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zoom RSS 虹色の映画たちーMovies in rainbow colors!

<<   作成日時 : 2015/07/04 10:22   >>

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先日アメリカの最高裁で、同性婚が合法であると、名実共に認める判決が下されました。現実世界ではまだまだ、“equality”に対する障害は数多いわけですが、この最高裁判決は、同性婚への偏見完全払拭に向けての大きな一歩になったと思います。世界中でこの日、七色のフラッグがはためき、あちこちが虹色に染まりました。遅ればせながら当館でも、日本社会から同性婚への偏見がなくなり、またあらゆるジェンダーの垣根が壊されて皆が等しくなる日が来ることを祈りつつ、虹の七色にちなんだ映画を連想していきましょう。

『赤 Red』

赤い影 [DVD]
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
2009-02-13

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「赤い影 Don't Look Now」(1973年製作)
監督:ニコラス・ローグ
製作:ピーター・カーツ&ピーター・スネル
原作:ダフネ・デュ・モーリア
脚本:アラン・スコット&クリス・ブライアント
撮影:アンソニー・B・リッチモンド
音楽:ピノ・ドナッジオ
出演:ドナルド・サザーランド
ジュリー・クリスティ
ヒラリー・メイソン
クレリア・マタニア他。

英国人の考古学者ジョンは、妻ローラと共に訪れたヴェネツィアで、盲目の霊媒師と出会った。不吉なまでに水に囲まれる水の都で、事故で亡くしたばかりの娘の溺死体の幻影が夫婦の前に現れる。ジョンは娘の死の真相を探ろうと、霊媒師を通じて娘の魂と交信を続ける。彼らは意外な真実と向かい合うのだった。
映像派作家ニコラス・ローグ監督の最高傑作のひとつ。一人娘を亡くした夫婦は、癒されようのない喪失の痛みに耐えながら水の都ヴェネツィアを訪れます。物語序盤ですでに不吉な影が作品を覆っているかのような、多分にオカルティックなサスペンス作品です。溺死した娘の幻影と、彼女が導く死の真相がフラッシュバック多用の映像の奔流のなかで浮かび上がる様は、甘やかな死への誘いにも似て観る者を魅惑していきます。娘を奪った要因でもある水の存在が無意識下で主人公夫妻を苛み、外国の地にいるというプレッシャーと相まって、彼らは知らず“死”の世界に近づいていくのです。映像の中で意図的に強調された赤色は容易に血を連想させ、ある種の幻覚作用をもって、観客の精神状態にまで影響を与える強烈なインパクトでした。

『橙 Orange』

時計じかけのオレンジ [DVD]
ワーナー・ホーム・ビデオ
2008-09-10

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「時計じかけのオレンジ A Clockwork Orange」(1971年製作)
監督:スタンリー・キューブリック
製作:スタンリー・キューブリック
原作:アンソニー・バージェス
脚本:スタンリー・キューブリック
撮影:ジョン・オルコット
音楽:ウォルター・カーロス
出演:マルコム・マクダウェル
パトリック・マギー
エイドリアン・コリ
オーブリー・スミス
マイケル・ベイツ
スティーヴン・バーコフ他。

近未来世界。不良少年グループのボス格アレックスは、仲間の裏切りにあってついに刑務所入りする。収容された施設では、暴力的な精神構造を持った人間を洗脳によって更生するという、恐るべき実験が行われようとしており、アレックスはその被験者として壮絶な洗脳を施される。月日がたち、実験の結果彼は完全に更生したかに見えたが…。
わざわざ説明するまでもない、スタンリー・キューブリック監督の怪物的演出力を堪能できる傑作です。同監督の「博士の愛情」と並んで、カウンター・カルチャーを牽引する刺激的な作品と位置づけられています。赤一色の画面が強烈なオレンジ色に変わっていく有名なオープニング・シーン、少年達が「雨に唄えば」を口ずさみながら、遊び感覚で女性をレイプする怖気の立つのようなシーン。良心の呵責などかけらもないと思われたアレックスが、正視できぬほどの凄惨な洗脳を受けるシーンの、因果応報的ブラックさ。映像全般に、堕落していく人間の魂へのシニカルな言及が見られ、どんなに科学が発達しても結局は人間の本質は太古のそれとたいして進化していないのだ、という結論が明確に語られます。この作品で提示される、人間の暴力衝動とそれを助長する社会のあり方の問題は極めて普遍的ですよね。作品が製作された当時の社会への風刺に留まらず、真に未来の―つまり現在の―世界の状況を正しく予測した恐るべき映画であったのです。

『黄 Yellow』

黄色いロールスロイス [DVD]
ワーナー・ホーム・ビデオ
2009-02-11

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「黄色いロールス・ロイス The Yellow Rolls-Royce」(1964年製作)
監督:アンソニー・アスキス
製作:アナトール・デ・グランワルド
脚本:テレンス・ラティガン
撮影:ジャック・ヒルデヤード
作詞:ノーマン・ニューウェル
音楽:リズ・オルトラーニ
衣装:イーディス・ヘッド
出演:レックス・ハリソン
ジャンヌ・モロー
シャーリー・マクレーン
アラン・ドロン
イングリッド・バーグマン
オマー・シャリフ
ジョージ・C・スコット
イザ・ミランダ
アート・カーニー他。

1930年、英国貴族は妻に黄色のロールスロイスをプレゼント。ところがこれが仇となり、ロールスロイスは妻の浮気に大活躍することになる。豪華絢爛な、20世紀初頭の英国貴族界を舞台に展開する不倫劇の顛末は。
数年後、くだんのロールスロイスは、アメリカのギャングのボスに買い上げられた。彼はそれに自分の腹心の部下と愛人を乗せ、イタリア観光旅行としゃれ込む。しかし美しいイタリアの景色の中で開放的な気分に浸る愛人は、現地で知り合った男と通じ合ってしまう…。
1941 年、ロールスロイスは、アメリカの上流階級に属する女性の手に渡っていた。彼女は内戦に揺れるユーゴを訪問すべく、ロールスロイスを走らせる。成り行きから国民解放軍のリーダーを同乗させることになり、解放軍の志に打たれた彼女は、一念発起、車を解放軍の戦士や物資を輸送する道具として大いに役立てるのだった。
アメリカの映画製作会社MGM社が、英国などヨーロッパロケを敢行して製作したオムニバス作品です。第1話は「マイ・フェア・レディ」でおなじみ、レックス・ハリソンの主演。いやー、やっぱり英国ダンディズムは素敵だわ。彼は数々の英国産映画で、小粋な紳士役を多く演じてきましたが、知的な貴族役をやらせると本当に秀逸。このエピソードでは、妻に高級車を贈ったばかりに哀れな寝取られ男になってしまう貴族を、ペーソスをにじませつつ好演しておりました。
第2話には、シャーリー・マクレーンやアラン・ドロンが登場。彼らが風光明媚なイタリアの陽光の下で愛を語らう様は、まさしく映画的幸福に満ちています。イーディス・ヘッドの衣装、美しい風景、ロマンティックなお話に相応しい背景が揃っていました。
第 3話の主役は、なんとイングリッド・バーグマン。さすがに、容貌は少し年齢を感じさせるようになってましたが、背筋のしゃんと伸びた意志の強い女性ぶりは素晴らしい。他人の苦境に見てみぬ振りができない真っ直ぐな人柄、明るさ、そして優しさ。女性ならかくありたいと思える、理想の女性像を体現してくれました。
こんなにゴージャスなお膳立ての作品もそうそうありません。映画そのものの出来も、出演している俳優陣のスター・パワーに負けていません。“黄色”に相応しい幸せな気分を満喫できる作品です。

『緑 Green』

エリック・ロメール コレクション 緑の光線 [DVD]
紀伊國屋書店
2007-05-26

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「緑の光線 Le Rayon Vert」(1985年製作)
監督:エリック・ロメール
製作:マルガレート・メネゴス
脚本:エリック・ロメール
撮影:ソフィー・マンティニュー
音楽:ジャン=ルイ・ヴァレロ
出演:マリー・リヴィエール
リサ・エレディア
ヴァンサン・ゴーティエ
ベアトリス・ロマン他。

2週間のバカンスを得た若い女性。彼女は一人ぼっちのバカンスを、運命の恋人探しのための南仏旅行に当てる。彼女は恋に恋する夢見がちな女性で、理想の相手に求めるものが多い。そのせいで、昔からの男友達にも、旅行中に出会った男性にもいまひとつ心ときめかないのだ。フランスには、太陽が没するとき、一瞬だけ見えるとされる“緑色の光線”を愛する人と目にすると、幸福を得られるという言い伝えがある。彼女もなんとか、恋人と共にその緑の光線を見ることを楽しみにしているのだが、これでは一向に望みが叶う気配もない。ヤケになって泣く彼女であったが、しかし彼女はふとした拍子に、本当に愛する人の存在を知る。
エリック・ロメール監督作品のひとつです。最小限のスタッフと16ミリカメラだけをお供に、こんなに素敵な物語を作ってしまいました。本来なら、この手のお話は嫌いで避ける傾向にある私ですが(笑)、ロメール監督の飄々とした語り口に乗せられて、ついつい最後まで鑑賞してしまいました。冷静に考えれば、わがままとも捉えられるヒロインの心情をいとも軽快に見せ、有無を言わせず観る者の共感を集めてしまう手腕。俳優の何気ないしぐさやたくまざる一瞬の表情に、なんとも美しく焦点を合わせる眼力。美しく巡る周囲の風景の表情と行き交う人々の会話の流れに、ヒロインの心の移ろいをシンクロさせる演出に、いつのまにかほだされてしまいます。そして、優柔不断であったヒロインが、ついにラストで遭遇する“緑の光線”の息を呑む美しさ。耳をくすぐるさざなみの音、それすらもラブソングに聞こえてくるような錯覚に陥りますね。恋の本質を知ろうとしなかった彼女が、言葉ではなく目でそれを思い知る瞬間は、官能的ですらありました。

『青 Blue』

「BLUE ブルー」(1993年製作)
監督:デレク・ジャーマン
製作:ジェームズ・マッケイ&浅井隆
脚本:デレク・ジャーマン
音楽:サイモン・フィッシャー・ターナー
演奏:ブライアン・イーノ&モーマス&ヴィニー・ライリー&ミランダ・セックス・ガーデン&コイル
出演:ジョン・クエンティン
ナイジェル・テリー
ティルダ・スウィントン
デレク・ジャーマン(ナレーション)

エイズに罹患し、死を目前にしたデレク・ジャーマン監督の慟哭の詩。一応、画家イヴ・クラインにオマージュを捧げるという体裁をとってはいるが、映像はタイトルどおりの深い青一色。観客は、その吸い込まれそうにどこまでも青い画面を見ながら、遠くから聞こえてくるジャーマン自身によるナレーションを聞く。エイズがどんどん進行し、死を逃れる術はなくなったとき感じた絶望感、そしてそれをどうやって克服したのか。
彼は病のために弱くなった肺活量を酷使して、懸命に死と対峙する思いを語っていきます。その間に、映画製作を通じて知り合った友人や知己を紹介したりもするのですね。ジャーマン監督作品常連のナイジェル・テリーやティルダ・スウィントンなども、声のみの登場です。これはいわゆる、映像による彼の遺書。観客はあくまで青い画面を見ながら、最大限自身のイマジネーションを広げ、最終的に監督が感じた感覚と一体化するという意識の旅をするわけです。
ただ残念なことに、日本ではナレーションの字幕を入れなければならないため、画面が文字で汚されてしまうのですね。折角の“青色”の均衡がそこで崩れてしまい、ジャーマン監督の意図したメッセージの威力が損なわれる。それを考慮した結果、配給元のアップリンクは、劇場公開の際には字幕入りのバージョンと字幕なしのバージョンの2種類を用意したそうです。英語読解力に自身のある方は、ぜひ聞き取りオンリーで体感していただきたい作品です。

『藍 Indigo blue』

グラン・ブルー (グレート・ブルー完全版) [DVD]
20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント
2001-07-18

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「グレート・ブルー Le Grand Blue」(1988年製作)
監督:リュック・ベッソン
製作:パトリス・ルドゥー
原案:リュック・ベッソン
脚本:リュック・ベッソン&ロバート・ガーラント
撮影:カルロ・ヴァリーニ
音楽:エリック・セラ
出演:ロザンナ・アークエット
ジャン=マルク・バール
ジャン・レノ
ポール・シェナー
グリフィン・ダン他。

ジャン=マルク・バールが演じたジャック・マイヨールは実在するダイバーです。素潜りで潜水記録を競う男たちと、ジャックを愛してしまった1人の女性の物語。学生時代、オリジナルの英語バージョン「グレート・ブルー」を観るチャンスを得て、忘れられない感慨を持ったものです。その底なしの海の青、その青に魅入られ潜水に命すらかける2人の男の、女には立ち入れない熱い世界。命を落とした旧友にして潜水のライバル、エンゾの後を追うように、海の底深く沈んでいくジャック。そんなジャックを愛してしまったジョアンナの、苦渋の選択を迫られる悲嘆は、作品にいつまでも悲しい余韻を残しました。
カルロ・ヴァリーニのめくるめくカメラワークは、妖艶なまでに魅惑的に海の色を映し出していましたね。大画面で味わったあの感覚…潜水症に苦しむジャックが体験する摩訶不思議な精神世界も含めて、目の前に海の情景が現出する雰囲気は素晴らしかったです。また、ベッソン監督とは旧知の仲であるエリック・セラの繰り出す物悲しい旋律は、ジャックとジョアンナの叶わぬ悲恋を彩って秀逸でした。この作品はベッソン監督の長編3作目でありましたが、3作目にして彼は早くも生涯最高のものを作ってしまったようです。後年、カットされたシーンを追加した完全版も製作され、日本でも劇場公開されましたが、このオリジナルから得た衝撃を超えるものではありませんでした。

『紫 Purple』

カイロの紫のバラ [DVD]
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
2008-05-23

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「カイロの紫のバラ The Purple Rose of Cairo」(1985年製作)
監督:ウディ・アレン
製作:ロバート・グリーンハット&マイケル・ペイサー&ゲイル・シシリア
製作総指揮:チャールズ・H・ジョフィ
脚本:ウディ・アレン
撮影:ゴードン・ウィリス
音楽:ディック・ハイマン
出演:ミア・ファロー
ジェフ・ダニエルズ
ダニー・アイエロ
エド・ハーマン
ダイアン・ウィースト
ヴァン・ジョンソン他。

1930年代のアメリカ。映画好きなウェイトレスは、大ファンである銀幕のスターに会うべく、足しげく劇場に通いつめていた。ある日、スクリーンの中からスターが自分に向かって話しかけてきた!驚く周囲をよそに、映画の中の彼はスクリーンを飛び出して、彼女と一緒に逃避行に出る。劇場主はじめ、周囲の人々は大混乱。そこに現実のスターも出てくるわで、事態はますます混迷を極めていくのだが。
ウッディ・アレン監督作品の中でもお気に入りに入るもの。憧れのスターが映画の世界から飛び出した!映画を愛し、繰り返しお気に入りの映画を観た経験のある者なら、誰しも一度は夢見るファンタジーではないでしょうか。ただの奇想天外な現実逃避物語というわけではなく、よくある日常の場面の一角が非現実世界と溶け合うことによって起こるドタバタは、適度に抑制が効いていて気持ちいいです。ほんのりほどよいおかしみを醸しだしてくれますよね。
現実を直視せず、夢見ることから抜け出せなかったヒロインが、一連の騒動で人間的な成長を見せるのも魅力。垢抜けず冴えなかったヒロイン役のミア・ファローが、自分に自信を得て徐々に美しく輝いてくる過程も好ましいですね。いかようにも解釈できるラスト・シーンは、その後の登場人物の行く末を観客の想像にゆだねているようで心憎くもありました。

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