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zoom RSS FBI失踪者を追え!シーズン1第13話「親の執念」Without A Trace S1ep13

<<   作成日時 : 2014/05/09 23:50   >>

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ナイジェリアでの女子学生誘拐事件であらためてスポットライトが当たっている、子供の誘拐という犯罪。ここ最近、立て続けに“子供が攫われる”ことを描いた映画を見たこともあり、WATのこのエピソードを思い出しました。


1996年7月3日、キャッツキル州立公園にて。チェット・コリンズは毎年家族と共にここでキャンプを楽しんでいた。この年はまだ2歳だった息子のショーンも一緒だ。ところが、チェットが隣のテントにいた妻のヘレンと娘のケリーにおやすみを言うためテントを離れたほんの数分の間に、ショーンは消えていた。
それ以来、ショーン失踪事件に関する手がかりは、FBIでは全くもってつかめていなかった。父親のチェットは、今も諦めずに消えた息子の行方を追い求めている。事件発生当初から深く関わってきたジャックとて、ショーン捜索を諦めたわけではないが、有力な手がかりが全くない現在の膠着状況では明るい未来を思い描くことは困難だった。
そして今、ジャックたちは再び過去に迷宮入りしたショーン失踪事件に立ち戻ることを余儀なくされた。他でもない、当のチェットがいなくなってしまったからだ。

チェットが現在住むアパートの管理人は、ここ1週間彼の姿を見ていない。FBIに捜索願を出したのは別居中の妻へレンである。娘ケリーに会いに来る約束を彼がすっぽかしたため、不審に思ったへレンがチェット失踪に気づいたのであった。以前よりもうんとみすぼらしくなったチェットの住まいに、彼が置かれた窮状が見て取れる。経済的にも追い詰められていたのだろう。ジャックは暗澹とした気持ちになる。現在のチェットの仕事はハンティントン郊外にある作業現場であるが、遅刻、仕事上のミスが度重なり、失踪6日前にクビを言い渡されている。
壁一面に、アメリカ全土の大きな地図が張られ、ショーンの目撃情報が寄せられた地域全てにピンが立てられていた。その数は膨大。それでもショーンの行方はようとして知れないのだ。粗末な木の机の上には、チェットが肌身離さず持っていたショーンと一緒の写真と、結婚指輪がぽつねんと置かれている。ジャックは今更ながらにチェットの絶望の深さを思い知らされ、言葉をなくした。

捜索チームがチェットの身辺を洗い直す。まず、彼は2万5千ドルもの借金を抱え、ここ数ヶ月でクレジット・カードと携帯の使用も止められている。挙句にテレビやステレオも質に入れている状態だ。ところが最近小切手用の口座から1万5千ドルを引き出している。しかも直接現金でだ。彼はこの大金を何に使ったのか。まず、誰もが陥りやすい罠としてドラッグ購入が考えられるが、ジャックはこれを即座に否定する。更に、チェットが8日前に口径9ミリの銃を購入していたことが分かった。常識で考えても、借金を抱えて失業し、命より大事な写真と結婚指輪を残して消えた男が銃を買う理由は、一つしか考えられないだろう。ところがジャックはこの可能性も否定する。では、何か情報をつかみ、たった一人でどこかへ乗り込んでいったのか。今まで彼はなにか有力な手がかりを得ると、その真偽を確かめるために必ずジャックの元に足を運んでいた。だが今回に限りジャックの所にも姿を現していない…。
ニューヨーク州ハンティントン。チェットの上司フレッドの証言。チェットがクビになった直接の原因は、ごく単純な改装工事で、今までなら考えられないような初歩的なミスを犯したからだった。注意しても訂正されず。本人に解雇を告げると、彼は今失職するわけには行かないと動揺し逆上して、フレッドの肩を脱臼させる怪我を負わせたという。ここ最近のチェットの様子はおかしく、不機嫌でいきなり同僚にキレたこともあるそうだ。経済的に相当逼迫していたようだった。
一方別居中の妻へレンの証言。彼女は東洋系の女性だ。チェットと最後に会ったのは失踪8日前のこと。彼がケリーをコンサートに連れていき、予定より少し早く帰宅した。そのため、結婚を前提につきあっているヘレンの恋人アレックスとチェットが、玄関先で鉢合わせする羽目になってしまった。チェットの表情は見る間にこわばり、凍てつく雰囲気の場から逃げるように、アレックスは去っていった。夫婦は向き合う。ヘレンとしては、過去の呪縛から逃れて前向きに人生を生きたいという希望を持っており、アレックスとの付き合いもその第一歩だった。だがチェットは、彼女がショーンを忘れ去ろうとしていると思い込み、ひどい侮蔑の言葉を吐く。ヘレンは過去6年間夫婦間で繰り返されてきた、堂々巡りのいがみ合いに疲れきっていた。彼女とて、息子であるショーンを忘れたことなどないのに。だが彼女のその思いは彼には届かなかった。チェットはヘレンにたった一言、“地獄に落ちろ”と言い残し去っていった。つまり彼はそれほど絶望していたのである。
チェットが大金を必要とした理由が判明する。彼は2ヶ月前からゲイリー・フィスクという私立探偵と接触していた。これが依頼人の弱みに付け込んで大金を搾り取る輩。ジャックはマーティンを制して自らフィスクを締め上げに向かう。
フィスクの証言。彼の調査料は、現金で一日300ドルだという。最初の1ヶ月はチェットもきちんと支払っていたが、徐々に支払いが滞り始めた。そこでフィスクは探偵がよくやる手段で、新しい情報が欲しければ金を払えと迫った。するとチェットは失踪2日前、オフィスでいきなり彼に銃を突きつけたという。新しい情報を出せと。フィスクは抵抗せず情報を渡したが、それは彼の助手がネットで漁った関連情報に過ぎなかった。ジャックは、話を聞いてやっただけで充分だと居直るフィスクに呆れ果てる。
捜索チームは、ショーンに関する6年半分の資料の山に目を通すという、気の遠くなるような作業を開始する。チェットがどの情報に目をつけたのかを、そこから推理するのだ。探偵が彼に渡した情報の中から、彼が何に注目し、どこへ向かったかを割り出すしか、今のところ捜査のめどが立たない。しかしそれでは彼を追い込むことになってしまうため、マーティン、サマンサ、ダニーは、気乗りがしない。チェットは銃も携帯しているし、精神状態も最悪だ。下手をすれば自殺しかねない。ヴィヴィアンを除くチームメンバーは、チェット失踪当初から異様に感情的になっているジャックへの信頼感すら揺らいでいる。
彼らの不満を受けて、ヴィヴィアンはジャックに直談判にいく。ジャックがチェットと最後に会った2ヶ月前、2人の間で実際何があったのか。答えをはぐらかそうとするジャックを一喝するヴィヴィアン。チェットの今回の行動を解く鍵は、彼らの間で最後に交わされた会話にあるのだ。
ジャックの証言。2ヶ月前、チェットはまたもや新たな情報を持ってジャックの元に現れた。オクラホマの新聞に載ったホームレスの子供の写真である。彼はそれがショーンだと信じ込んだ。地元警察に命じて調べさせたところ全くの別人だとわかったが、彼は納得せず、FBI捜査官をオクラホマに送れと言い募ってきたという。ただ別人だと確認させるためだけにFBIの捜査員を動かすことは出来ない。ところがジャックに反対されたチェットは、ショーンのためならなんでもするという約束を反故にするのかと怒りを露にする。頭にきたジャックは、ついに言ってはならない一言をチェットに告げてしまう。「あきらめろ」と。腑抜けたような表情のまま、チェットはオフィスを後にした…。結局チェットを追い詰めたのはジャック自身だったのだ。
フィスクがチェットに渡したネット情報のうち、一つだけチェットの部屋になかったものがわかった。トレントンの新聞の社会面に載った記事で、2歳女児の誘拐未遂事件を報じたものだ。ある男が犬で女児を誘い出そうとしたが失敗、彼は逮捕されたが証拠不十分ですぐに釈放されたという。実はショーン失踪のときも、犬を連れた男を目撃した者がいた。巡視員トレイ・キャバノーである。チェットは今回釈放されたその男を、ショーンのときの犬連れの男と同一人物だと考えたようだ。
ニューヨーク州キャッツキル。トレイ・キャバノーの証言。彼は巡視員として勤務し始めて3ヶ月目に、ショーン事件と遭遇した。チェットは年に一度は彼の元にやってきて、犬連れの男について情報はないかと訊ねていたそうだ。失踪2日前急に連絡があり、チェットはタイソン・ディブズという男の写真を持ってきた。6年前の男と同一人物か確認しろと迫られたが、記憶も既に薄れ、暗闇で見た男の顔を判断することは困難だった。必死に食い下がるチェットに気おされて、トレイは「そうかもしれない」と答えるのが精一杯であった。
コネティカット州ブリッジポート。チェットの足取りを追うジャック達は、ディブズのアパートメントに来ていた。ところがディブズは死体となって風呂場に転がっていた。胸を撃たれている。この瞬間、チェットは第1級殺人容疑者となったのである。
ここで驚くべきことが分かった。ディブズは、なんとショーン事件の際に参考人になっていたというのだ。チェットは重大な何かを見つけたのだ。しかし背後に大きな犯罪の匂いも感じられるため、一刻も早くチェットの暴走を止めねばならない。
チェットはディブズに会いに行き、ショーン誘拐の自白を引き出したか、あるいは逆に誘拐を認めない彼にキレたのか。ジャックの見解では、ショーンの確実な情報を得ない限り、チェットがディブズを手にかけることは考えられない。昨晩へレンの家にチェットから電話があったと連絡が入る。ジャックは2ヶ月前のチェットとの諍いを告白し、以来いささか感情的になっていたことをチームに正直に謝罪した。とにもかくにも今は、ディブズを徹底的に洗い直し、チェットの足取りを追うことが肝心だ。
ケリーの証言。チェットは昨晩ケリーに電話してきたらしい。それによると、彼はついにショーンを見つけたというのだ。ケリーは、またしても父が不確かな情報に振り回されていると思い、口をつぐんでいたが、昨晩の父の様子は今までと違っていたという。
ディブズはショーン失踪の翌日、ハートフォードのモーテルに何度も電話していた。そこで相棒に会う予定であったが、叶わなかったのだろう。当時の宿帳の記録によると、宿泊を直前でキャンセルした客が幼児用ベッドの準備を依頼していたらしい。その客の名前はボー・ウィリアムズ。彼の行方を至急追跡する。
チェットは95号線沿いの公衆電話から電話をかけてきていた。彼は現在ハートフォードにいるということだ。
ニュージャージー州トレントン。ディブズによって娘を誘拐されかけたジェンセン氏の証言。娘アリーヤは、公園の池でカモを追ううち茂みに駆け込んでしまった。しばらく後、紐で縛られた小犬のそばで発見された。付近にいたディブズを取り押さえたのは、別の子供の父親であったという。共犯者はいなかったようだ。そのとき現れたジェンセン夫人もまた東洋系の女性であった。
養子縁組を望む夫婦が異人種である場合、自分達の容姿と違和感のない子供を選びたいというのが本心だろう。しかしそんな注文にかなう子供は少ない。養子斡旋所で見つからなかった場合は、彼らは下請け業者に依頼する。つまりそのブローカーが違法な手段で注文どおりの子供を仕入れ、グルの悪徳弁護士が偽の書類を揃えてそれを承認し、養子縁組は晴れて正式に成立となるのだ。チェットはショーンが養子にされたとディブズから聞いたはずだが、相棒のウィリアムズはなぜ現れなかったのか。
コネティカット州ハートフォードのサーデル養子縁組紹介所。記録によると、1997年2月、オースティンという子供がカーター夫妻の養子となっている。ショーン誘拐の7ヵ月後のことだ。しかしオースティンはベトナムの仲介団体の紹介でやってきた子供だ。これは疑いの余地なく正規の団体なので、オースティンがショーンである可能性はない。カーター夫妻は長い間養子を探していて、オースティンが見つかる半年前にも、別口の養子をもらう直前まで話が進んだそうだ。だがこの縁組は結局頓挫した。ショーンが絡んでいるとすればこれであろうか。
トランプルでチェットの目撃情報が寄せられた。彼はオースティンをショーンだと勘違いしたまま、学校の遠足まで追っていったのだ。FBIがトランプルに急行する。
チェットが遊園地で遊ぶオースティンを探している。彼がオースティンに駆け寄ろうとした寸前、ジャック達は彼を取り押さえた。オースティンをショーンと信じるチェットは抵抗する。だがジャックは彼をディブズ殺害容疑で逮捕した。
興奮するチェットを諫めるジャック。とにかくディブズと何があったのかを話すよう促す。ディブズをショーン失踪時にいた男と確信したチェットは、地元警察に彼の住所を聞き、本人に直接会った。ディブズは、殺気を漲らせるチェットに恐れをなして真相を明かした。ディブズの役割はショーンを連れ出すこと。トランプル在住の夫婦の養子にするために、相棒ウィリアムズが彼を弁護士に引き渡す予定であった。ディブズはウィリアムズにショーンを渡しただけ。報酬も受け取っていないという。チェットはその話の真偽を確かめるため、彼をそのまま生かしておいた。彼を殺したのは別の人間だ。だがそれが誰なのかは、チェット自身にもわからない。その後彼はトランプルに赴いたのである。オースティンはショーンではなかったが、ここまできたからにはジャックにも諦めるつもりはない。
ディブズ殺害に使われた銃は、チェットのものではないことがわかった。彼は直ちに釈放される。だが、事件の背後関係がもう少し明らかになるまで、この状態のチェットを解放するわけにはいかない。
急ピッチでウィリアムズ探しが進む。なんと彼は、ショーン誘拐の翌日デトロイト郊外で交通事故死していた。おそらく真相は、ウィリアムズが仲間を裏切り、ディブズからショーンを受け取った後独断でデトロイトへ向かったのだろう。1人で養子縁組を行い、報酬を独り占めしようとしたか。結局彼は居眠り運転で事故を起こし、あえなく即死。もしショーンが同じ車に同乗していたとしたら最悪の結末だ。もし生きていると仮定しても、事件の証人は皆死んだことになる。違法な養子縁組みを仕組んだ黒幕の弁護士クラークソンは、ドラッグやセックス産業まで手広く手がける悪徳弁護士だが、いずれも証拠不十分で野放し状態だそうだ。彼ならば、証拠隠滅のためにディブズを殺害することも躊躇しないだろう。かくなるうえは、クラークソンをなんとか逮捕に導きたい。ジャックは最後の手段として、チェットを囮に使うことを決意する。チェットにクラークソンあてに電話させ、息子の情報に大金を支払うと言わせる。チェットの身体には盗聴器を仕込んでおき、衆人環視の中で対面させる。ショーン誘拐につながる証拠がつかめるかもしれない。

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翌日。緊張した面持ちで、チェットはヴィヴィアンの指示を確認している。チェットとクラークソンが対峙している周囲をFBIが固める。チェットはジャックの指示通り動き、合図を確認したらすぐにその場を立ち去ること。そのときジャックがウィリアムズの事故報告を知らせにきた。ショーンはウィリアムズの事故車に同乗していて、奇跡的に生き残っていた。ところが病院に搬送された後からの記録が残っていないというのだ。だからショーンがその後どうなったかは未だ不明だ。彼が病院に搬送されたときに提出された偽の書類には、ショーンではなく別の偽名が記載されていたため、今の今まで捜査できなかったのである。動揺するチェットをジャックは力付ける。ショーンは必ず見つけ出すと。
空港の大ホール。まぶしい朝日を背負い、チェットはクラークソンを待ち受ける。さりげなく周囲に張り込む捜査官達に緊張が走った。黒いコートのポケットに手を突っ込んだままの弁護士がついに現れたからだ。チェットは用心深く彼の両手を表に出させ、金を取り出した。取引きの始まりだ。ところがクラークソンは敏感に罠の匂いを嗅ぎ取ったようだ。金を受け取らず、逃げ出そうとする。チェットは積年の恨みを込めて追いすがる。「なぜ、俺の息子をさらったのだ!」
チェットは鬼気迫る表情でクラークソンの首を締め上げる。あわててジャック達が駆けつけ、チェットとクラークソンを引き離す。マーティンがクラークソンのポケットから銃を探り当てた。おそらくディブズ殺害の銃と一致するはずだ。ジャックはクラークソンを恫喝する。チェットの手は必ずお前を地獄の果てまで追い詰めると。チェットの怒りに燃えるまなざしに観念した弁護士は、ショーンは今デトロイトの養護施設にいると白状した。チェットが6年間捜し求めた解答がついに明らかになった瞬間である。

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ミシガン州デトロイトの養護施設。チェット、ヘレン、そしてジャックは期待と不安に苛まれながらショーンを待つ。
ショーンは8歳になっていた。背も伸び、随分ハンサムになっている。夢にまで見た瞬間を迎えながら、しかしチェットは言うべき言葉を見つけられずにいた。ようやく名前を聞き出す。ショーンはギャレットと名乗った。彼は6年間その名前で育ったのだ。チェットは複雑な思いを胸に押し込み、ただ一言、「これからよろしくな」とだけ言った。我が子の手をそっと握る。
へレンがショーンを抱きしめている間、チェットは改めてジャックに礼を述べた。そして感謝と友情の証に、聖ユダの十字架を手渡す。教会でもらったのもだが、もう自分には必要ないからと。ジャックもまた万感の思いを込めてその十字架を受け取ったのだった。




昔の話になりますが、アンジェリーナ・ジョリーがカンボジアから迎えた養子マドックス君には、一時期人身売買疑惑がかけられていました。正規の手続きを経て、正式な斡旋所から引き取ったはずの赤ん坊が、生活苦にあえぐ実の両親によって養子仲介業者に売られていたのでは、という事件です。その後この問題はうやむやになってしまった感がありますが、世界中の養子斡旋所の実態には、まだまだ不透明な部分もあるようですね。

子供を切望しても、何らかの不幸な理由でそれが叶わない夫婦にとって、養子を引き取るということは最後の希望でしょう。その際少しでも自分たちに似た容姿の子供を求めてしまう心理も、一概には非難できません。
ところが、どんな特殊な事情でも、そこに需要がある限り、ビジネスが生まれてしまう土壌が現代の資本主義社会にはあります。今回のエピソードでも触れられていましたが、たとえば黒人と東洋人というマイナーなカップルが養子を欲した場合、彼らの間に生まれるであろう子供と似た赤ん坊が、養子斡旋所に都合よく預けられている可能性は低いでしょう。そこで、そうした特殊な需要に応えるために、赤ん坊誘拐事件が引き起こされるわけです。現実にも充分起こりうる犯罪だとは思えませんか。実際問題、この手の犯罪に斡旋所自体が関わっている確立は低いのかもしれませんが、一部の顧客の要望のために、かけがえのない子供を奪われる形になったチェット一家はたまったものではありませんね。誘拐されたショーン本人、そして悲嘆の中に取り残されたチェット一家は、ある意味、際限ない人間の欲望の犠牲者といえるかもしれません。養子斡旋に絡んで、意図せずして幼児誘拐という犯罪に関わることになってしまった、子供を欲する人間と奪われた人間双方の悲しみの深さは計り知れません。息子を探して6年もの間地獄を流離ったチェットとその家族の苦しみを思うにつけ、人間の業の深さにただやるせなさが募っていくのです。
チェットにとって更に不幸だったのは、ショーンが失踪した際の警察の初動捜査が不十分であったことです。どんな事件でも、迷宮入りする要因の9割が初動捜査の失敗だそうですから、被害者は泣くに泣けませんよね。ショーン事件でも、当時もし警察が参考人としていたディブズを徹底的に叩いていれば、芋づる式に背後の犯罪組織を明らかに出来ていたかもしれません。被害者が黒人の子供であったことが、警察の捜査の怠慢を呼んだのだとしたら、これ以上の不幸はないといえるでしょう。
このエピソードは、おそらく親である方々には身につまされる思いのする内容だと思われます。もし、まだ幼い子供を理不尽な手段で奪われたとしたら。それは全ての親にとって悪夢ですし、また悲しいことに、現実に頻発する事件でもあるのです。アメリカでは、毎日消費される牛乳パックの側面に、行方不明児童の顔写真が印刷されています。児童発見に繋がる情報が、万が一にでも得られることを祈ってのことですね。私自身、このエピソードを観て、今一度子供との関わり方を考え直そうと思ったものです。


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