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“なんでも知ってるつもりでも、本当は知らないことがたーくさんあるんだよ。世界のフシギやいろんなキセキ。それは、おでんたちのしわざかもしれないのです…”…おでん、おでん、おでん食いたい…。あっ、この気持ちもおでんくんたちの仕業なのか(笑)? 「おでんくん」 2005年から毎週金曜日 NHK教育にて放映中 監督:加藤道哉 アニメーション制作:エッグ 原作:リリー・フランキー「おでんくん」(小学館) 脚本:大川俊道&黒住光 撮影監督:森下成一 美術監督:中村隆 音響監督:長崎行男 総作画監督:のなかかずみ キャラクターデザイン:のなかかずみ 音楽:五十嵐洋 ナレーター:エナポゥ 声の出演:本上まなみ(おでんくん) 千葉千恵巳(たまごちゃん) 佐々木望(ウインナーくん) 秋山道男(屋台のおじさん) 八奈見乗児(だいこん先生) ピエール瀧(ジャガー) 小日向しえ(ガングロたまごちゃん) 田中直樹(神さま) 国本武春(ヌシ) サンプラザ中野(ボブ) 猫ひろし(ガンノスケ) 東京タワーのたもとの公園で毎夜おでんの屋台を引くおじさん。おじさんは犬のぺロを相棒に、今夜もおいしくてちょっと変わったおでんをお客さんに出しています。人の良いおじさんは知らないのですが、実はおでん鍋の中には、おでんの妖精達が住んでいる秘密のおでん村があるのです。おでん村では、今日も変わりなく仲間たちが和気藹々と楽しく過ごしていますよ。 ●収録エピソード 第1話「おでんくんはじまるよ」の巻 第2話「あなたの夢はなんですか」の巻 第3話「ジャガーの嫌がらせ」の巻 第4話「愛ってなんですか」の巻 第5話「こんにゃくんの大掃除」の巻 第6話「僕ってダメですか?」の巻 第7話「ペロくんの秘密」の巻 第8話「学校へ行こう」の巻 第9話「ガングロたまごちゃんの涙」の巻 第10話「ジャガーの逆襲」の巻 第11話「ウィンナーくんちの幸福」の巻 第12話「おじさんありがとう」の巻 第13話「ガンノスケをやっつけろ」の巻 第14話「ミートボーヤが行方不明」の巻 第15話「おでん音頭だ、デデンがデン!」の巻 第16話「神様お願い!」の巻 第17話「ムシバムシをやっつけろ」の巻 第18話「からし病院は大さわぎ」の巻 「おでんくん」アニメ公式サイトはこちら。 日本にいた頃、子豆1号が毎週金曜日午後6時20分から、欠かさず観ていたテレビ番組があります。NHK教育テレビの「天才テレビくんMAX」(だったと思う・笑)ですね。これは、いとうせいこう氏が中心となって全国の子供たちからアイデアを募り、それをもとにお話を構成していくという、視聴者参加型の番組なんですわ。子供の興味を引きそうないろいろなコンテンツが用意されていて、いつも感心しながら私も子供の隣で見ています。なんといっても、子供たちから番組に寄せられた奇天烈なアイデアの数々を見ていますとね(笑)、うちの1号の頓狂な発想もまんざら捨てたもんじゃないのかなあと思えて、うれしくなってしまいますよ。 ですが、私が今日取り上げたいのは、この番組の枠内で放映されているアニメです。その名も「おでんくん」といいまして、今やすっかり売れっ子漫画家&イラストレーター(その他もろもろ)になっちゃったリリー・フランキー氏の原作絵本をもとに制作されたアニメーションですね。 リリー・フランキー氏は、1963年福岡県に生まれ、武蔵野美術大学卒業後は奇抜なスタイルのイラストレーター、文筆家、小説家、絵本作家、写真家、構成・演出、アートディレクターとして活躍しておられます。多芸多才な方で、作詞・作曲などもこなすのだそうですよ。その関係からか、アート系のミュージシャンたちとの交流が深い模様。私の遠い記憶にあるのは、シモネタ系(男女の恋愛論とか)、サブカル系(みうらじゅんとつるんでいたような)、爆笑系のエッセイやイラストだったのですが、「おでんくん」を絵本として上梓したあたりから路線を変えてきているのでしょうかね。映画化もされて大ヒットした自叙伝「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」も、日本中の人々の涙を搾り取った作品として記憶に新しいところです。彼の詳しいプロフィールは、この本を読まれた方がよいかもしれません。 リリーさんは、この「おでんくん」について、従来書いてきたような本の読者層を裏切るような作品を作りたかったと述べておられるそうです。子供が手にとって読んで考えられるような、がっちりと組み立てられたストーリーと明快な絵柄が共存する、昔ながらの体裁の絵本ですね。 ええ、確かに、昔のリリーさんのアングラ臭濃厚なエッセイやコミックを読んだことのある私は、この180度の路線変更に少なからず驚きました(笑)。ここで語られるのは、他人に献身することしかできないおでんくんを中心として、おでん村のコミュニティー内で繰り広げられる友情や恋などの人間ドラマであり、彼らが屋台のお客さんたちに食われることでコミットする、悩み多き現代人の内面の葛藤であるのです。昔の作品にもそういった要素の萌芽はあったわけですが、「おでんくん」では一層明確に、リリーさんの人生模様に対する考え方が打ち出されていると感じますね。 おでんくんは、もちきんちゃくの妖精です。彼が住むおでん村のおでん種の妖精たちは、それを食うお客さんたち(屋台のおじさんも)には、ただのおでんにしか見えません。しかし彼らは、注文が入ると、おじさんによっておでん鍋の中から皿に出されて(おでん村からさいばしでつまみ出されて)供されます。彼らは、口からお客さんの体の中に入っていくと、そのお客さんの心の中に住む“ココロさん”と会話し、時に一緒に遊んだりします。ココロさんは、その持ち主の外見からは大抵予想できない姿や性格をしており、持ち主の真の姿を体現しているのですね。おでんたちは、ココロさんがなにか問題を抱えている場合、できる限りの力添えをしてあげます。それはたまに奇跡を起こしたりすることもありますが、どうにもできない場合もままあります。でも、おでんたちを食べたお客さんは、なにかしら心の中にほっこりと暖かいものを感じるのですね。 おでんたちは、おでん鍋の中から、外にいる“人間の世界”をじっと見つめています。おじさんは、まさか自分の作るおでんにそんな秘密があるなんてことは知る由もありません。ただ彼は、思いいれのある東京タワーの下で、なにかしら寂しさを抱えている人たちに、暖かくておいしいおでんを食べさせたいと願っているだけなのです。…彼の相棒犬のペロは、おでんくんたちの秘密を知っているようですが。彼の目には、おでんくんたちの姿がちゃんと見えていますし、時折おじさんの屋台の屋根の上に降りてくる神様の姿も見えています。尤も、そんなおじさんだからこそ、おでんくんが生まれておでん村ができたのでしょうし、東京の片隅でひっそりと佇む屋台に、吸い寄せられるようにお客さんが集まってくるのでしょうね。 おでん鍋の中にも、そしてその外の世界にも、優しくて暖かくてほろ苦いドラマが存在します。うちの子豆ズには、かわいらしくも強烈な個性をもったキャラクターたちのドタバタ・ドラマが大受け。でもその隣でアニメを見ている私には、リリーさんの現代世相を斬る鋭い視線と、愛おしくも愚かな人間存在に向けられる、愛憎相半ばする辛辣な視線が健在であるのが嬉しい限りです。 このアニメに関しては、例の「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」に連なる“感動”路線、あるいは、おでんたちの愛くるしいルックスから安易に連想された“癒し”路線を期待する人が多いでしょうね。確かにこの「おでんくん」にはそんな要素もありますし、そういう風にこの作品を解釈しても一向に構わないとは思います。でも私には、リリーさんが、子供たちに感動や癒しを与えようとこの作品を作ったとは考えられないのですよ。ここに提示されるのは、無私の境地でただひたすら他者に献身するおでんくんの姿です(おでんくんには家族は1人もいません。友達はたくさんいますが)。そんなことができる人間が、今この世の中にどれだけいるのか?ということです。エゴと欲望で成り立っている人間には、根本的に自分を押し殺して献身することは不可能です。しかし、できなくてもやれるよう努力はしないといけません。でないと、世界は平和にならないでしょ?…そんなリリーさんの声が聞こえてきそうですよね(笑)。 そう、「おでんくん」を貫いているのは、存外と気骨のある固い固い背骨であるのですね。 尚、「おでんくん」アニメ版DVD-BOXセットは、現在第8巻目まで発売されているそうです。 ![]() にほんブログ村 |
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| 内 容 | ニックネーム/日時 |
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実は私も、好きです。 |
ケロねーさん 2011/06/28 00:19 |
ガングロたまごちゃん!あの娘は寂びしんぼうですよね(笑)。でも我が家では、このガングロたまごちゃんが真っ先になくなりますよ♪長男が大好物でして。…よかったね、ガングロちゃん。 |
豆酢 2011/06/28 10:32 |
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