデー・ナイト・ライブ」みたいなもんだ)で人気を不動のものにしたコメディアン。同番組でもコンビを組む昔からの相棒Olivier Barouxと、多くのコメディ映画を撮っている。「Un Ticket pour l'Espace」もそのうちの1本だ。
前回見た「Protéger et Servir」より、製作費はうんとこさかかってそう(笑)。なにしろ、宇宙旅行が一般的になった近未来が舞台であるからして。Kad et Olivierは、その宇宙旅行がまだまだ危険を孕んでいた時代に、その先駆者となった宇宙飛行士とその乗客を演じる。
フランスは、その科学力を世界に知らしめるため、一般の人間から広く応募を募り、プロの飛行士と一緒に宇宙旅行を経験させる計画を立てた。宇宙旅行が、昔のように困難で苦痛を強いるものではないと証明するためだ。優秀な宇宙飛行士であるBeaulieu大佐(Olivier)は、当初はこの計画には懐疑的だったが、上司Werburger には逆らえない。そこで、2年間片想い中の部下Soizic中尉(Marina Foïs)と、一般から応募のあった怪しげな青年Yonis(Guillaume Canet)と、女房と子供に逃げられた売れない俳優Cardoux(Kad)、Rochette教授(Frédéric Proust)を引き連れて、しぶしぶ宇宙ステーションまでの旅行を引率することになった。
シャトルの打ち上げには成功するものの、Yonis青年がついに本性を表わし、いつのまにか宇宙ステーションを乗っ取ってしまう。彼は、かつて Beaulieu大佐の友人であり同僚でもあった飛行士Bernard Guérinであったのだ。彼には、双子の兄弟が殺人罪で収監されたために、無理矢理飛行士を辞めさせられたという辛い過去があった。そのときの上司 Werburgerにも深い恨みを抱いており、今回の体験宇宙旅行に紛れ込んで、復讐するつもりだったのだ。Guérinは、ステーションを爆破されたくなければ、収監中の兄弟を釈放しろと迫る。しかし、間の悪いことに、その兄弟は釈放された途端に冗談のような事故に遭って死んでしまった。事実を知ったGuérinは荒れ狂い、Beaulieu大佐に濡れタオルによる決闘を申し込む。すんでのところでCardouxら仲間が駆けつけ Guérinを捕縛するも、GuérinはSoizic中尉を甘い言葉でたぶらかし、まんまと逃げおおせる。残った者たちは、右往左往しながらも Guérinがステーションに仕掛けた起爆装置のスイッチを切り、無事地球に帰還を果たすのだった。
ピンチを切り抜けたBeaulieu大佐は、やっとSoizic中尉にプロポーズし、男の沽券を取り戻したCardouxの元には女房と最愛の息子Hugoが戻ってきた。そして、犬猿の仲であったBeaulieu大佐とCardouxは、生涯にただ1人の無二の親友同士となったのだ。
そして現在。Cardoux自慢の息子Hugoは優秀な宇宙飛行士となり、今日も元気に宇宙に向けて飛び立っていった。

「エイリアン」や「2001年宇宙の旅」など、名作SF映画のゆる〜いパロディをそこかしこにちりばめながら、Kad et Olivier独特のリズムのお笑いを描く今作、爆笑する…とまではいかないにしても、結構クスクスと笑わせてくれる。Kadがボケ、Olivierがツッコミと役割分担は決まっていて、小堺一機そっくりのOlivier(凄い早口のフランス語・涙)が、阿吽の呼吸で相方の天然気味のボケをうまくかわしている。
また、この手のお笑い映画にしてはゲスト出演陣も豪華で、パトリック・デンプシーにそっくりなGuillaume Canetギヨーム・カネ、お惚け演技も可愛かったAndré Dussollierアンドレ・デュソリエが目立っていた。彼らが実に楽しそうに繰り出す渾身のギャグ演技も、なんだか微笑ましい。最後は、意外とまともな大団円を迎えていて、人情話が大好きなフランス人らしい〆であった。

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