House of M

アクセスカウンタ

更新情報

zoom RSS 「欲望という名の電車 A Streetcar Named Desire」をリメイクするとしたら?

<<   作成日時 : 2014/05/22 14:57   >>

面白い ブログ気持玉 3 / トラックバック 0 / コメント 0

「今のハリウッドときたら、新作映画はアメコミ原作のスーパーヒーロー映画か、リメイク映画ばっかりとくらぁ。リメイク映画しか作る根性も才覚もねぇなら、私が見たいリメイク映画を作ってみやがれ企画」

1.ぜひリメイクしてほしい作品は?(映画・TVシリーズ)
2.主演は誰で?
3.共演者は?
4.監督は?


この、過去に製作された作品を新たな解釈を加えて作り直すという“リメイク”、アイデア不足気味のハリウッドで大流行ですよね。しかもこの流行は、下火になるどころか近年ますます盛んになっていく始末。
まあ一口にリメイクと申しましても、出来上がってくる作品はそれこそ千差万別。元より、苦し紛れのリメイク映画なんてあまり観る気はしませんけれども、中にはオリジナル映画のテーマ性と新しい解釈が見事に融合した良質の作品もあるわけです。

実は、しばらく前から気になっていた映画がひとつございましてね。誰もが知る有名な戯曲をベースにした名作です。世界各地で上演され続けている名戯曲の映像化作品としては、おそらく唯一無二の傑作でしょう。何度も企画が持ち上がっていながら、いまだ映画としてリメイクされる気配はないのですが、もし、もし万が一リメイクするならばぜひこの作品を…と望むわけです。

それは…


1.ぜひリメイクしてほしい作品(映画・TVシリーズ)


欲望という名の電車 オリジナル・ディレクターズカット [DVD]
ワーナー・ホーム・ビデオ
2008-06-11

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ商品ポータルで情報を見る

(注:このDVDは、公開時にカットされた場面を復元したオリジナル版だそうです)
「欲望という名の電車 A Streetcar Named Desire」(1951年製作)
監督:エリア・カザン
製作:チャールズ・K・フェルドマン
原作:テネシー・ウィリアムズ
脚本:テネシー・ウィリアムズ&オスカー・ソール
撮影:ハリー・ストラドリング
音楽:アレックス・ノース
出演:マーロン・ブランド
ヴィヴィアン・リー
キム・ハンター
カール・マルデン他。

原作は、ピューッリッツァ賞を受賞したテネシー・ウィリアムズの名戯曲。映画用の脚本も原作者自身が手がけました。1951年の映画化版監督はエリア・カザン。零落したアメリカ南部の元令嬢ブランチ・デュボアを演じたのは、英国の名花ヴィヴィアン・リー。ニューオーリンズに住むその妹ステラには、キム・ハンターが扮しました。ステラの粗暴きわまる夫スタンリーは、マーロン・ブランドが憎々しげにかつ濃厚な雄のセクシーさで演じています。スタンリーのポーカー仲間で、上品なブランチに惹かれるミッチには、カール・マルデンが扮しました。
アメリカ南部の元サザン・ベル、ブランチは、現実への失意を慰め愛情への飢えを満たすために、酒に溺れ男に溺れます。まるで、「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラが落ちぶれて老いた姿のよう。哀れなるその中年女は、未成年の少年に手を出した疑いを持たれ、石もて追われるごとくに故郷の街を逃げ出しました。どんなに落ちぶれても生来の気位の高さを捨てきれない彼女は、周囲の嘲笑からも逃げ出したかったのです。
しかし行くあても金もない彼女は、ニューオーリンズに住む妹のステラを頼るしかありません。ステラには、女に対して男の力を誇示せずにはおれない暴力夫スタンリーがいました。スタンリーはマッチョでワイルドでセクシーで、まさしく“雄”そのもの。ブランチは、学もなく本能だけで生きているような彼を生理的に嫌いますが、反面、心の底ではたくましい彼に一目惚れしていたのですね。だからこそ彼を恐れました。「彼は私の死刑執行人になるだろう…」

画像

彼女のその言葉通り、スタンリーは、粗末な衣装にもかかわらず貴婦人然と振舞い、自分を見下す彼女に怒りを爆発させます。そしてある船乗りから聞いた彼女の恥ずべき過去をもって、彼女の首に縄をかけるのですね。彼は、ブランチがひた隠しにし、目を背けたいと思っている悲惨な現実―自分がもう若くもなく、夢も希望もない、ただのアル中女であること―を遠慮なく鷲掴みにして白日の下にさらけ出し、彼女をあざ笑い、猫が獲物を弄ぶようにいたぶり続けます。
彼女の顔を白熱電球の光に向けさせ、「思ったより歳を食っているだろ?」とミッチにうそぶくシーンは強烈ですね。彼女が自分に惹かれていることを知っていたからこそできた、残酷な仕打ちなのです。対してブランチは、最後の自尊心を守るべくあくまで気位の高いサザン・ベルを演じます。皺の隠せない肌におしろいを塗り込め、年齢に不似合いなドレスをやせ衰えた身体に巻きつけるその姿は、いっそ鬼気迫るものがありますね。
ではステラはといえば、女を家政婦代わりほどにしか考えぬスタンリーに嫌気がさしていたものの、彼に一言名前を呼ばれれば、すぐさまきびすを翻して彼の元に戻ってしまうていたらく。姉の存在にうんざりしながら、むげに彼女を追い払う勇気も出ず、常にどっちつかずの宙ぶらりんな立場でありました。ブランチとスタンリーが互いを傷つけあい、滅ぼしあう様を黙って見つめ、嵐が過ぎ去るのを首をすくめて待っているのです。
ミッチは当初、自分の周囲にはいないタイプの女であるブランチに新鮮な魅力を感じていましたが、彼女の実像―孤独を癒すためだけに男に身を任せる女であったこと―がスタンリーによって明らかにされるやいなや、態度を豹変します。ただの雄になって、浅ましく彼女の肉体を要求するようになるのですね。

自分は貴婦人である、そんじょそこらの平民とは違うんだというプライドだけが、辛うじてこれまでの彼女の自我を支えてきました。それは今となっては幻影に過ぎないのですが、しかし頼みの妹もあてにならずどこにも逃げ場のないブランチは、スタンリーやミッチらによって追い詰められていきます。幻の貴婦人のベールすら引き剥がされ、単なる一匹の雌としてついにスタンリーの肉体に屈したとき、彼女の自我は粉々に崩壊していったのですね。

画像

主要登場人物4名の間で怒涛のように交わされる、残酷で辛らつな、しかし人間の業を鋭く突くようなセリフの数々。安らぎを求めてさすらう1人の女性の魂を、寄ってたかって打ち砕く人間たちの心の闇。人間の哀れで醜いサガを反映するような、ニューオーリンズ特有のどんより重く湿った熱気。
これらの全てがモノクロの画面の中に沈み込んでいき、最悪の結末に向かいながら物語が明らかにするのは、ありもしない幻影に縋らずには生きていけない人間の弱さでありました。ブランチにとっての幻とは、誇り高い淑女としての自分を愛し、抱きしめてくれる優しい手。スタンリーにとってのそれは、金も名誉も何のとりえもなく、本当は孤独になることを人一倍恐れている、か弱い自分を軽蔑しない女。
それぞれに愛を求めていながら、結局それが単なる幻にすぎないことがわかる結末こそ、この作品の最も痛ましい真実です。人間の哀しみをここまで語りつくした物語は、他に類を見ませんね。ついにブランチの魂は、糸が切れた凧が風に舞っていくように、狂気の世界の中に飛び去っていきます。ある意味、これは彼女にとっての救いであったのかもしれません。少なくとも心は現世を離れ、これ以上の屈辱も痛みも苦しみも味わわずにすむのですから…。


2.主演は誰で?

この作品では、全ての登場人物に緻密な心理描写と卓越した表現力を要求されると思います。究極の心理劇。しかも物語は最悪の悲劇に向かって加速していきます。極限まで追い詰められていく人間の魂を表現するのに、演技力だけではなく演者の精神にも強靭なしなやかさが必要とされるのでは。従って、ブランチ・デュボアには40代の頃のメリル・ストリープを推したいです。
過去、舞台では、数多くの腕に覚えのある女優たちが挑んだブランチ役。映画版では、おそらくヴィヴィアン・リーの絶演を超える演技は今後出ないでしょうね…。

画像

実は私自身は、映画「プレンティ」でメリルが示した演技こそ、最も“ブランチ”に近いものだと考えています。


3.共演者は?

ステラ:ケイト・ブランシェット
ステラという女性は、姉と夫の板ばさみにあって苦悩する役どころのように見えて、その実案外こずるいところがあるのではないかなと思います。姉に救いの手を差し伸べるかのようにみせかけて、自分からは行動を起こさず、姉が自滅していくのをただ黙って眺めているだけ。彼女自身も自分の生活だけで精一杯の状態だったのですから、ある意味仕方ないのではありますが。

画像

ブランシェットは、エリザベス女王のような威厳ある役どころももちろん上手いのですが、その他の作品で見せるような繊細で不安げな表情も奥深い。アンビバレントな思いに揺れ動くステラを、観客にも共感できる演技で見せてくれそうな気がします。

ミッチ:フィリップ・シーモア・ホフマン
ミッチは、清楚で上品な貴婦人というブランチの仮面に憧れに似た想いを寄せたのでしょう。ですから、それが剥がれたとたん、奈落の底へ突き落とされるように落胆した。純粋な恋心を踏みにじられたショックが大きすぎ、その反動で彼女に下劣な肉体関係を迫るようになったのかもしれません。いわば、幻影を壊された身勝手な怒りの発露。彼もまた、スタンリーやステラ同様、ブランチという女性の真実の姿を受け入れられなかったのです。

画像

男性としては、いくら演技とはいえこういう鬱屈した役を演じるのは苦痛ではないでしょうか。しかし、その点、生前のフィリップちゃんなら大丈夫(笑)。3重苦どころか4重苦、5重苦もあるような(笑)、いわゆる“変態な”役どころでも、これまで何度も名演してきた彼ですからね。彼がオスカーを獲得した「カポーティ」を観たとき、ミッチ役にはフィリップちゃんしかいないと確信いたしました(笑)。

スタンリー:ヴィゴ・モーテンセン
彼の作品「ザ・ロード The Road」あるいは「危険なメソッド A Dangerous Method」を観て、改めてその素晴らしくも変幻自在な演技力とカリスマ性に感服いたしました。なんというか、彼の演技を見ていますと、演じる役柄の中に彼自身の人生が自然に溶け込んでいるような印象すら受けます。かつて、名優中の名優マーロン・ブランドが強烈な演技を見せつけてくれたこのスタンリー役。やはり男優たるもの、一度は挑戦したいキャラクターであろうと思われますので、ぜひともぜひともヴィゴにお願いしたいなあ(笑)。今現在のヴィゴで見てみたい見てみたい見てみたい見てみたいったら見てみたーい!!!!

画像

スタンリーという男、表面的なワイルドさについ騙されてしまいますが、本当は何物も持たない惨めな境遇の自分を嫌悪して止まない人間なのです。1人ぼっちになるのを恐れるあまり、ブランチとはまた少し違った意味で、1人では生きることの出来ない人間です。そんな繊細な内面が、暴力というわかりやすい形で表面化するという、複雑な矛盾を抱える男を、ヴィゴならどのように演じてくれるでしょうか。

画像

うおおおおお、見てみたいぞおおおおお!


4.監督は?

マイク・ニコルズで勝負だあっ(笑)。

……うーん、これも方々から反論を受けそうですが(笑)、彼の演出の“サムシング”を期待して。演劇と映画を熟知した彼のマジックに期待して。



にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 3
面白い 面白い
ナイス

にほんブログ村

「欲望という名の電車 A Streetcar Named Desire」をリメイクするとしたら? House of M/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる