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zoom RSS This is “British Movie”!―「英国映画スキーバトン」

<<   作成日時 : 2013/03/23 17:02   >>

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英国映画好きによる、英国映画が大好きだぁあぁあぁと暑苦しく叫ぶだけの、はた迷惑なバトンです。

『英国映画スキーバトン』


@好きな英国映画は?(3本まで回答OK)

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「モーリス Maurice」
監督はアメリカ出身だし(ジェームズ・アイヴォリー)、脚本はドイツ出身(ルース・プラワー・ジャブバーラ)、製作はインド出身(イスマイル・マーチャント)。国籍も人種もバラバラな彼らが不思議な巡り合わせのもとに出会い、なんとも薫り高い英国映画の名作が完成しました。どんなテーマを扱おうとも、“英国のエッセンス”をこれほどまでに体現する映画製作チームも珍しいのでは。外国人である彼らが、なぜ史上最も英国らしい英国映画を創造出来るのか、映画という芸術形態の不可思議を感じますね。
「モーリス」は、アイヴォリー監督の個人的な思い入れが非常に強い、異色の逸品であると思っています。原作となった小説はE・M・フォースターの作品ですが、これもまた著者の死後に出版されたいわくつきのものであります。フォースター自身の、今まで決して明らかにされることのなかった秘められた個人史が、過ぎ去った英国の豊かだった時代への郷愁と共に切々と表わされているからですね。しかしこの作品には、いよいよ過去のものとなる運命の貴族社会の憂鬱と、新たな時代を担うべき新世代の人々の双方が、実に対照的に描かれております。主人公モーリスは、その禁じられた愛情ゆえに旧社会とモラル闘争を繰り広げ、心ならずも英国の世代交代の大波に巻き込まれたとも考えられるのですね。そして、彼は結果的に旧社会との決別という道を選択しました。古い時代から新しい時代への旅立ち。いってみれば、「チャタレイ夫人の恋人」が目指したテーマと同じ志を持つ作品であると思われるのです。今作を、単なる少女趣味の同性愛映画としか捉えていない向きには、ぜひとも再販されたHDニューマスター・バージョンでの再度の観賞をお願いしたいものです。
英国映画のひとつの潮流を作った最強トライアングルの一角、イスマイル・マーチャント氏が2005年5月25日に逝去しました。残されたアイヴォリー監督は、その後もカズオ・イシグロのオリジナル脚本を映画化した野心作「上海の伯爵夫人 The White Countess」(2005年)や、監督自身の自伝的要素もさりげなく含まれた群像劇「最終目的地 The City of Your Final Destination」(2009年)、また2013年には新しい領域に挑む新作を予定するなど、喪失の痛みを跳ね返すように創作活動に没頭しています。おそらくアイヴォリー監督もまた、アルトマン監督と同じように、“監督を辞めるのは死ぬ時だ”と決意しているのではないでしょうか。フィルモグラフィーが、そのまま彼らの苛烈な生き様なのでありますね。


「召使 The Servant」
ああこれも監督はアメリカ出身(ジョゼフ・ロージー)。しかし、英国の貴族制度の崩壊を冷え冷えとシニカルに描くタッチは、まさしく“英国”そのもの。今作では、ロージー監督を助けて、不世出の英国人脚本家、劇作家であるハロルド・ピンターがペンを奮っております。英国社会の歪みを、舞台劇のような作品中に暗示する手法で、彼のキャリア中でも最も力強い逸品に仕上がっておりますね。
ダーク・ボガードとジェームズ・フォックスという対照的な2人の男優の魅力が詰まっています。拙レビューはこちらに。


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「素晴らしき戦争 Oh! What a Lovely War」
意外に思われるかもしれませんが、これをチョイス。“これぞ英国映画だ!”とキャッチコピーをつけたくなるような作品だと思っております。監督は、俳優としても知られるリチャード・アッテンボロー。実はこれ、監督としての彼の処女作でもあります。反戦ミュージカルとして有名な舞台劇を映像世界に置き換えた、一大戦争絵巻ですね。
第一次世界大戦が勃発し、英国政府もこの戦いに国民総参加を呼びかけました。平凡な一般市民であるスミス一家にも戦争の暗雲は立ちこめ、否応なく戦火に巻き込まれていきます。実際に戦いで命を落とす兵士や市井の人々の姿と、人命を駒のようにしか考えぬ軍上層部との対比を通じて、ストレートに“反戦”を訴える作品ですね。出演陣は、ローレンス・オリヴィエ、ラルフ・リチャードソン、ジョン・ギールグッド、マイケル・レッドグレーヴ、ジョン・ミルズ、ダーク・ボガード、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、マギー・スミス等々…いずれもサー、デイムの称号に輝く名優ばかりです。演出はいたってオーソドックスですが、名優たちによる素晴らしい演技アンサンブルによって、反戦というテーマが普遍的な重みを持って伝わってきます。
そして、名もない人々の大小さまざまな墓標が延々と続くラストシーンは、“OH! WHAT A LOVELY WAR”というタイトルの皮肉と共に戦争の非を無言のうちに訴えて秀逸。「西部戦線異状なし」に匹敵する力を今作に与え得たと思っています。


A好きな英国人俳優は?(3人まで回答OK)

・ショーン・ビーン
たぶんこの方は、お亡くなりになるまでずっと応援するでしょう。「ロード・オブ・ザ・リング」のボロミア役でようやくブレイクし、役者としてのキャリアを実りあるものにする時期の途上。いつまでも元気で、己の頑固に信ずる道を突き進んでいってください。それだけです。

・ダーク・ボガード
常に陰の中にたたずみ、陽のあたる場所を冷ややかに見つめるような雰囲気は忘れられません。この方も一途に己の道に邁進した俳優だといえるでしょうね。ハリウッドとはきっぱり縁を切って、ヨーロッパ映画界でオンリーワンの地位を築きました。私が彼に惹かれるのは、やはりそのアウトサイダー然とした存在感です。

・ピーター・オトゥール
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いまだ現役の、このエキセントリックな老英国俳優は、「アラビアのロレンス Lawrence of Arabia」でキャリアの頂点を迎えました。この1作で彼は映画史上に名を残したと断言してもいい。
思うに、この作品も、また彼自身も、ある意味、英国の光と闇そのものを体現したような存在です。英国社会とアラブ世界という相容れない異文化の衝突に巻き込まれた英国青年ロレンスの辿る数奇な運命と悲劇的な顛末は、実は、当時の英国政府が直面していた葛藤でもあるのです。しかし国家同士のせめぎあいも、個人の悲劇も、いずれも侵しがたい大自然の中ではちっぽけなものにすぎません。SFX技術も碌にない今作製作当時、一体どのようにして撮影されたのか見当もつかない一大シークエンスの連打は、今もってこれを凌駕する作品は生まれていないほど。デイヴィッド・リーン監督の数ある作品の中でも、文句なく最高傑作でしょう。オトゥールにしてもこの後これを越える出演作には恵まれていません。


B英国映画・俳優の魅力を3つのキーワード(もしくは短文)で述べて下さい!(例:ほのぼの、親子、本能的に)

端正、人間の本質、真摯


C英国映画・俳優にハマったきっかけを教えて下さい。

「アラビアのロレンス」を観たこと。


Dこの作品の続編を作って欲しい!!

続編は…たぶんない方がいいのだと思います。

画像

ギリシャのサモトラケ島で発見されたことで有名になった、首のないニケ像をご覧になってください(現在ルーブル美術館所蔵)。この美しい彫像に、みなさんは首を作り足したいと思われますか?なぜこの像が見る人の心を揺さぶるのか。それは、彼女の首がないからではないでしょうか。人は、かつてこの像にいったいどんな美しい頭部があったのかと、それぞれに想像をたくましくするでしょう。彼女の幻の全体像は、人々の空想の世界でこそ最も美しく輝くはずで、これに実際に頭をつけてしまったら、その幻滅感、失望感たるや例えようがなくなると思います。

思うに続編を作るというのは、このニケ像に頭をつけてしまう行為と同じではないかと…。


Eこのキャストで、こんな設定で、こんなジャンルの映画を観てみたーい!

現在の悲願は、「マクベス」をショーン・ビーン主演で観てみたいということですね。ただし、シェイクスピア原作の映像化ではなく、実在のスコットランド王マクベス(在位1040 年から1057年まで)を史実に忠実に描いて欲しいのです。賢王という評価もあるマクベスの、おそらくは複雑な歴史の流れに翻弄されたであろう実像を丹念に描写してください(懇願・涙)。国民を統べるリーダーとしての重責と、自身の王位への執着の間で揺れ動く1人の男。単なる権力欲の塊のような悪人ではないマクベス役には、きっと繊細で複雑な演技が要求されるはずです。ショーンに相応しい役柄だと思いますよ。監督はピーター・ウィアーで。金とコネさえあれば自分で企画したいぐらい…(とほほ)。

もう一発(笑)。ペーターゼン監督による映画版「トロイ」は、いわゆるアキレスのロックスター伝説の様相を呈しておりました。それはそれでいいんですが、やはりショーン好きにしてみれば、オデュッセウス様への言及が物足らない!オデュッセウス自身の物語は、むしろあの映画の後から本格的に始まるのですからね。
ですから、ホメロスの「オデュッセイア」をショーン・ビーン主演で。こちらはテレビシリーズでお願いします。長い長い物語をじっくり追って欲しいので。監督は、あえてリドリー・スコット御大をチョイス。


Fそんなステキな英国に行った事はありますか?行ってみたいですか?

行ったことがないので、ぜひ行きたいですね。ショーンの出身地シェフィールドで、ブレイズの試合を観戦して大暴れして、パブで飲んだくれてみましょうか。


G行った事のある方、想い出の場所とエピソードがあったらドウゾ。
行った事が無い方、是非!行ってみたい所はありますか?(映画のロケ地とか)

英国ではまずシェフィールド詣でをしたいのですが、時間とお金が許せば英国中をくまなく探索したいですね。“英国らしさ”がどこから生み出されるのか、その源泉である土地と人々の生活をよく知りたいです。


H英国に向かって何か叫んで下さい。

英国の紳士淑女は大きな声で叫んだりしないかも。なので心の中でひっそりと“God save the Queen!”と。


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