Don’t steal my posts. All posts on this blog are written by me.

House of M

アクセスカウンタ

zoom RSS エリック・カール(Eric Carle)―「はらぺこあおむし」その他

<<   作成日時 : 2013/04/22 23:56   >>

ナイス ブログ気持玉 5 / トラックバック 0 / コメント 0

思い返せば、エリック・カールの諸作品には、我が家の子育てを随分手伝ってもらいました。子豆たちが幼かった頃、代表作の1つである「とうさんはタツノオトシゴ」をはじめ、我が家の本棚にはカールの作品がいくつも鎮座ましましていましたねえ。

“絵本の魔術師”の異名をとるカールも、もう83歳。いつまでもお元気で、世界中の子供たちのために、色鮮やかな夢を描き続けていただきたいものです。


英語でもよめるはらぺこあおむし
偕成社
エリック カール

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ商品ポータルで情報を見る

「英語でもよめるはらぺこあおむし」
エリック・カール:文と絵 もりひさし:訳
(偕成社刊行)

日曜日、ちっぽけな卵から孵ったあおむしは、1週間に渡りいろんな食べ物を食べ続けます。果物やケーキやソーセージまで!なにしろお腹がすいてしかたありませんでしたから。そしてとうとう食べ過ぎでお腹を壊したあおむしは、青々とした葉っぱを食べることで元気になります。大きく大きく太ったあおむしは、さなぎを経てやがて美しい蝶に変身しました。

ご存知、エリック・カールの作品の中では最も有名な仕掛け絵本ですね。カラフルな切り絵のようなあおむしが、毎日いろんな果物を食べていく過程で、数の概念と曜日の概念が自然と身につくようにできています。各ページには、あおむしが食べた跡を表す穴が開いていて、うちの長男も、必ずその穴を指で押さえながら「一個… 二個…」とつぶやいてました(笑)。最後にケーキだのチーズだのハムだのを食べ過ぎて、お腹を壊してしまうあおむしが愛おしいです(笑)。親御さんは、葉っぱを食べて元気になるあおむしを指差して、すかさず「葉っぱを食べると体が元気になるんだよー」と刷り込みましょう。野菜が苦手なうちの長男にも何度も言って聞かせましたねえ、そういえば(笑)。
仕掛けも面白いのですが、個人的には、このちょっとお間抜けなあおむしが大きく立派に成長し、やがて信じられないほどカラフルな蝶に変身する箇所が良かったですね。いまいちドンくさいうちの子供達も、いずれはこんな風に見違えてくれるのかしらん (笑)。未来へかすかな期待を込めつつ、今日も母はこの本を手に取るわけですな(笑)。
この版では、同時に英語で書かれた原文も読むことができます。ごくごく簡単な英単語が出てくるだけですので、幼児向け英語教育の教材として用いられることもあるそうですよ。エリック・カールの他の作品と一緒に、映像になった作品もあります。日本語音声、英語音声を選べるようになっていて、音楽と効果音だけで朗読はOFFにすることも可能。


はらぺこあおむし [DVD]
アミューズソフトエンタテインメント
2004-04-23

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ商品ポータルで情報を見る

「はらぺこあおむし」(1996年製作イギリス作品)
音声:英語、日本語、読み聞かせモード
字幕:日本語
監督:アンドリュー・ガフ
朗読:ジュリアン・ノット(英語)
さだまさし(日本語)
収録内容(計5話、本編33分)
・「はらぺこあおむし」
・「だんまりこおろぎ」
・「パパ、お月さまとって!」
・「ごちゃまぜカメレオン」
・「うたがみえる、きこえるよ」
●映像特典
・エリック・カール プロフィール

実際に観てみると、いわゆる“アニメーション”作品ではありませんでした。エリック・カール独特のカラフルでポップな絵世界が、絵本を抜け出してそのまま動きだしたという印象ですね。元々カールの作品がビジュアルに優れていることもあってか、このDVDではヘンな小細工は施されていず、それが却って幸いしたのでしょう。



ゆめのゆき
偕成社
エリック カール

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ商品ポータルで情報を見る

「ゆめのゆき」
エリック・カール:文と絵  青木久子:訳
(偕成社刊行)

小さな農場に住むおじいさんは、イチ、ニィ、サン、シィ、ゴと名づけた動物たちと、納屋の横に立つ木と共に静かに暮らしています。おじいさんは木にもキという名前を付け、まるで友達に話しかけるように、毎日声をかけていました。
一日の仕事が終わると、おじいさんは温かいお茶とはちみつ付きのパンで和やかにくつろぎます。ある日そのままうとうとしたおじいさんは、キラキラ輝く毛布のようなやわらかい雪にすっぽり包み込まれる夢を見ました。真っ白な雪は、納屋にいる動物たちも優しくくるんできました。
夢から醒めたおじいさんがふと窓の外を見ると、辺りは一面の雪景色になっていました。動物たちはぐっすり眠っており、みな夢の中です。おじいさんは、今日がクリスマスであることをすっかり忘れていました。慌ててオーバーを着てながぐつと帽子を着込み、手袋をはめた手に箱を持ち、大きな袋を背負って外へ出て行きます。おじいさんは大慌てでキのそばにやってくると、袋の中から色とりどりの飾りを出し、キの枝につけていきます。おじいさんはキをきれいに飾ると、その幹の根元に動物たちへの贈り物を並べ、大きな声で「メリー・クリスマス!」と叫びました。

ちょっと気は早いですが(笑)、エリック・カールのクリスマス絵本です。
この作品でも、カールらしいポップな色合いの切り絵風イラストが、相変わらず美しいです。加えて、物語の背景が世界のどこであるかがいまひとつわからないような、不思議な浮遊感も感じさせてくれますね。なんとなく「星の王子さま」のようなイメージを抱いてしまいました。
たった1人で動物たちの世話をしながら暮らす老人に、しかし孤独の暗い雰囲気はうかがえません。ユーモラスな表情の動物たちが、ほんわかとした優しさをかもし出しているせいでしょうか。老人はうたた寝をしているうちに、真っ白な雪にくるまれる夢を見ます。今回の最初の仕掛けはここですね。お子さんと一緒に、老人や動物たちを白い毛布で包んであげてください。雪に包まれながら、不思議と凍えるような寒さは感じません。なぜなら、今日はクリスマスだから。老人はそのことに気づき、サンタクロースよろしく動物たちに贈り物を渡します。キをクリスマス・ツリーに見立てて飾り付けるとは、なかなか粋な計らいですね。
そして、最後の最後に最大の仕掛けが待っています。実はキの横にあるボタンを押すとオルゴールが鳴り始めるのですが、その優しい音色は、クリスマスを慎ましく祝う老人と動物たちを慰撫するようにも聞こえますね。やれクリスマスだといっては、豪華なプレゼントや食事など、無駄に散財しまくるどこかの国の若者には、彼らのクリスマスを称える素朴で敬虔な気持ちは伝わらないでしょう。
雪は夢を運び、クリスマスとは本来心静かにキリストの生誕を祝う日であること。それが異教徒の私たちにもよくわかる絵本です。



パパ、お月さまとって!
偕成社
エリック カール

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ商品ポータルで情報を見る

「パパ、お月さまとって!」
エリック・カール文と絵 森比左志:訳
(偕成社刊行)

モニカはある晩、お月さまと遊びたくなりました。「パパ、お月さまとって!」
そこで、パパは長ーいはしごを持ってくると、高ーい山へ運んでいきました。そして長ーいはしごを高ーい山のてっぺんに立てて、 ひたすら上へ上っていきました。
パパはお月さまのところにやってくると、娘のモニカと遊んでやってくれないかと頼みました。お月さまは、そのままでは大きくてパパがもって帰れないので、少しずつ欠けていき、だんだん小さくなりました。そうして手ごろな大きさになったお月さまを抱えて、パパは家に帰ってきたのです。
モニカは大喜びで、お月さまと一緒に飛んだり踊ったり、抱きしめたりして遊びました、しかしその間にもお月さまはどんどん小さくなっていきます。やがてモニカの手から滑り落ち、泡のようにポンと消えてなくなりました。
幾日かたったある晩のこと、モニカはお空に銀色のお月さまが浮んでいるのを見つけました。お月さまは、モニカが眠っている間にも毎晩少しずつ大きくなり、またまん丸のお顔になりました。

しばらく前に、子供と一緒にプラネタリウムを見る機会があり、大変興味深く星空体験をしてまいりました。
今の季節に見ることの出来る星座や星たち、また1万2千年後の夜空はどうなっているかなど、満点の空をずっと見上げていると、不思議な浮遊感を感じることができます。それこそこの絵本のモニカのように、手を伸ばせば星や月に届くのではないかと錯覚してしまうほどに。実際には、星のある位置と私たちの立っている場所の間には、気が遠くなるほどの距離が隔たっているわけですが。
その何万光年という隔たりを、いともたやすく超えてしまうのは、絵本のファンタジーの特権であるでしょう。しかもお月さまは自ら小さくなり、モニカが手にとって遊べるほどのサイズに縮小されてしまいます。モニカは大喜びでお月さまと遊びますが、夢の時間はほんの束の間。お月さまはあっというまに消えてなくなり、お空の彼方へ帰っていきます。たまたま地球に飛来し、子供たちと夢のようなときを過ごしたE.T.が、やがて故郷の星に還らざるを得なくなるのが必定であるように。
このお話の“お月さま”とは、現実には存在し得ないものの象徴であるようです。子供は普段の生活空間の中に、時として大人には見えないものを見出していますよね。それらの形は妖精であったり化け物であったりするわけですが、いずれも、子供たちの何ものにも汚されない想像力に支えられているわけです。彼らはほんのいっとき私たちの前に姿を現し、一緒に遊んでくれ、その無聊を慰めてくれます。私たちは大人になれば、それら全てを忘却の彼方へ押しやってしまいますが、ふとなにかの拍子に懐かしく思い起こすこともあります。空想すること、夢想することを忘れた私たちが、“子供の頃の思い出”と名づける時代ですね。

この作品でも、エリック・カール独特の絵世界が展開されます。舞台が夜であることから、ほとんどのページで背景は濃い青色に染まっています。しかしその青の中にも様々な色合いが溶け込んでおり、美しくも多彩な表情を見せていますね。ページを大きく左右にめくったり、上下に広げたり、お月さまを囲むように折りたたまれたページをそろそろ広げたりと、仕掛けもワクワクしながら楽しめます。ですがやはり、出色はお月さまの描写でしょう。さかんに満ち欠けを繰り返しながら、まん丸に戻ると穏やかな笑顔を湛えるお月さまは、不思議と澄んだ湖面のきらめきを思わせるのです。微妙な色付けで淡い陰影を生むカールの筆は、地上の全ての生き物を見守ってきた月に、“母親”の面影を投影しているのでしょうか。


ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 5
ナイス ナイス ナイス
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
エリック・カール(Eric Carle)―「はらぺこあおむし」その他 House of M/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる