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zoom RSS 「ヘアスプレー」を捨てた後にわかること。

<<   作成日時 : 2012/06/10 20:23   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 6 / トラックバック 0 / コメント 0

いやだから、ヘアスプレーはオゾン層を破壊するからいかんっちゅうのに!!

「ヘアスプレー」(2007年製作)
監督:アダム・シャンクマン
製作:クレイグ・ゼイダン&ニール・メロン
製作総指揮:アダム・シャンクマン他。
脚本:レスリー・ディクソン
オリジナル脚本:ジョン・ウォーターズ(1988年映画版)
マーク・オドネル(ミュージカル版)
撮影:ボジャン・バゼリ
プロダクションデザイン:デヴィッド・グロップマン
衣装デザイン:リタ・ライアック
編集:マイケル・トロニック
振付:アダム・シャンクマン
作詞:マーク・シェイマン
作曲:マーク・シェイマン
出演:ジョン・トラヴォルタ(エドナ・ターンブラッド)
ニッキー・ブロンスキー(トレイシー・ターンブラッド)
ミシェル・ファイファー(ベルマ・フォン・タッスル)
クリストファー・ウォーケン(ウィルバー・ターンブラッド)
クイーン・ラティファ(モーターマウス・メイベル)
ザック・エフロン(リンク・ラーキン)
ブリタニー・スノウ(アンバー・フォン・タッスル)
アマンダ・バインズ(ペニー・ピングルトン)
ジェームズ・マースデン(コーニー・コリンズ)他。

1962年ボルチモア。

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太めだがキュートな女子高生トレイシーの日課は、目下最高にホットなテレビ番組「コーにー・コリンズ・ショー」を親友ペニーと一緒に見ること!彼女の夢は、番組のレギュラーになって憧れのヒーロー、リンクと一緒に踊ることだ。だが、今も昔もデブは所詮スターになれない法則がある。番組で踊るメンバーの公開オーディションに参加しようとするトレイシーに、同じくビッグサイズの母、エドナは諦めるよう諭すのだった。ところが、娘の夢に理解ある父ウィルバーは、逆に「BIGになれ!」と激励。トレイシーは学校を休み、飛び込みでオーディションに参加する。しかしながら、メンバーのヒロイン的存在、金髪美人のアンバーの母であり、実質上ショーを取り仕切っているベルマは、犬でも追っ払うかのようにトレイシーに門前払いを食わせてしまう。
一度はショー出演を諦めたトレイシーであったが、街一番のダンス名人シーウィードはじめ、当時人種差別政策に甘んじていた黒人生徒達とふとしたきっかけで知り合う。当時の白人社会の風潮など意に介さず、トレイシーは彼らと親しくなり、彼らから独創的なステップを教わっているうちに、自身も再びダンスへの意欲を燃やす。そんな彼女を、幸運の女神はまだ見捨ててはいなかった。高校のダンスパーティーで踊るトレイシーの姿を偶然目撃したのが、コーニー・コリンズその人であったのだ。その軽快なステップにいたく感心したコーニーは、彼女を番組のメンバーに特別に大抜擢する。
そのBIGサイズで素晴らしいステップを披露するトレイシーは、たちまち番組きっての人気者となる。テレビ画面に登場した娘の晴れ姿に歓喜したエドナは、これまで自分の体型を気にして引き篭もっていた憂鬱を振り払い、娘と共に街に繰り出してショッピングを楽しむようになった。

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ショーの人気者リンクは、いつもひたむきで天真爛漫なトレイシーに親しみを覚え、2人は急接近。当然ショーのヒロイン、アンバーとベルマ母子は面白くない。番組にアイドルは1人で充分なのヨ!とばかりに、トレイシーを罠にハメようと画策する。その都度周囲の人たちの助力によって難を逃れていたのだが、同じ番組の人気黒人シンガーであるメイベルが、ショーからはずされるという問題が起こる。1960年代当時、黒人差別は場所を選ばず当たり前のように行われており、メイベルの件も、あまりに人気が出すぎた彼女を貶めようとする裏工作だったのだ。ダンスを通じて黒人達と絆を深めていたトレイシーはショックを受ける。仲間なのになぜ同じステージに立ってはいけないのか、同じ人間同士でなぜ差別をするのか。人種差別に疑問を抱いたトレイシーは、シーウィード、メイベルと共に人種差別政策撤廃を求める抗議デモに迷うことなく参加する。白人女性でありながら、デモに参加する人間は当時本当に少なかった。ベルマはそれを悪用し、トレイシーの存在を警察に通報する。デモ鎮圧に躍起となる警察は、なんとトレイシーを指名手配にし、彼女の身柄を拘束しようと追うことになる。
コーニー・コリンズ・ショーでは、恒例の人気投票による“ミス・ヘアスプレー”コンテストが始まっていた。娘アンバーを“ミス”の栄冠に輝かせるため、ベルマはコンテスト会場周辺を警察隊に包囲させていた。トレイシーの妨害を防ぐためである。しかしトレイシーは両親や親友、ショーの仲間達の助けを借りて会場内に忍び込むことに成功した。そして、そこで彼女が手にしたものとはなんだったのか。

ヘアスプレー DTSスペシャル★エディション (初回限定生産2枚組) [DVD]
角川エンタテインメント
2008-04-04

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実は今作、映画館で観賞しておりました。…しかしながら、この映画を“クリストファー・ウォーケンの映画”という認識で観にいったのは、日本中でたぶん私だけであったと確信いたします(笑)。

ファットサイズのかわいいヒロイン、トレイシーの母親役でジョン・トラボルタが女装しているというのは随分話題になりましたが、父親ウィルバーに扮したのが、我らがクリスでございます。特殊加工の肉襦袢で(わたしゃ当初、あれは自前の肉襦袢かと思ってましたが違うんですね・笑)メガトンサイズと化した妻トラボルタと並び、人の良さそうな笑顔で愛娘を見つめる実直で優しい夫。最近のクリスは、主人公のお父さん役といったポジションに就くことが多いです。年齢相応の皺を顔に刻み、若い頃のような、極限まで張り詰めた弦のごとき危うさは、さすがに和らいできましたよね。

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今作でも、ダンサーになるという夢に向かって驀進する娘を後押しし、見た目にコンプレックスを持つ妻と仲睦まじい様子を見せる、良きパパ、良き夫を好演しておりました。ええ、“良い人役”がすっかり板についた感じで微笑ましかったですねえ。クリス目当てで観に行った者としては、それはそれで良かったんでございますが、クリスもトラボルタも思ったほど歌わないし、踊らないのがもったいない扱い。彼らが自宅のバックヤードでデュエットする"(YOU'RE) TIMELESS TO ME"が素晴らしかっただけに、余計に残念だと思ってしまいました。今回ビッチな悪役に徹したベルマ役のミシェル・ファイファーも、映画「ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」で披露した魅惑の歌声が聴けるのは2曲ぐらいしかなかったはず。若い出演陣のダンスと歌を前面に出そうという意図なのでしょうけど、もうちょい彼らベテランの出番があってもよかったなあ。映画前半部、トレイシーを中心として若者の日常が描かれるシークエンスは、正直、同じようなパターンの歌と振り付けが連続し、締りがないようにも感じられました。ママ・エドナが娘に触発されて家の外へ出る段になると、物語に躍動感が生まれ、それが画面にも伝染したのか全体的にご機嫌なグルーヴ感が増すわけです。さすがは腐ってもトラボルタでございますね(笑)。

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そんな中、メイベル役のクィーン・ラティファ姐さんのパフォーマンスはさすがの貫禄。ソウルフルな歌声で、決めるべきときにびしっと決めてくださいました。物語の起承転結の“転”の部分を担う彼女は、デモ行進の際にも素晴らしいゴスペルを披露し、観る者の溜飲を下げてくれます。映画をご覧になられた人の中には、60年代という設定なのに、ブラック系の曲が案外少ないのねと思われた方もおられるかもしれません。公民権運動がこれまでにないほどの盛り上がりを見せ、ビートルズが登場し、社会面でもエンターテイメントの面でもブラック・パワーが炸裂するようになるのは、この映画の少し後の時代のことなんです。映画後半では、人種差別がはびこる世の中に対し“おかしい”と感じたトレイシー自ら、黒人のデモ行進に身を投じるようになりますが、それはその後の社会変革の布石になったわけですね。

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オリジナルは、変態監督として名を馳せるジョン・ウォータースの1988年製作の映画です。彼のメジャー進出第一弾の作品でした。この作品ではトレイシー役はリッキー・レイク(当時新人)、ママ・エドナ役は女装の怪優ディヴァイン。太目の女のこのサクセス・ストーリーというアウトラインは同じながら、ディヴァイン出演が物語るように、マイノリティーに対する社会の蔑視を痛烈に批判する意味合いも強かったですね。今回のミュージカル版リメイクでは、時代背景の変化もあり、その点が意図的に弱められている気がしました。まあ、それはあくまでも時代性によるものですから、作品のウィークポイントにはならないでしょう。ただし、オリジナル製作年当時に比べ、マイノリティーを巡る状況が良くなったせいだと考えるほど、おめでたく構えていてはいけないとも思いますが。要は、今作では、様々な出来事を経験したヒロイン、トレイシーの意識の変革に焦点が結ばれているのです。流行っているからという理由で、頭を蜂の巣のように盛り上げたヘアスタイルをキメ、スプレーをじゃんじゃん振りかけて喜んでいた彼女が、黒人達の精神に触れて初めて自我を持ち始める。見た目の美しさ偏重の社会にありのままの太めボディーで殴り込みをかけ、“美”の価値観は人それぞれ、千差万別なのだと訴えることに成功した彼女は、見た目と同じように肌の色だけで偏見を持つことの愚かしさにも気づくわけです。人と人が理解しあうのに肌の色の違いは関係ない、内面の美以上に必要なものはないではないか、ということですね。トレイシーは、黒人のデモ行進に参加して窮地に立たされますが、その後の展開が多少端折り気味なせいもあって、彼女が真のアイデンティティーを確立するまでの心境の変化がわかりにくいという難点がありました。残念ですが、あくまでも“ミュージカル”の範疇を逸脱しない作品であることからくる、これが限界なのでしょうね。
映画がミュージカルとなって、ブロードウェイで上演されて大ヒット(2003年度のトニー賞8部門受賞)というパターンは、あの「プロデューサーズ」などと同様です。

映画「ヘアスプレー」オリジナル・サウンドトラック
ユニバーサル ミュージック クラシック
2007-10-03
サントラ

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●収録曲

1. "GOOD MORNING BALTIMORE"Nikki Blonsky
2. "THE NICEST KIDS IN TOWN"James Marsden
3. "IT TAKES TWO"Zac Efron
4. "(THE LEGEND OF) MISS BALTIMORE CRABS"Michelle Pfeiffer
5. "I CAN HEAR THE BELLS"Nikki Blonsky
6. "LADIES' CHOICE"Zac Efron
7. "THE NEW GIRL IN TOWN"Brittany Snow
8. "WELCOME TO THE 60's"Nikki Blonsky & John Travolta
9. "RUN AND TELL THAT"Elijah Kelley
10. "BIG, BLONDE & BEAUTIFUL"Queen Latifah
11. "BIG, BLONDE & BEAUTIFUL reprise"John Travolta & Michelle Pfeiffer
12. "(YOU'RE) TIMELESS TO ME"John Travolta & Christopher Walken
13. "I KNOW WHERE I'VE BEEN"Queen Latifah
14. "WITHOUT LOVE"Zac Efron, Nikki Blonsky, Elijah Kelley & Amanda Bynes
15. "(IT'S) HAIRSPRAY"James Marsden
16. "YOU CAN'T STOP THE BEAT"Nikki Blonsky, Zac Efron, Amanda Bynes
17. "COME SO FAR (GOT SO FAR TO GO)"Queen Latifah, Nikki Blonsky, Zac Efron
18. "COOTIES"Aimee Allen

さて、劇中出演者によって披露された楽曲は、このサントラで聴くことができます。ミュージカルの命は、なんといっても楽曲の良さとパフォーマンスの精度。ぶっちゃけたはなし、歌とパフォーマンスさえ良ければ、多少ストーリー演出がおろそかになっていようと許せるものなのですよ。この作品ではどうだったでしょうか。
製作スタッフは、レネ・ゼルウィガー主演の「シカゴ」の連中だそうで、映画版「シカゴ」のオファーを3度断ったトラボルタを担ぎ出したのは彼らの手柄ですな。「シカゴ」では主役の力不足が如何ともしがたくて、鑑賞に耐えないことがマイナスポイントでした。

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「ヘアスプレー」では、トレイシー役には新人の女の子を起用する、エドナ役には男優を配するという“鉄則”を守りつつ、その他のキャストも含め全員が、かなりハイレベルなパフォーマンスをクリアしていたと思います。トレイシー役のニッキー・ブロンスキーも、歌はかわいいし、あの脂肪分であれだけのダンスができる点は評価してあげていいでしょう。欲を言えば、観る者がハッとするようなオーラが彼女のパフォーマンスからにじみ出ていれば、もっと良かったのですが。しかしまあ彼女の強みは、なんといってもあの全身からはち切れんばかりに放たれるポジティヴ・パワーです。観る者全てをハッピーにしてしまうマジックは、彼女ならではと言えます。パフォーマンスの力不足を補って余りある宝物でしょう。

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その他のキャストで印象に残ったのは、ありがちなハンサム王子様役で逆に損ではなかったかと思われる、リンク役のザック・エフロン。「ハイスクール・ミュージカル」がどんな作品なのか全く存じませんが(苦笑)、いかにもな歌とダンスで、シックスティーズのクールなイメージを体現出来ていましたよ。嫌味のない爽やかさで好感度は抜群でした。

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本編には直接絡んでこないものの、コーニー・コリンズ役のジェームズ・マースデンが妙に目立っていたような気がしたのは私だけではないはず(笑)。マースデンといえば。サイクロップスとしてヒーロー然と登場した「X-MEN」では、なんだかウルヴァリンに喰われた上に、ガールフレンドまで横取りされちゃった“気の毒な人”と観客に強く認識され(笑)、「スーパーマン リターンズ」でも、婚約者に誠心誠意尽くしているのに、肝心の婚約者の心は別の異星人に奪われてしまっているという、やっぱり“気の毒な人”と観客の深い同情を呼んだ稀有な人材ですね。そういえば、正真正銘の王子様役だった「魔法にかけられて」でも、ハンサムなのに“気の毒な”役回りを、もはや名人の域に達した絶妙な演技で披露。この俳優さんは、案外こんな面白いポジションで息の長い活躍を続けられるかもしれませんよ(笑)。
さて、その「魔法にかけられて」でも、マースデンは難しいアラン・メンケンの楽曲を歌いこなしていましたので、そのパフォーマンスの安定感は折り紙つき。「ヘアスプレー」では、歌にもダンスにも余裕すら感じられますね。ひょっとしたら、この映画の一番の“掘り出しもの”は彼かもしれません。

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