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zoom RSS こんな「フライトプラン Flightplan」はイヤだ(涙)。

<<   作成日時 : 2014/09/21 01:58   >>

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この作品の監督はドイツ出身のロベルト・シュヴェンケ。1968年生まれといいますから、私と1歳しか違わんじゃない(笑)!まだまだこれからの監督でありますね。彼の今後のキャリアに大いに期待することにいたしましょう。

「フライトプラン Flightplan」(2005年製作)
監督:ロベルト・シュベンケ
脚本:ロベルト・シュベンケ&ビリー・レイ
撮影:フロリアン・バルハウス
音楽:ジェームズ・ホーナー
出演:ジョディ・フォスター(カイル)
ショーン・ビーン(リッチ機長)
ピーター・サースガード(カーソン)他。

ベルリン。突然夫が亡くなり、悲しみに打ちひしがれるカイルは、娘ジュリアを連れてニューヨークに帰ることを決意した。父親を亡くした後遺症に苦しむ娘と共に、夫の遺体が入った棺をたずさえ、最新エアジェットに乗り込むカイル。きしくもそれは、航空機設計技師のカイルが設計に携わった機だった。

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400名を超える乗客を乗せて、無事ベルリンを飛び立った機であったが、仮眠を取ったカイルのそばで寝ていたはずのジュリアの姿がない。彼女はパニックになり、リッチ機長以下、乗務員や乗客までも巻き込んだ捜索が始まった。しかしどこにもジュリアはいない。挙句、機長の下に送られてきたFAXによって、ジュリアが6日前夫と共に亡くなっているというのだ。信じられないカイルは、機長の制止を振り切って独自に捜索しようとする。が、機内の安全を脅かす危険人物とみなされた彼女は、エアマーシャルのカーソンの保護下に置かれ、手錠をかけられる。
しかし、機内の構造を熟知する彼女は、トイレに行くと偽ってカーソンをまき、機内に停電を起こしジュリアを探し始める。当然機内は大パニックに。機長はやむを得ず、緊急着陸する決断を下す。カーソンはそこでカイルをFBIに引き渡すことにしたのだが、彼には驚くべき秘密があった。…


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さて、この作品。不穏なベルリンの寒空から始まるすべりだしは、大変好調です。重苦しい映像がカイルの苦悩をよく現していて、バルハウスのカメラは緊張感にあふれています。夫の死とあいまって、これから起こる事件を予想させるなかなか良い序盤です。
ところが、娘ジュリアが忽然と姿を消してからのプロットが…。この作品は『高度1万メートル上空での密室サスペンス!』という謳い文句なのですが、残念ながら謎解きの部分は設定に無理がありましたね。真犯人が早々にわかってしまうのも腰砕けで。
これで、ショーン演じるリッチ機長が裏ですべての糸を引いている黒幕とかいうのでしたら、脚本もそんなに苦しくならなかったのではないでしょうか(笑)。映画館でご覧になった方の評価はまちまちだったようです。私個人の感想も、結局、どんくさい犯人だよなあ…程度にしかならなくて。動機が金というのはいいのですが、なぜカイル親子を狙ったのかに無理があり、イマイチ説得力に欠けてしまいましたね。
緊急着陸した後の演出がもたつくため、カイルとカーソンの一騎打ちも間延びしています。ここで、今まで蓄積してきたせっかくの緊張感が一挙にダウンする結果になります。

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てなわけで、この作品の館長的見所はショーン豆の素敵な機長コスプレ、これに尽きるでしょう!彼の穏やかで繊細な演技を目でも心でも存分に堪能する、結論はこれでございます。また、ジョディの熱演を評価するむきもありますが、こんなの彼女の本領じゃないですよ。彼女は聡明だし、キャリアもあるんだし、どうしてこの脚本の欠陥に目をつぶる気になったのかが理解できません。もうひとつ文句を言わせていただくなら、彼女の最近の作品選びも迷走しているように思われてなりません。今作にしろ「ブレイブ・ワン」にしろ、周囲を把握できない、実に共感しづらい人間を好んで演じている傾向がありそうです。オスカーを撮った「告発の行方」の呪縛から、いまだ逃れられないのでしょうかねえ。
共感しづらいといえば。今作では、ジュリア捜索の過程で、カイルはアラブ系の乗客(事件には全く無関係)に無実の罪をきせようとします。子供がいなくなってパニックになっているヒロインの気持ちは理解できますが、これは人間としてやっちゃいけないことでは。自分さえよければ、他の人間の命を危険にさらしても許されるとでも言いたいのか。9.11テロ以降のアメリカ人の傍若無人ぶりが伺えて、とても嫌な気持ちになりました。
でもまあ、全米で興行成績4週連続第1位を記録したところをみると、アメリカ人はカイルに深く共感を寄せたのでしょうね。


ロベルト・シュヴェンケRobert Schwentke

1968年生まれ
ドイツ、シュツットガルト出身

アメリカのコロンビア・カレッジ・ハリウッドで映画製作全般について学び、ドイツに帰国。2001年に、ドイツ映画「タトゥー」を監督し、商業用長編映画デビューを果たした。

●フィルモグラフィー

2012年「ゴースト・エージェント/R.I.P.D. R.I.P.D」
2010年「RED/レッド Red」
2009年「きみがぼくを見つけた日 The Time Traveler's Wife」
2005年「フライトプラン Flightplan」
2001年「タトゥー Tattoo」兼脚本

おそらく今ならば、エリック・バナとレイチェル・マクアダムス主演のSFラブ・ストーリー「きみがぼくを見つけた日」、そしてサプライズ・ヒットとなった2010年「RED/レッド Red」の方が、一般的によく知られているとは思います。
しかし、シュヴェンケ監督のデビュー作は、猟奇じみた殺人事件を捜査する新米刑事のお話であり、れっきとしたサスペンス映画でした。「青い棘」「ヒトラーの贋札」で好演したアウグスト・ディールが主演です。実はこの「タトゥー Tattoo」という作品、「羊たちの沈黙」「セブン」系列のサスペンスものとしては、なかなか健闘している部類に入ると思います。しかしながら、「フライトプラン」同様、やはり後半から失速。クライマックスも余韻を残すまでに至らず、途中でぶった切られた印象さえ受けてしまいますね。なんとも残念ですわい。なあ、同世代監督よ(笑)。

“あと少しで及第点”から脱却できる日が来るのはいつでしょうか。


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