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zoom RSS 拳銃とジョー・カーナハンと「NARC:ナーク」Guns, Joe, "Narc"

<<   作成日時 : 2016/09/01 16:53   >>

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ジョー・カーナハン Joe Carnahan

1969年5月9日生まれ
アメリカ、カリフォルニア州サクラメント出身

●フィルモグラフィー Filmography

2015年「The Blacklist / ブラックリスト The Blacklist」(TVシリーズ)
2014年「クレイジー・ドライブ Stretch」監督・脚本
2012年「The Grey凍える太陽 The Grey」監督・脚本
2010年「特攻野郎Aチーム THE MOVIE The A-Team」監督・脚本
2009年「THE 4TH KIND フォース・カインド The Fourth Kind」製作のみ
2008年「プライド&グローリー Pride and Glory」(未)脚本のみ
2006年「スモーキン・エース 暗殺者がいっぱい Smokin' Aces」監督・脚本
2002 年「NARC:ナーク Narc」監督・脚本
1997年「ブラッド・ガッツ Blood, Guts, Bullets and Octane」監督・脚本・主演

カーナハンは、テレビの裏方からキャリアをスタート。その後編集作業にたずさわったり、脚本家として仕事をするなど下積みを経験し、1997年、たった7000ドル(!)の予算で監督、脚本、主演までこなして「ブラッド・ガッツ」(未・V)を製作。これがサンダンス映画祭で大変な熱狂をもって迎えられ、クエンティン・タランティーノ以来の才能と絶賛されました。
そして、1994年に自ら書いた短編をもとに新たに脚本を書き直して、2002年「NARC:ナーク」を製作することになります。しかしインディペンデント映画の悲しさで、この作品も予算集めが難航しました。レイ・リオッタ、ジェーソン・パトリックという実力派の俳優たちを主演に迎えながらも、何度も製作中止の危機に見舞われました。
彼らに救いの手をさしのべたのは、トム・クルーズ。彼はカーナハンの演出能力に感銘を受け、「NARC:ナーク」の脚本のプロットにも舌を巻きました。そこで、自身の大ヒット企画「M:I-3」の監督に抜擢する条件で「NARC:ナーク」の製作総指揮を引き受け、資金援助をしたわけです。
しかし「M:I-3」でのコラボレーションは、残念ながら『芸術的意見の相違』で物別れに終わり、実現しませんでした。クルーズは「M:I-3」でも製作を兼任しているので、撮影現場でもかなり細かいところまで遠慮なく監督に口出ししたようなのですね。カーナハンとクルーズの対立の直接的原因と噂されています。
その後、ショーン・ビーン主演のテレビドラマシリーズ「Faceless」がFOXテレビで企画され、そのクリエイター兼監督にカーナハンが就任するのではと噂されていましたが、結局この話は流れてしまいました。ショーンのアメリカドラマ界への進出は成りませんでしたが、カーナハン監督は映画界に戻り、B級テイスト濃厚な1作「スモーキン・エース 暗殺者がいっぱい」を完成させます。
裏社会にもつながりを持つベガスの人気マジシャン、エースは、マフィア社会に混乱をもたらしてしまった上に、FBIからも司法取引を持ちかけられて大弱り。早速彼の心臓には100万ドルという莫大な報酬がかけられ、世界中から大勢の暗殺者たちがエースの命を狙おうと集まってくる…というお話ですね。暗殺者が入り乱れる中、エースを保護する役目についたFBI捜査官たち、そして必死にわが身を守ろうと画策するエース自身によって、この暗殺劇はさらに大混乱を極めるわけですね。アンディ・ガルシア、ベン・アフレック、レイ・リオッタ等の華やかなキャスティング陣に混じり、アリシア・キーズやコモンといった人気ミュージシャンまでが集結した、なかなかご機嫌なアクション・コメディに仕上がりました。
フィルモグラフィーを俯瞰すると、B級テイストを持ったスピーディーなアクション映画を得意としていることがわかるジョー・カーナハン監督。彼の作品の中で、個人的に面白いと感じたのはやはり「NARC:ナーク」でしょうかね。


「NARC:ナーク Narc」(2002年製作)
監督:ジョー・カーナハン
脚本:ジョー・カーナハン
撮影:アレックス・ネポンシアニー
音楽:クリス・マルティネス
出演:ジェーソン・パトリック、レイ・リオッタ他。

麻薬潜入捜査官ニック・テリス(パトリック)は、潜入捜査中に麻薬の売人を撃ったが、流れ弾が妊婦に当たり、責任を問われて停職処分を受ける。
警察官を辞める決意をしたテリスに、麻薬課刑事マイク・カルベス殺害事件の捜査への協力命令が出る。犯人を逮捕できれば、復職させるという条件であった。殺人課のチーヴァース警部に説得され、カルベス刑事殺人事件の捜査チームに入るテリス。
かつてのカルベスのパートナーであったヘンリー・オーク警部補(リオッタ)は正義感だが、荒っぽい捜査で有名で警察内でもトラブルメイカーだ。テリスは彼とコンビを組まされるはめになる。
テリスの妻は、夫が再び捜査の最前線に戻ることに激しい不安を覚える。潜入捜査中の夫は、組織に正体を見破られないように売人そのものになりきり、麻薬にも手を染めていたからだ。警察から離れて、やっと夫の精神状態が落ち着いてきたというのに…。
妻の不安を押し切り、テリスはオークとともに聞き込みを始める。カルベスとつながるタレこみ屋を締め上げ、死後2〜3週間はたつ死体を発見。現場に残された銃の形状から、テリスは警察内部から銃器が流れているのではないかと疑う。テリスとオークは次第に打ち解けるが、テリスがカルベスの自宅を訪問すると、オークは異様なまでに激怒する。また警察内部でも、カルベス夫人に関する情報は非公開とされていた。なおも調べるうちに、テリスはカルベスが麻薬中毒からの回復を目指すプログラムを受けていたことを知る。
一方、急性麻薬中毒で病院にかつぎこまれたシェップスの部屋を捜索すると、ドラッグ、拳銃、警察手帳が見つかった。油断していたテリスとオークは、シェップスに襲われる。オークがシェップスを撃ち倒したが、テリスは負傷。入院中のテリスに、妻は別居を申し出る。警察官の家族としてこれ以上の緊張を強いられるのは耐えられない、と。
警察は手っ取り早くシェップスをカルベス殺害犯人としてケリをつけようとするが、テリスは疑問を感じ、独自に捜査を進めていく。
やがて、シェップスにドラッグを売ったダーンネル・ベリーという男が捜査線上に現れる。半年前に閉鎖されたタイタンズ自動車という会社と、そこに勤めていた男たちを調べるテリスとオーク。廃屋となった工場で、ダーンネルと相棒のスティーズを銃撃戦の末、逮捕した。ダーンネルの車からカルベスの銃が見つかる。
ダーンネルはカルベス事件について恐ろしい事実を供述し始めた。…


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先の見えないストーリーは練りに練られ、俳優は、麻薬捜査に身も心も蝕まれていく警察官たちの姿に凄みを与えていく…。それを一本の映画に破綻なく凝縮した、カーナハンの見事な演出。
カーナハンは、往年のフィルム・ノワールと70年代ポリス・アクション・ムービーにオマージュを捧げ、登場人物たちの動きに合わせてぶれる手持ちカメラで画面を作りました。また、劇中の麻薬捜査官たちの心情を映し出すように、背景の映像はどんよりとした灰色の中に沈み込み、舞台となったデトロイトの空気が観客にまで重苦しくのしかかってきます。その澱みを切り裂くように繰り出される激しい銃撃戦は、近年まれに見る鮮烈なアクションシーンとして強く印象に残りました。
その中でカーナハンは、正義と悪のあいまいな境界線に翻弄される一個の人間としての警察官の苦悩を丁寧に描きました。あくまでもテーマの主軸は、善悪に翻弄される人間の良心のあり方にあるのですね。カーナハンの確かな演出ビジョンは功を奏し、この作品は強く観客の心をとらえることに成功しました。


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