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zoom RSS My life as rock'n'roll! スクール・オブ・ロック School of Rock

<<   作成日時 : 2016/05/02 09:55   >>

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"Everybody Wants Some!!" Official Trailer #1 (2016)
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アメリカでは既に公開されているリチャード・リンクレイター Richard Linklater監督の新作『Everybody Wants Some!!』(!は必ず2つ)ですが、大変前評判が良いようです。1980年のアメリカの大学の野球チームを舞台にしたスポ根青春コメディで、日本でも早く劇場公開されることを楽しみにしている今日この頃でありますよ。本日は、このブログでも数年前にご紹介した、リンクレイター監督によるジャック・ブラック Jack Black主演の音楽バカ映画の傑作「スクール・オブ・ロック School of Rock」(2003年)を復習してみましょう。

ところでこの「スクール・オブ・ロック School of Rock」ですが、現在TVシリーズ化され、アメリカで絶賛放映中だそうです。リンクレイター監督はエグゼクティヴ・プロデューサーとして番組に名を連ねています。

そして、昨年2015年12月6日から、ミュージカル版「スクール・オブ・ロック School of Rock」、『School of Rock The Musical』もブロードウェイで開幕し、先ほどライブで発表された2016年度のトニー賞のミュージカル作品賞 Best Musicalにノミネート、さらこのミュージカル版で主演を務めるアレックス・ブライトマン Alex Brightman が主演男優賞ミュージカル部門にノミネートされ、脚本賞ミュージカル部門 Best Book of a Musicalにジュリアン・フェローズ Julian Fellowesが、またオリジナル作曲賞 Best Original Scoreにグレン・スレーター Glenn Slater(作詞)とアンドリュー・ロイド=ウェーバー Andrew Lloyd Webber(作曲)両名がノミネートされました。

凄い。

チーム・スクール・オブ・ロックのトニー賞における健闘をお祈りしております。


教師のペットでいたけりゃ何もかもあきらめな!

「スクール・オブ・ロック School of Rock」(2003年製作)
監督:リチャード・リンクレイター Richard Linklater
製作:スコット・ルーディン
脚本:マイク・ホワイト
撮影:ロジェ・ストファーズ
音楽:クレイグ・ウェドレン
音楽コンサルタント:ジム・オルーク
出演:ジャック・ブラック(デューイ・フィン)
ジョーン・キューザック(ロザリー・マリンズ)
マイク・ホワイト(ネッド・シュニーブリー)
サラ・シルヴァーマン(パティ)
ジョーイ・ゲイドス・Jr(ザック)
ミランダ・コスグローヴ(サマー)
ケヴィン・クラーク(フレディ)
レベッカ・ブラウン(ケイティ)
ロバート・ツァイ(ローレンス)
マリアム・ハッサン(トミカ)
ケイトリン・ヘイル(マルタ)
アレイシャ・アレン(アリシア)他。

デューイは、ロック・バンドNO VACANCYのギタリストだ。スターを夢見て今日も場末のクラブで熱く演奏している。しかし彼がワイルドに咆えれば咆えるほど、バンド・メンバーも客も興ざめしていく。それもそのはず。彼は、デブでぶさいくな風貌に加え、その場の雰囲気を汲み取ることが出来ない、唯我独尊のエゴイストであるからだ。皆の鼻つまみ者になっているとも知らず、興奮極まったデューイは客に向かってダイブする。そのまま床に激突して失神した彼は、翌朝遅く親友ネッドの自宅で目を覚ます。ネッドは元々パンク・ロッカーであったが、自分の才能に見切りをつけて今は代用教員として働いていた。デューイは、彼と彼のガールフレンド、パティの居候を決め込んでいたのである。ところが、家賃滞納が積もりに積もっており、デューイは激怒したパティから出て行くよう宣告される。

早急にまとまった金が必要になったデューイは、毎年開催されるバンド・バトル・コンテストで優勝せんと鼻息を荒くするが、バンド・メンバーからはクビを言い渡されてしまった。彼のバンドは、新しくルックスの良いギタリストを加入させていたのだ。四面楚歌に陥ったデューイは途方に暮れるが、そこに名門私立小学校ホレス・グリーンからネッドあてに代用教員の仕事の依頼が入る。偶然その電話に出てしまったデューイはとっさにネッドになりすまし、彼に内緒でホレス・グリーンの代用教員に収まった。

髭を剃り、身なりもこざっぱりとしたデューイは、仕事に厳しい堅物の女校長ロザリー・マリンズを口先三寸で騙くらかす。そしてまんまと5年生のクラスの担任に。ハナから授業などやる気のない彼は、私立学校の管理教育に慣れきった、おとなしくも生気に欠ける子供達に、これ幸いと一日中“休憩”を命じる始末。ところが音楽の時間になり、子供達が見事な技術でクラシックをジャズ風に演奏しているのを耳にすると、デューイの頭によからぬたくらみがムクムクと沸き起こってくる。そう、子供達にロックをやらせて鍛え上げ、バンドに仕立てて自分と一緒にバンド・バトル・コンテストへ出場するという目論見だ。

早速デューイは手持ちの機材を全て教室に運び込む。いぶかしがる子供達を言葉巧みに説き伏せ、“学園対抗バンド・コンテスト”に優勝すれば、クラス全員に成績優秀者の証である金星を進呈するとホラを吹くのであった。リード・ギターには、物静かだがどこか遁世的なザック、ドラムスには元々学校に反抗的だったフレディ、キーボードには、テクニシャンであるものの自分のルックスにいまいち自信がもてないローレンス、ベースには、元はコントラバスを演奏していたケイティを選出。コーラスも必要だということで、歌の上手いマルタとアリシアを抜擢した。そのほかの子供達には、“衣装係”だの“照明係”だの“警備係”だの裏方の仕事を割り当て、それでも余ってしまったクラスの仕切りたがり屋サマーには、言うに事欠いてグルーピーの役を振り当てる。それを不満としたサマーには、新たに“バンドのマネージャー”の称号を与え、子供達全員になんらかの役割を与えたのだ。

デューイは、子供達がロックのロの字も知らないことを大いに嘆き、ロックの歴史を系統図に仕立てて一からみっちりと教え込む。ハード・ロックやヘヴィ・メタルだけではなく、パンクやオルタナティヴ・ロックまでの流れまで全てをだ。また、“宿題”と称してジミ・ヘンドリックス、ラッシュ、イエス、ピンク・フロイド、ブロンディなどのCDを聴くよう指導する。デューイと子供達が一丸となって練習を重ねるうち、彼らの間には強い連帯感が生まれてくる。それまで唯々諾々と先生や親の言うことを聞いてきたであろう子供達の目には、今や生き生きとした輝きが宿り、心からの笑顔も見られるようになる。また、デューイの方でも、子供達が自分に絶対の信頼を寄せてくれることに、いつしか生きがいを感じるようになっていた。今の今まで、彼は誰かに重んじられたことなどなかったのだ。そんなある日、太り気味でひときわ内気な黒人の少女トミカが、おずおずとデューイにアレサ・フランクリンばりのソウルフルな歌声を聴かせる。自分も歌いたいというのだ。衝撃を受けたデューイは、すぐさまトミカをコーラス隊に加える。

形が出来始めたバンドでは、子供たちが各々の個性を伸ばし始めていた。しかしデューイは、そこになにかパンチが足らないと感じる。そう、ロック・スピリットだ!元々ロックとは、大勢あるいは体制、支配(The Man)への反抗から生まれた音楽なのだ。管理教育におとなしく従うばかりの子供達に、デューイは全身全霊で叫ぶ。
「ロックは反抗だ!世の中への怒りを演奏に込めろ!」

はじめて自由に自分の意見をしゃべるようになった子供達は、技術だけでなく考え方も変化していく。それは彼らの普段の言動にも表れるようになり、気取り屋のフレディなどは、早速制服をパンク風に着崩してマリンズ校長に叱責されたほどだ。しかし、デューイが着任してから子供達の表情が変わってきたことを、校長はいい方に解釈し、今まで周囲にいなかったタイプのデューイに好意を抱く。

ある日ギターのザックが、自作の曲のフレーズを教室で弾いていた。デューイは、自分が作った曲などよりもはるかに出来のよいその曲にインスピレーションを受け、急遽ザックの曲を練習しようと言いはじめた。まだ歌詞もついてないその曲に、デューイや子供達は日頃の鬱憤を込めたワイルドな詩をつける。バンドとしての初めての作曲作業だった。

その一方で、デューイは生徒達の親による厳しい監視の目を口先三寸でかいくぐり、またあるときはマリンズ校長による抜き打ちの授業監視を、子供達からの協力でなんとかごまかし、偽者だとばれそうになる危機を何度も乗り越えた。そしていよいよバンド・バトル出場応募のため、子供達と一緒に会場のライブハウスに赴くことになる。しかしそれには、“生徒の校外引率”の許可をマリンズ校長からもらわなければならない。校長には実は、酔っ払うと、歌手スティーヴィー・ニックスの物まねをするという奇行癖がある。デューイはすかさず彼女を酒場に誘い出し、ビールで酔わせてスティーヴィー・ニックス最大のヒット曲“エッジ・オブ・セブンティーン”を聴かせたところで、校外引率の許可をまんまとせしめるのだった。

彼の悪だくみを知らない校長はデューイに感謝し、仕事のために堅物にならざるを得ない苦しい心の内を吐露する。
バンド・バトル会場では、主催者から追い出しを食らいそうになったデューイたち。子供達を誘拐した疑いで通報されそうになるが、そこはこましゃくれたサマーの機転でなんとか出場許可を得ることに成功する。バンド名は“スクール・オブ・ロック School of Rock”だ。デューイは、斬新な音楽が生まれる予感に上機嫌になる。しかしトミカが急に怖気づき、バンドを辞めると言い始めた。自分の容姿に自信が持てないからだ。デューイは彼女に、第2のアレサ・フランクリンになれと激励を贈る。それは、同じように冴えない自分への鼓舞でもあった。

いよいよコンテストが明日に迫る。デューイは、校長に懇願されて渋々生徒達の親への教育方針説明会に同行する。しかし間の悪いことに、ネッドの自宅にホレス・グリーン学園から報酬の小切手が配達されていた。ついにネッドに悪事が露見したのである。パティは迷わず警察に通報し、デューイ自身も子供達の親を前にして化けの皮がはがれる。そればかりか、子供達をだしにバンド・バトルに出場しようとした魂胆まで明らかにされ、騙されていたと知った子供達の信頼まで失ってしまうのだった。必死の抗弁も虚しく、デューイは激怒した親達から石持て追われるごとくに学校を追放された。

ところが翌朝、いつものように学校にやってきた子供達は、いくら偽者であったとしても、デューイと過ごした時間は最高に楽しかったと回想する。そして一致団結して、校外研修の名目でスクールバスを出し、デューイを迎えに行くのだった。驚いたのはデューイだ。子供達は準備万端、衣装から照明機材から全て揃えて全員で彼を迎えに来たのだから。足りないのはデューイのやる気だけだ。

バンド・バトル・コンテスト会場。メンバーは思い思いの衣装でド派手に決めている。デューイの分の衣装は、なんと学校の制服。以前彼が、制服姿で出場したら面白かろうと言っていたのを、子供達が覚えていたのだ。出番直前になって、デューイは皆にザックの曲を演奏しようと提案した。自分には作曲の才能がなく、ザックの曲の方が数段優れていることを素直に認めた上での発言だ。急遽予定を変更した彼らは、無我の境地でロックの神様に感謝を捧げつつ、心を1つにした。いよいよステージだ。

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子供を追って会場に乱入してきた親達とマリンズ校長、駆けつけたネッドが呆気にとられる中、“スクール・オブ・ロック”は、きらびやかなステージで本物のロックを奏でる。バンドの演奏も熱く、ザックの提案でリード・ボーカルになったデューイの歌声も見事。照明係の子供達も、素晴らしい演出で彼らをしっかりバックアップした。中盤、第2のアレサ・フランクリンことトミカのソウルフルなソロ・ボーカルを挟み、会場を沸かせた彼らは感動のフィナーレを迎える。デューイのダイブを、興奮した客たちの波が受け止めたのだ。全ての力を出し切った彼らの顔には例えようのない充実感が漲っていた。

ところが、優勝はデューイのかつてのバンドがさらっていった。親達、校長、ネッドを含め、結果に納得できない客達からすさまじいブーイングが起こり、“スクール・オブ・ロック School of Rock”の名が地響きのように連呼される。優勝を逃したことで一気に落ち込んでいたデューイだが、子供達の粋な慰めに再び闘志を燃やし、今度は裏方の子供達も一緒に再びステージへ飛び出した。半ズボンの制服姿のデューイが歌い始めたのは、いつも半ズボン姿でステージに上がっていたアンガス・ヤング率いるAC/DCの名曲“IT'S A LONG WAY TO THE TOP(IF YOU WANNA ROCK'N ROLL)”だった。

通りの一角に、“スクール・オブ・ロック School of Rock”と銘打たれた建物がある。その後のデューイたちが集う場所だ。放課後、彼らはここで演奏の練習に余念がない。コンテストでは優勝できなかったものの、彼らの下にはステージ出演の依頼がひきもきらない。もちろん、それらの契約、交渉を一手にとりまとめているのが、あのサマーである。彼女が携帯片手に扉を開けると、部屋の一隅ではネッドが幼児相手にギター教室を開いていた。その奥では、相変わらずデューイが全身全霊でロックンロールし続けている。今度は1人ではない。素晴らしい仲間たちと一緒なのだ。

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バブリーな享楽の時代をいまだに引き摺る、生ぬるい世界に浸かり過ぎたのか。日本の学生たちが、ぐんぐん進化していく世界のレベルに置いてきぼりをくって、早幾星霜にもなりますな。慢性的な経済停滞、度重なる自然災害等にやる気をすっかり殺がれたこの国の子供達。しかしそれも、例えば学校で魅力ある授業が学生に提供されれば、現在の状況も好転するのではないでしょうかね。学生が学問に興味を持つように誘導することこそ、この国の教育の“精度”を再び引き上げる鍵だと思います。
小学校、中学校、高校、大学…と、およそ“学校”と名のつく場所で“先生”と呼ばれる方々のモラルの低下、並びに質の低下もまた、著しいものがあります。教育は、時と場合により臨機応変に内容を変える工夫が必須ですが、先生方の中で一体どれだけの人がその教育の本質を真剣に捉えていらっしゃるのでしょうね。大変失礼な言い方かもしれませんが、保身を第一に考える事なかれ主義の先生もおられることと思います。

この映画は所詮娯楽映画ですし、「ミュージック・オブ・ハート Music of the Heart」のように実話を基にした作品というわけでもありません。負け犬ロッカーが、名門私立小学校の代用教員になりすまし、子供達にロックンロール・スピリットを叩き込むうちに、自らも成長していく話だなんて、実に予定調和じみた夢物語でしょう(笑)。しかし今回再見してみて、主人公デューイが子供達に施した“教育”は、ひとつの理想を示していると改めて思ったのです。

デューイがやってくるまでは、ただの従順でお利口な勉強マシーンであった子供達。死んだ魚のような空ろな目をした彼らが、デューイの過剰なまでのロック・スピリットに触れるうち、どんどん子供らしい表情になっていく様は、見ていて本当にリアルに感じられました。

学校だってひとつの管理社会。優秀な者には金星を与え、落第する者には黒星と自己嫌悪を与えて、学校全体の成績に貢献しそうな者のみを選抜していきます。そこにあるのは、子供達を十把ひとからげにしようとする管理者(先生)側の都合ですね。ところがデューイがやったことは、偶然にも、クラスの子供達全員に、それぞれの個性や特性を生かした役割を与えたということなんです。まあ元はといえば、自分のバンドを作ってコンテストで優勝したいという下心の為せる技であったのですが、それこそが、子供達全員の心を1つの大きな目標に向かわせる発奮材料となったわけです。

数式や単語を頭から丸覚えさせることも時には必要です。しかし、1つのテーマを子供達全員に与えて、それを達成するまでに、それぞれがどういう仕事を分担してやらねばならないか、彼ら自身に考えさせるということは、系統立てた思考の仕方を学ぶための重要な訓練です。この場合は、素晴らしいステージを完成させるために、子供達が得意な分野を生かしてどのように協力するか、ということですね。

子供達はその過程で、自分でも知りえなかった己の個性や才能を理解します。大人からの命令に従うだけでは、わからなかったことですよね。それが新たな自信につながっていき、金星をもらうだけが人生の目標ではなく、別の可能性が自らの前に洋々と広がっていることを受け入れるわけです。劇中では、太っていて自分に自信が持てないトミカ、本当はギターが大好きで作曲だってしたいのに、親に否定されている内気なザック、イケてない容姿に悩んでいるキーボードのローレンスなどがそうでした。元々反抗的なドラムのフレディですら、厳しい学校管理の中でははみ出し者にすぎない。皆一様に、自分の居場所が見出せない存在だったのです。彼らは、デューイによって初めて自分の足で立つ喜びを知り、さらにその足を前に踏み出して前進する術も覚えました。デューイの挑発が呼び水となり、子供達が次々と不平不満を口に出してメロディーに乗せていくシークエンスでは、初めて感情を解放した彼らが精神的に自立するきっかけをつかんだことがわかりますね。実はそれこそが、デューイ言うところの“ロック・スピリット”=“反抗”であるのです。つまり、子供達の個性や資質を認め、それを伸ばすように仕向けることで、彼らに新たな可能性を提示する多様性こそ、教育の真のあり方なのですね。

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さて、子供達同様、デューイも己の居場所を探し続けた男でした。ロックへの溢れんばかりの忠誠心を持て余す彼を、理解できる人間がいなかったからです。親友のネッドや、自分が作ったバンドですら、彼を拒否してしまいましたね。それも尤もなことで、彼自身が己の限界を認める謙虚さに欠けていたのです。まあデューイにしてみれば、才能の限界を認めて分をわきまえることは、すなわちアイデンティティを失うことに等しいわけで、絶対譲れない一線だったのでしょうね。

しかし、自分よりもはるかに才能に恵まれた子供達と触れあい、彼らの絶対的な信頼を勝ち得たとき、初めて等身大の自分と対峙する余裕がデューイに生まれました。今までかたくなに否定してきた負け犬としての自分を受け入れ、やっとエゴを捨て去ることができたのですね。“ロックの神様”の前では皆平等。なににも換えがたい友情で結ばれた仲間と共に、良いパフォーマンスをステージで披露することこそ、音楽の真の喜びであると悟った彼に、迷いなどあろうはずがありません。コンテストで優勝できなくても、“仲間”と“居場所”をついに見つけたデューイの歌声が一際力強く聴こえるのは、気のせいではないでしょう。子供達に前進する自信と勇気、大切な笑顔を与えた彼は、また、彼らから生きる目的を知らされたのです。これから先、彼が音楽業界で成功するか否かは、とりたてて重要ではないでしょう。

この映画の脚本は、デューイの親友ネッドを演じたマイケル・ホワイト Mike Whiteのペンになるものです。デューイ役のジャック・ブラック Jack Blackとホワイトは実生活でも親友同士で、ホワイトはブラックその人をモデルにデューイ像を作っていったそうです。なるほどそう言われれば、デューイとは、ブラックが今まで演じてきたどの役よりもナチュラルで力のこもったキャラクターでしたね。つまり素のブラックに近いわけで、映画全般に漲るロックへの真摯な愛は、本物のロック・バカたる彼が発するメッセージであったのです。劇中では、古典的ハード・ロックのみならず、パンクやプログレなどにも広くリスペクトが送られていましたが、現在のロックを形作る音楽全てをきちんと網羅した姿勢には、非常に好感が持てましたね。ブラックの性格なのかなんなのか、至るところにロックの薀蓄やギャグが散りばめられていて、知っている人は思わずにやりとしてしまうこと請け合いです。

また、出演している子供達は本物のミュージシャンだそうで、劇中の演奏も歌も皆、彼ら自身のパフォーマンスだそうです。ジム・オルークが子供達の演奏を指導したそうですが、あっというまに上達してブラックを驚かせたとか。子を持つ親としてみると、クライマックスの子供達とブラックの息の合った演奏は涙ものですが、舞台裏では、ブラックが常に子供達と同じ視線でコミュニケートし、信頼関係を築いていったようです。この辺りにブラックの人気の秘密があるかもしれませんね。

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