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zoom RSS 自我と他我―「インファナル・アフェア」

<<   作成日時 : 2010/02/19 03:18   >>

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「インファナル・アフェア」(2002年)
監督:アンドリュー・ラウ&アラン・マック
製作:アンドリュー・ラウ
脚本:アラン・マック&フェリックス・チョン
撮影:ライ・イウファイ&アンドリュー・ラウ
編集:ダニー・パン&パン・チンヘイ
音楽:コンフォート・チャン
出演:アンディ・ラウ(ラウ)
トニー・レオン(ヤン)
アンソニー・ウォン(ウォン警部)
エリック・ツァン(サム)
エディソン・チャン(若き日のラウ)
ショーン・ユー(若き日のヤン)
サミー・チェン(メリー)
ケリー・チャン(ドクター・リー)
チャップマン・トー(キョン)

マフィアの組員ラウは、ボスであるサムの指示で香港警察に潜り込み、10年で内部調査課の課長に昇進。ベストセラー作家メリーとの結婚も内定していた。一方、ラウと同じ警察学校に通っていたヤンは、組織犯罪課のウォン警視の指示で、サム率いるマフィアに潜入。今では麻薬取引を任されるまでになっていた。しかしヤンは長年に渡る内通捜査で自分を見失い、精神科医リーのもとに通院。いつしかヤンはリーを愛し始めていた。ある夜、ヤンから大きな麻薬取引を行うとの情報を得たウォン警視は、水面下で調査を始めるが、同時に警察の動きがラウからサムに伝わり、検挙も取引も失敗に終わる。双方にスパイがいることが明らかになった。ラウとヤンは、それぞれ裏切り者を探すよう命じられる。やがて争いの中で、サムの手下にウォン警視が殺される。サムの残忍さに嫌気がさしたラウは、サムを射殺。そしてヤンは、ラウがマフィアのスパイであることに気づくが、やはりサムの手下にヤンも殺される。残されたラウは、ヤンの分まで警官として生きていくことを決意するのだった。


―Variety Japanより抜粋


犯罪組織へ潜入捜査する刑事というのは、「NARC/ナーク」や「イースタン・プロミス」、「アメリカン・ギャングスター」などにも登場します。彼らが象徴するのは、法の番人であるにも関わらず、犯罪を暴くために自ら犯罪に身を貶めねばならないという、危険な自己矛盾。潜入捜査が長引けば長引くほど、つまり本来の自分を隠し通すのが上手くなれば上手くなるほど、この自己矛盾は大きくなっていくわけですね。「インファナル・アフェア」の潜入捜査官ヤンは、優秀な刑事であるがゆえにこの矛盾に苦しみます。悪への誘惑がすぐそばで手招いている場所で、いかに刑事としての良心を守るか。尤も、正体がバレれば即座に殺されるのですから、仮面をつけ続けなければならないというストレスも甚大なものでしょう。観る側は、彼が日々感じているはずの死と背中合わせの危険に、胃が痛くなる思いを味わいます。原題の“無間道”通り、この修羅の道が未来永劫続くとしたら、それは無間地獄に他なりませんね。
一方、逆のパターンで、法の番人であるのに実は敵側のスパイだったという人物も、映画ではたびたび登場します。「アメリカを売った男」に登場した二重スパイは、記憶に新しいところですね。「インファナル・アフェア」のラウは、この二重スパイよろしく、自己あるいは所属する組織の利益につながるために、警察組織への潜入を行います。思うに、ラウの抱える矛盾は、ヤンの感じるストレスよりかは多少マシなのでしょうかね。彼の“任務”における非情さを観るにつけ、そんな風に感じます。それでも、ラスト近く、ヤンを消すように命じられた際のラウの葛藤も胸に迫るものがあります。スパイになることへの懐疑が生まれれば、彼はもはやマフィアの一員として生きてはゆけぬはず。ラウはラウで、一生良心の呵責に苦しめられることでしょう。
騙し騙され、裏切り裏切られ。忍耐と絶望の果てにおぼろげに見える友情、真の絆の辿る痛ましい運命。ヤンとラウという、本来なら最も理解しあえるはずの立場にいる者同士が、実は互いを消さねば生きていけない状況に追い込まれる哀しみ。アジア映画特有の粘っこさとウェット感が、うまく作用した作品だと思います。音楽の使い方ががちょっと安っぽかったのと、ストーリーの細かい部分でちぐはぐになるところなど、多少のアラはございますが、作品全体に勢いがあるので最後まで押し切られちゃった感じですね。
ある特殊な世界でのお話であるにもかかわらず、人と人の間にある絆の脆さや尊さ、運命の皮肉を、二転三転するストーリー展開で一気に見せてくれた面白い映画でしたよ。主要登場人物のキャラクターの描きこみが割と浅かったのは、この上映時間で10年という長い期間の物語を語らねばならなかったせいでしょうか。…と思っていたら、なんとこの作品、3部作だったのですね!うーむ、どうりで。

ポリティカル・サスペンスものとして、私自身は結構楽しませてもらいました。アジア映画は苦手で今まで食わず嫌いをしていたのですが、なかなかどうして面白い作品があるものですねえ。
さて、今作の後味が悪い度は如何ほどか。ヤンとラウの置かれた立場からして、どちらかがいなくならなければお話が成り立たないことはあらかじめわかっています。ヤンが死に、ラストは切ない余韻が漂いますが、救いようがないというほどでもありません。ヤンの魂を抱きつつ、ラウは生き残るわけですしね。

【後味が悪い度】★ 1/5 (★は5つで最悪に後味が悪い、☆は0.5表示とします)
【男は辛いよ度】★★★★☆ 4.5/5
【切ない度】★★★☆☆ 3/5


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なお、私はこの作品は第1作目しか観ておりません。今作は3部作ですから、第2、第3作目を通して観て、初めてその全体像が把握できるのだと思います。

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