House of M

アクセスカウンタ

更新情報

zoom RSS 「夕なぎ Boom!」と「秘密の儀式 Secret Ceremony」…ジョセフ・ロージー監督

<<   作成日時 : 2014/11/12 15:24   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 0

いまだにDVDあるいはBlu-ray化されていない作品が多いジョセフ・ロージー監督の諸作品。エリザベス・テイラーが貫禄の演技を見せている2作品「夕なぎ」と「秘密の儀式」が、初めてDVD化されたのは2008年のことでした。


夕なぎ [DVD]
キングレコード
2008-08-06

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ商品ポータルで情報を見る

「夕なぎ BOOM!」(1968年製作)
監督:ジョセフ・ロージー
製作:ジョン・ヘイマン
原作:テネシー・ウィリアムズ
脚本:テネシー・ウィリアムズ
撮影:ダグラス・スローカム
音楽:ジョン・バリー
出演:エリザベス・テイラー
リチャード・バートン
ジョアンナ・シムカス
ノエル・カワード
マイケル・ダン他。

画像

(「夕なぎ」撮影中の一コマ。エリザベス・テイラーとリチャード・バートンを演出するロージー監督)

「夕なぎ」の方は、かのテネシー・ウィリアムズの難解な脚本を映像化したもの。…かつては絶世の美女と讃えられていた美女が、加齢のためかなにかの罰か、原因不明の奇病に侵されました。彼女は、孤島に要塞のような堅固な邸宅を構え、引き篭もってしまいます。そこで、死の影に怯えながら回顧録を執筆していましたが、ある日謎の男が海辺に流れ着きます。彼女は男を死神の化身かと訝りながらも、いつしか惹かれていく…というお話です。
当時、“中年”と呼ばれる年齢にさしかかっていたリズ・テイラーをして、まるで彼女自身のパロディのような役を演じさせたロージー監督。おまけにこの作品のリズは醜悪です。往年の美貌が衰えたばかりか、病魔に侵されているという設定なのですから。リズにそんな演技をさせたロージーもロージーですが、彼の挑戦(笑)を正々堂々と受けて立ったリズの肝っ玉も相当なもの。尤も、原作がテネシー・ウィリアムズの戯曲であったことも関係したのでしょうが。
字幕なしの状態でしか観たことがなかった作品だったので、このたびの国内版DVD化は嬉しい限りです。一般的な評判は非常に悪く(苦笑)、よもやDVDになることはなかろうと諦めていたのですよ。外界から遮断された孤島の、要塞のような異様な屋敷内で起こるシュールな恋愛ドラマ、ウィリアムズの台詞と共にその浮世離れした美しい背景も堪能したいところです。そして、この作品の出演陣の豪華なこと。リズを筆頭に、リズとは実生活でも腐れ縁で結ばれたリチャード・バートン、ジョアンナ・シムカスにノエル・カワード(!)まで登場するのですから、なんだか得した気分になりますね。



秘密の儀式 [DVD]
キングレコード
2008-08-06

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ商品ポータルで情報を見る

「秘密の儀式 SECRET CEREMONY」(1968年製作)
監督:ジョセフ・ロージー
製作:ジョン・ヘイマン&ノーマン・プリゲン
原作:マルコ・デネビー
脚本:ジョージ・タボリ
撮影:ジェラルド・フィッシャー
音楽:リチャード・ロドニー・ベネット
出演:エリザベス・テイラー
ロバート・ミッチャム
ミア・ファロー
パメラ・ブラウン
ペギー・アシュクロフト他。

「秘密の儀式」の方は、一転してロージーお得意の心理サスペンス・ドラマ。彼は、少年を主人公にした名作をいくつか製作していますが(「緑色の髪の少年」「恋」)、この作品のモチーフは少女と母親(擬似関係ではありますが) の捩れた葛藤です。リズの役どころは、寄る年波に勝てず苦境をかこつ中年娼婦。身寄りのない少女に懐かれて同居を始め、2人は擬似母娘関係を結びます。孤独な者同士支え合って、奇妙ながらも安定した生活を送っていたのですが、ある日少女の亡き母親の愛人であった男が闖入してきます。多感な少女と成熟した中年女、粗野ながら性的魅力たっぷりの男。歪な三角関係が生じるのに、たいした時間はかかりません。しかも男は、少女の母親を死にい追いやった張本人でした。女2人の間に、苦悩と葛藤を伴う緊張が生まれ、共に最悪の悲劇へ向かって転がり落ちていきます…。
ロージー監督は、女優の演出があまりお上手ではないという、ありがたくない定評もある方です。真面目すぎる性格からか、複雑怪奇な内面を持つ女性を描写するのが苦手なのかもしれませんね。しかしながら、「エヴァの匂い」のジャンヌ・モロー、「できごと」のジャクリーヌ・ササール、「恋」のジュリー・クリスティー等、オーラを放つ女神に恵まれてからは、そのウィーク・ポイントも解消されたようです。
この作品でも、リズの貫禄に、当時新進女優だった腺病質なミア・ファローを絡ませるという絶妙の配役で唸らせます。そんな危ういバランスの中に、ロバート・ミッチャムというクセのある男を放り込むのですから、面白くならないわけがありませんね。限られた登場人物が織り成す心理葛藤劇というのは、ロージー監督が好むモチーフのひとつなのですが、「秘密の儀式」は豪華なキャスティングにも関わらずあまり知られていません。なかなか興味深いサスペンス劇に仕上がっていますので、DVD化はやはりうれしいですね。私自身は、これまた字幕なしの状態でしか観たことがなく、今度こそ、台詞の内容もゆっくり吟味しながら観賞したいと思っています。

さて、これだけロージー監督の旧作がDVDになったのですから、お次はぜひとも「愛と哀しみのエリザベス The Romantic English Woman」(1975年、グレンダ・ジャクソン、マイケル・ケイン、ヘルムート・バーガー主演)と、名作「恋 The Go-Between」(1971年、ジュリー・クリスティー、アラン・ベイツ、ドミニク・ガード主演)のDVD化を切実に願います。

この二つは、ロージー監督のフィルモグラフィーの中でも、極めて美しくほろ苦い大人の恋愛を繊細に描いた素晴らしい作品です。是が非でもDVD化して欲しいですね。


にほんブログ村 映画ブログ 映画備忘録へ
にほんブログ村

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 2
なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い

にほんブログ村

「夕なぎ Boom!」と「秘密の儀式 Secret Ceremony」…ジョセフ・ロージー監督 House of M/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる