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zoom RSS 「かいじゅうたちのいるところWhere The Wild Things Are」と母性。

<<   作成日時 : 2016/04/24 00:23   >>

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モーリス・センダックの名作絵本を、「アダプテーション Adaptation」のスパイク・ジョーンズ監督が大胆なイマジネーションと独自の解釈を施して映画化した「かいじゅうたちのいるところ Where The Wild Things Are」(2009年)。私はパリ滞在中に映画館で見ました。確か、「アバター Avatar」と同時期に劇場公開され、かなりの評判を呼んでいましたねえ。


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個人的には、主人公の少年マックスの性格付けやかいじゅうたちのキャラクター設定が、思った以上にシリアスかつ丁寧なものだったので、非常に見ごたえのある作品だと感じました。これは子供向けのファンタジー映画ではありません。むしろ、子供の頃の夢をなくしてしまった大人が観るべき作品だと強く思います。ええ、確かにこれは観る人を選ぶ映画でありましょう。ですが、もし、このかいじゅうたちの造形を見て何かを感じた方は、日本公開の際にはぜひ劇場に足を運んでいただきたいですね。とりあえず、当年とって40歳にして惑わずの館長は、ラスト近く、マックスがかいじゅうたちと別れて家に帰るシーンで涙腺が決壊しました。ええ、放っといてください。いいんですよ、もう。この切なさがわかんねえ野郎なんか、どっかいっちまえ!!…ええ、冗談にきまってますよ。

そこはかとない寂寥感―幸せな幼年期との別れ―と、それを乗り越えて大人への階段を一歩登ることへの希望とがない交ぜとなった複雑な感慨を覚えたのは、今作を見たときの私がまさしく、ふるさとを遠く離れた地に住んでいたせいではないかと思いますね。

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「かいじゅうたちのいるところ Where the Wild Things Are」(2009年)
監督:スパイク・ジョーンズ
脚本:デイヴ・エガーズ&スパイク・ジョーンズ
原作:モーリス・センダック
製作:トム・ハンクス&ゲイリー・ゴーツマン&モーリス・センダック&ジョン・カールズ&ヴィンセント・ランディ
製作総指揮:トーマス・タル他。
音楽:カレンO&カーター・バーウェル
撮影:ランス・アコード
編集:ジェイムズ・ヘイグッド&エリック・ザンブランネン
出演:キャサリン・キーナー
マックス・レコーズ
マーク・ラファロ
声の出演:フォレスト・ウィテカー
ローレン・アンブローズ
クリス・クーパー
ジェームズ・ギャンドルフィーニ
キャサリン・オハラ他。

実は今作に関しては、原作絵本には全く記載がない、かいじゅうたち同士の関係性が非常に重要であり、彼らの間で交わされる会話をきちんと把握し、理解しなくては、作品全体の理解もままなりません。私はフランス語吹き替え版で観賞しまして、従ってその辺りのデリケートなやり取りがあまり理解できていないのですね。今作の感想を書きたいところですが、今もってきちんとした追記が出来ないのは、そういう止むに止まれぬ事情があるからなんですねえ(笑)。
スパイク・ジョーンズ監督らしいイマジネーションは相変わらず面白いし、子供の世界を大人の視線で上から見たのではなく、そのありのままの姿を描いた演出には非常に感心もしました。子供向け、あるいは子供だましの映画に貶めず、子供の親の世代に向けて真摯に発信された寓話には、幾重にも暗喩がちりばめられてもおり、裏に隠された深層心理を探っていくと、また一味違った楽しみ方も出来そうです。日本でも1月15日から公開されている「かいじゅうたちのいるところ」、興味をもたれた方は、ぜひ日本語字幕で内容をしっかり把握しつつ(苦笑)ご覧になってみてください。子供向けファンタジー映画ではなく、一種のカルトなアート映画に仕上がっておりますので、お好きな方にはたまらない作品かと思われます。ジョーンズ監督らしい、音楽の使い方もしゃれていてセンス良し。サントラ盤が欲しくなりますね。
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「かいじゅたちのいるところ」に登場する、着ぐるみとCG加工で出来上がったふわっふわの毛並みの“かいじゅうたち”を見ていますと、我々日本人はごく自然に「となりのトトロ My Neighbor Totoro」を思い出したりします。



トトロも、キャロルをはじめとするかいじゅうたちも、きっと子供達の澄んだまなざしにしか見えない“妖精”なのだと思われます。母親不在のサツキとメイにとっては、彼女達の“母親”代わりの役目を演ずるものであり、母子家庭の子供であるマックスにとっては、その成長を促し、見守っていく“父親”の役目を為すものであるのでしょう。サツキとメイ姉妹もマックスも、妖精たちと触れ合うことによって現在抱える痛みを癒し、乗り越えていきます。私たち大人もまた、彼らのそんな姿を見て、一緒に癒されているのですよね。そして、遥か遠くの出来事になってしまった子供時代に想いを馳せ、いっときそこに還ることを許されるのが、これら「となりのトトロ」と「かいじゅたちのいるところ」の共通する美点だと感じます。


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