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zoom RSS 「ドリームガールズ」―ビル・コンドン監督

<<   作成日時 : 2010/01/30 03:36   >>

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マイケル・ベネット演出&振り付けで、1981年の暮れに初演されたブロードウェイ・ミュージカル「ドリームガールズ」。ダイアナ・ロスを輩出し、黒人コーラスグループとしても、またガールズグループとしても伝説に残る、 “シュープリームス”をモデルにしたストーリーです。
初演以来、4年間に渡って大ヒット公演を続け、1982年度のトニー賞でも6部門で賞を得るなど、シュープリームス同様ミュージカルの方も伝説に残るショーとなりました。来日公演もありましたので、生の舞台の熱狂を目の当たりにされた方もいらっしゃるでしょう。

このミュージカルが、「シカゴ」の脚本を担当したビル・コンドンの手によって映画化されることとなりました。


「ドリームガールズ」(2006年製作)
監督:ビル・コンドン
製作:ローレンス・マーク
原作:トム・アイン
脚本:ビル・コンドン
撮影:トビアス・シュリッスラー
プロダクションデザイン:ジョン・マイヤー
衣装デザイン:シャレン・デイヴィス
編集:ヴァージニア・カッツ
振付:ファティマ・ロビンソン
作詞:トム・アイン
音楽:ヘンリー・クリーガー
出演:ジェイミー・フォックス(カーティス・テイラー Jr.)
ビヨンセ・ノウルズ(ディーナ・ジョーンズ)
エディ・マーフィ(ジェームス・“サンダー”・アーリー)
ジェニファー・ハドソン(エフィー・ホワイト)
アニカ・ノニ・ローズ(ローレル・ロビンソン)
ダニー・グローヴァー(マーティー・マディソン)他。

エフィー、ディーナ、ローレルの3人は子供の頃から姉妹同様に育った。大好きなソウル・ミュージックで自分達の未来を切り開こうと、“ドリーメッツ”というコーラスグループを結成、ニューヨークの殿堂アポロシアターで開催されるコンテストに出場する。エフィーの度外れた歌唱力は注目を集めたものの、結局コンテストでの優勝は逃してしまうドリーメッツ。しかし彼女たちの可能性に目を付けた男がいた。野心的でやり手のマネージャー、カーティスである。彼は、シカゴのスーパースターであったジェームズ・“サンダー”・アーリーのバック・コーラスとして彼女達をデビューさせるのだった。
やがて、見事なハーモニーとキュートなルックスを持つ彼女達は、むしろフロントマンのジェームズより観客とマスコミの注目を引くようになった。カーティスの思惑通り、ドリーメッツは単独デビューにこぎつける。ドリーメッツの一員ローレルは、私生活でもジェームズと恋人同士になる。ドリーメッツはデビュー以来、観客に熱狂的に受け入れられるが、成功の美酒と引き換えに彼女達が失うものもまた多かった。カーティスは3人の中でもひときわ美しいディーナを特にサポートするようになり、やがて彼女と抜き差しならない関係に陥る。グループの中央で歌っていたエフィはおもしろくない。ただでさえカーティスの言いなりで、グループの歌はどんどんソウルを失いつつあった。そしてエフィーが恐れていた通り、カーティスはルックスの美しいディーナを3人のフロントに立たせることを決定。歌唱力では誰よりも優れていると自負していたエフィーは自尊心を傷つけられ、またカーティスとの子供をお腹に宿したまま、グループを去っていった。
ドリーメッツは新しいメンバーを加え、“ザ・ドリームス”と名前を変えた。より広い層の観客に受けるよう、曲はあくまで耳障りの良いポップなものに変わり、スタイルや衣装もどんどん洗練されていく。彼女達は黒人層よりむしろ白人層に受け入れられ、ヒットチャートを騒がせ続ける。今や“ザ・ドリームス”は、アメリカを代表する人気ポップ・グループとなった。しかしその裏では、無名時代以来彼女達を支えてきたスタッフが去り、ディーナは自分を商品としてしか見ないカーティスとの関係に苦しむ。またローレルは、アルコールや薬物にのめりこむようになったジェームズとの関係がこじれていた。彼女達は、自分達が今やってることがデビューから目指してきた音楽とはかけ離れていることに、煩悶する。グループ内の不協和音が高まり、一触即発の事態となるのだった。
一方エフィーは、女手ひとつで子供を育てながら、アマチュアシンガーとして歌い続けていた。成功とはほど遠いものの、彼女は自分のやりたかった音楽を追及することに誇りを感じていた。風の噂に“ザ・ドリームス”が大人気グループになったことは聞いているが、彼女に悔いはなかった。しかし、成功の表舞台にたった“ザ・ドリームス”と、図らずもその影に飲まれてしまったエフィーの運命は、再び1点に交わろうとしていた。

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この作品は純然たるミュージカルです。
ミュージカルのストーリーなんて、たいがいが極力シンプル。あってなきがごとしです。というより、そんなものどうでもいいというのが本音でしょうね。なぜなら、優れた音楽とパフォーマンスを聴かせ、見せるのが主眼だからです。物語なんて、言ってみれば刺身のツマ。歌やパフォーマンスを楽しむための引き立て役にすぎません。
この作品でも同様ですね。要は、次から次へと繰り広げられるゴージャスな歌とパフォーマンスに酔いしれ、ディーナ役のビヨンセはやっぱ美人だよなあと唸ったり、エディー・マーフィーの意外な芸達者振りや真摯な役者振りに驚かされてみたり、あれれ、物語のけん引役カーティスを演じるジェイミー・フォックスに迫力が足らないなあと不満になったりすればいいのです(笑)。
申し訳ないけど、このストーリー自体は、手垢がついたよくあるバックステージものに過ぎませんからね。黒人であるエフィー、ディーナ、ローレルが、白人優位社会でどれだけ苦労してスターの地位についたか、そしてそれ以降も、黒人であるが故にまた女性であるが故にいかに理不尽な目にあったかという点に、観客の共感が集まっているようですが、実際のエンターテイメント業界はあんな甘っちょろいもんじゃないでしょう。白人が黒人の音楽を盗んだ、ということが問題視されるなら、ローリング・ストーンズなんかどうなるんです?エルヴィス・プレスリーは?彼らはミュージシャンの風上にもおけない連中ですか?違うでしょう?音楽は生き物です。白人が黒人のソウルを吸収し、新しい音楽を作ったのなら、黒人も白人の音楽性を上手く生かして新たにいい曲が生み出されていったのではないでしょうか。ストーリーに感動するのは勝手ですが、その方向を見誤ってはいけない。“女性ならではの苦労があった”という部分も確かにあるでしょうが、それは彼女達だけに限ったことではありません。すべからく、音楽の道を目指そうという意志を持った者は誰であれ、直面する問題でしょう。それに、エフィーとディーナの愛情と歌手としてのプライドを巡る争いも、あまり感情移入できる描き方ではなかったような。エフィーの主張もかなりエゴイスティックだったし。それに、ディーナとエフィーが立ち並べば、ディーナに自然と軍配が上がるのも仕方ないのでは…。エンターテイメント業界なんて、所詮馴れ合いとルックスで決まるようなもの。彼女達が己の主張をこそばゆいほど甘ったれた言葉で歌に託すたび、急速に興ざめしていきますね。女同士の、それこそ泥仕合のような葛藤を徹底して描くでもなし、コンドン監督の人間ドラマ描写はどの点においてもいまひとつ詰めが甘いですね。彼らしくもない。それになんといっても、女が3人も画面の中央に集まれば、かしましいことしきり(笑)。歌がうるさいほど画面から響いてくるのだから、ストーリーの“語り”の部分くらい落ち着いた味わいが欲しい、と切実に思いました。

コンドン監督は、「私はこの物語に新鮮で現代的な切り口を用意した。60年代から70年代にかけて、アフリカ系アメリカ人固有の音楽が白人層の音楽と融合を果たした時期があったが、それは今のヒップホップを皮切りにトレンドとなったブラック・カルチャーの勃興と合致している」と唱えています。しかし残念ながら、たとえ実話をベースにしたにせよ、お話の構成は普遍性を感じさせるものではありませんでした。だって良くも悪くもミュージカル。物語を真剣に追おうとしても、その暇さえないほど歌が流れてくるのです。それも大音量で。歌とパフォーマンスの見せ場に執心するあまり、肝心のドラマの方は歌の説明に追いつくのが精一杯、という印象でした。これが映画である以上、本来ならば監督の腕の見せ所であるはずの歌とドラマの見事な調和といった面は、ついぞ見られませんでした。物語は、映画の最初から最後まで迫力あるパフォーマンスに引きずられたまま。出演陣もそれに見合う実力派ばかりなのですから、ある程度はまあ仕方ないのかもしれませんが。思うに、この題材は、やはり生のステージで楽しんでこそ、真価が発揮される類のものではないでしょうかね。ステージ上であれだけのパフォーマンスを見せられれば、否が応でも観客は盛り上がらざるを得ないでしょう。そして、歌が生み出す熱狂をステージと観客が共有することにこの作品の命があると思うのです。
コンドン監督のこの作品に寄せる真意がなんだったのかは不明ですが、願わくば、彼のこの路線が一時的なものでありますように。「愛についてのキンゼイ・リポート」のような、アイデンティティの追及という難しい題材に、再び挑戦してもらいたいですね。

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ドリームガールズ
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2010/01/30 08:03
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