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zoom RSS 美は惜しみなく奪う−「ヴェニスに死す Morte a Venezia」Part1

<<   作成日時 : 2017/07/09 19:30   >>

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「ヴェニスに死す Morte a Venezia Death in Venice」(1971年製作)イタリア=フランス合作
監督:ルキノ・ヴィスコンティ Luchino Visconti
製作:ルキノ・ヴィスコンティ Luchino Visconti
製作総指揮:マリオ・ガッロ
原作:トーマス・マン Thomas Mann 「ベネチアにおける死 Der Tod in Venedig」
脚本:ルキノ・ヴィスコンティ&ニコラ・バダルッコ
撮影:パスカリーノ・デ・サンティス
音楽:グスタフ・マーラー「交響曲第三番二短調第四楽章」「第五番嬰八短調第四楽章」
指揮:フランコ・マンニーノ
演奏:サンタ・チェチリア国立音楽院管弦楽団
編集:ルッジェーロ・マストロヤンニ
美術:フェルディナンド・スカルフィオッティ
衣装:ピエロ・トージ
出演:ダーク・ボガード Dirk Bogarde (グスタフ・フォン・アッシェンバッハ)
ビヨルン・アンドレセン Björn Andrésen (タッジオ)
シルヴァーナ・マンガーノ Silvana Mangano (タッジオの母)
ロモロ・ヴァッリ(ホテル・デ・バンの支配人)
ノラ・リッチ(タッジオの家庭教師)
マーク・バーンズ(アルフレート)
マリサ・ベレンスン(アッシェンバッハ夫人)
カロル・アンドレ(エスメラルダ)他。

第1幕
マーラー交響曲第五番。たゆたうような甘美な調べにのって、明け切らぬほの暗い海の上を一艘の汽船が走っている。1人デッキに座る初老の男は、なにをするでもなく、落ち窪んだ眼窩の中の目を不安げにしばたたかせている。彼が気だるげに前方を見やると、エスメラルダ号はゆっくりと目的地ヴェニスへ舳先を向けた。
ぼんやりと霧がかった赤紫色の空に、ヴェニスは忽然と姿を現した。引き潮の浅瀬で漁にいそしむ人々がみな腰をかがめている。その向こうに大寺院が朝日を従えて輝く。到着は間近だ。男は何かにすがるかのように身をすくめ、目を閉じた。
汽笛と共に船が岸に到着した。他の乗客たちが大騒ぎしながら下船を始めている。まるで彼らを歓待するかのように賑やかなラッパの音が響く中、兵士達が駆け足で去っていった。周囲の喧騒にあからさまに眉根をしかめた初老の男は、彼らを避けるように荷物を抱える。ところが、先を急ぐ彼の眼前に、奇怪な化粧を顔に施した老人が現れた。黄褐色の夏の装いに派手なパナマ帽、赤いネクタイの小男だ。無様に若作りしたその老人は、連れの若い連中と同じように傍若無人に振る舞い、そして泥酔していた。彼はくすんだ色のコートと帽子、マフラーに身を固め、さも居心地悪げにしている初老の男をめざとく見つけると、酒の匂いをふんぷんとさせながら叫んだ。
「どうぞよいご旅行を、閣下!あなたの可愛いお方にどうぞよろしゅうに!」
逃げるようにゴンドラに乗り込んだ初老の男。サン・マルコの船着場へやってくれというのに、船頭は勝手にリドへ向かおうとする。なにごとも決めたとおりにきちんと運ばねば気のすまない彼は、意思の通じない外国出の滞在に早くもうんざりする。案の定、料金を払おうとポケットを探っても小銭がない。両替をして船着場まで戻ってくると、船頭もゴンドラも姿を消していた。なんと無免許の輩だったのだ!警察の姿を見て逃げ出したという。計らずも、リドまでただ乗りになってしまった。男は仕方なく桟橋の番人に小銭を与えてさっさと追い払うと、宿へと急いだ。
ホテル・デ・バンは堂々たる構えの由緒正しい宿であった。いたるところに大振りの花が生けられ、ロビーは滞在客でごった返していた。とまどうように立つ男は、支配人に満面の笑みで迎え入れられる。
「ようこそアッシェンバッハ様。ここは静かで良いところです。おくつろぎくださりますよう」
そう言うかたわらから、ビーチに向かう若者たちの群れに押されそうになる2人。アッシェンバッハの部屋は3階にあった。なにくれとなく早口で話しかける支配人をよそに、アッシェンバッハは物憂げだ。几帳面に荷物をかばんから取り出すと、窓から外の景色を眺める。ここは、正面に海と砂浜とビーチが臨める眺めの良い部屋だ。窓を開けると遠く歓声が聞こえる。曇り空のせいで海岸に人はまばらだ。彼はリドに来ることになったいきさつを思い出していた。
ある晩のコンサートで指揮棒を振るっていた彼は突如倒れ、医者に静養を命ぜられたのだった。友人が小さくピアノを爪弾くそばで、アッシェンバッハは父の家にあった砂時計を思い出していた。砂時計の音はあまりにか弱くて、砂が落ちているのに誰も気づかない。気づいたときにはもう終りが近づいているのだ。まるで命の終りの差し迫った自分のようではないか…。
アッシェンバッハは正装し、夕食をとるためにサロンに降りていく。化粧台の花の横に立てかけた愛する娘の写真にキスすると、次はためらいがちに妻の写真に唇を寄せる。おざなりな接吻に写真の中の妻は不満そうであった。
サロンには楽団の生演奏が響き、豪奢な衣装に身を包んだ人々が集まってはいたが、夕食には早すぎたようだ。アッシェンバッハは落ちつかなげに新聞を手には取ったが読む気はしない。ふと見回すと、少し離れた場所にいたポーランド人の一家に目が止まる。家庭教師であろう中年の婦人に守られるようにソファに腰かけた美しい3人の女の子と、物憂げに頬杖をついていたセーラー服の少年の姿。アッシェンバッハは、その少年の完璧な造形にしばし目を見張る。信じられない思いでもう一度少年を凝視。その優美な顔立ちは、緩やかにウェーブのかかった蜂蜜色の髪に縁取られ、真っ直ぐに通った高すぎない鼻筋によって左右に分けられている。薄めの唇の端をこころもち上げ、床に視線を落としている目はすっきりと切れ上がり、その上を髪と同じ蜂蜜色のりりしい眉毛が走る。うりざねの形の顔は真っ白でわずかな染みも傷もない。その顔を支える手はあくまで美しく、指は女性のそれよりたおやかな印象を与えるほどだ。完璧なギリシャの神を写し取ったかのような美貌。アッシェンバッハは一瞬にして周囲の喧騒を忘れた。
夕食の支度が整い、人々は三々五々食堂へと散っていく。ほどなくして少年の母が現れた。この母にしてこの子あり。母は年齢に相応しい優美さと気品を備えた美しい女性であった。息子に手の甲にキスさせる仕草も自信に満ちている。彼女は子供たち1人1人の様子を見て声をかけ、夕食前のひととき、ソファでくつろいだ。「タッジオ」母は少年をこう呼んだ。アッシェンバッハは心の中の動揺と戦いながら、食卓に向かう一家の後姿を目で追う。と、そのとき、こちらを振り向いたタッジオ少年と目が合ってしまう。自分を追いかけるアッシェンバッハの熱心な視線に、とうに気づいていたらしい。
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アッシェンバッハは隅の方のテーブルに導かれた。食堂は満席状態だ。彼は少しでもタッジオの姿が見えるように、テーブルの上の花を横にずらす。と、試すようなタッジオの鋭い視線がこちらを射る。アッシェンバッハは気もそぞろに、少年の方に目線をさまよわせるのだった。

「“美”?つまり精神的概念としての美かね?それは芸術家に創造できないと?」
「グスタフ、まさにそうだ。」
「では芸術家の努力は無意味だというのか?」
「そうだ。努力によって美が創り出せるとでも信じてるのか?」
「もちろん、信じてるさ」
「グスタフ、美とは自然に発生するもので努力とは関係ないんだ。芸術家の自負以前にすでに存在しているものなんだ」

アッシェンバッハは倒れる直前、友人アルフレートと美の概念について口論した。彼は感覚的な美を認めない。美とは、それを求めるに値する優れた芸術家の努力によって創造されるもの。英知と人間の尊厳を得るための不断の努力そのものが、美を意味するのだ。名を為した作曲家であり指揮者である自分も、その輝かしい栄誉に浴する資格があると彼は信じている。だが、こうして“あらかじめ存在する美”タッジオを前にしては、その信念も揺らがずにはいられない。
「グスタフ、君の最大の誤りは実社会をひとつの障害とみなすことだ」
「そうだ。我々を欺き堕落させるのが現実さ。芸術家とは暗黒の中で獲物を狙うハンターのようなものだ。何を狙えばいいのかもわからない。だが現実によってそれを照らすことは不可能だ。美と純粋さの創造は精神的な行為だ」
「いや違う、グスタフ。美は感覚だけに属する」
「精神への到達は、感覚を通しては絶対に不可能だ。感覚への完全な優位を保つことによってのみ、真の英知に到達できる。さらには真理と人間的尊厳へも」
「英知?人間的尊厳?そんなものなんの役に立つ?天賦の才は天与の狂気、自然が贈りたもうた罪深いひらめきだ」
「ばかばかしい!芸術を悪魔と同一視するには反対だ」
「いや、グスタフ、君こそ間違っている。“邪悪”は必要不可欠だ。天才の食料だよ」
長年の友人と芸術論を戦わせるのは、これが初めてではなかった。しかし、お互いに一流の芸術家であるという自負があるため、場には気まずい空気が流れる。
「芸術とは教育の最高要素だ。つまり芸術家は手本であるべきなんだ。バランスと力の象徴でなくては。曖昧な要素は許されない。ただのひとつとして」
「でも芸術は曖昧だ。特に音楽は最もその性格が強い。しかしそれが自然科学の礎を築いた。どのコードもいかなる解釈が可能だ。その組み合わせによってどうにでも音は変わる。無限で多種多様。解釈の無限に自由な天国で、君だって飛び跳ねているんだ!子供のようにね!分からんか?これが君の音楽だ!」

翌朝。耐え難い暑さが続いている。最後には怒鳴りあいにまでなってしまった友人との口論を思い出し、複雑な心境に陥っていたアッシェンバッハは、支配人の挨拶で現実に引き戻された。この暑さはシロッコという熱帯性の季節風のなせる業だ。シロッコはあと数日連続して吹き続ける。つまり、止むことがないということだ。しかし今日には止むであろうとおざなりに慰める支配人に、アッシェンバッハは徒労感を覚えるのだった。昨夜のポーランド人一家は既に朝食の席についていたが、タッジオ少年の姿が見えない。少し離れた席で、イライラしながら待つアッシェンバッハ。それを見透かしたように少年が現れた。真っ白のルパシカ風のシャツは、彼を一層神秘的に見せている。少年は、家族と共に席に着いたと同時に、一瞬確かにアッシェンバッハの方に視線を投げた。昨夜とは違いバラ色に染まった頬を向け、唇の端を少し引き上げる独特の笑みをわずかに浮かべて。やはりなにかを問うような雰囲気が感じられる。
“あなたは僕の存在を信じる?”
偉大な老作曲家の胸はそれだけでいっぱいになるのだった。
柄にもなく、砂浜に出て行くアッシェンバッハ。ホテルからビーチまで長く渡された木の回廊を渡り、ビーチの管理人に海水浴小屋にテントを張ってもらう。白の三つ揃いをきっちり着込んだ彼の姿は、ビーチにはいささか不釣合いだ。しかし本人は全く気づいていない。彼はタッジオの姿を追うのに精一杯なのだ。彼の視界の中に、誰かを探している風情の少年が捉えられた。彼は肌にぴったり合った水着を着ており、すらりと背の高い身体のラインをさらしている。長くまっすぐ伸びた足は当然裸足だ。少年はアッシェンバッハを見つけると、しばしその場に立ち止まり、じっと様子を伺っている。アッシェンバッハは、再び所在なげに歩き始めた彼を目で追い始めた。2人の視線が絡まることはなかったが、互いの存在を充分意識しあっているのは確かだ。少年はアッシェンバッハの視線を引きつけたことを確認すると、仲間の少年達のところへ駆け出していった。砂でお城作りに興じる子供たち。タッジオは大真面目に城の作り直しを仲間に指示していたが、そんな彼の肩をさも親しげに抱く年嵩の少年が現れる。彼はタッジオを散歩に誘っていった。
立錐の隙間もないほど人にあふれる浜辺では、露天商が商いに精を出ししている。様々な雑音が飛び交う中を、タッジオとパナマ帽を被った年嵩の少年はゆったり歩いていく。2人は時折顔を寄せ合い、内緒話を続けている。あろうことか、アッシェンバッハがテーブルについているまん前で、パナマ帽の少年はタッジオの頬に接吻する。ただの少年達のいたずらだ。だがアッシェンバッハの心の中はたちまちざわめき始める。名状しがたい痛みが彼の胸に走り、彼は動揺の波に揉まれていった。
大小さまざまの人々の話し声や笑い声がうずまき、時折子供たちの甲高い歓声が上がる。そして狂おしいまでに熱いシロッコ。浜辺の人々は、みな思い思いの格好でくつろいでいた。アッシェンバッハもたまらずテントの下から抜け出て、イチゴをつまむ。気取った仕草で口元をハンカチでぬぐうと、前にいた老人が連れの婦人に警告しているのが聞こえた。こんな暑いときに生の果物を口にするのは危険だと。
アッシェンバッハは日の照りつける水際まで行き、遺棄された船のへさきに腰かけた。母親がタッジオを呼ばわる声がする。
「タッジュー!タッジュー!」
少年に似合う不思議な響きの名前。アッシェンバッハの前で、少年は頬を高潮させて海の中から駆け戻ってきた。巻き毛はわずかに濡れ、しずくがすべらかな顔の上を零れ落ちる。寒さに凍える少年は、タオルにくるまれながら家族の元へと帰ってきた。そしてイチゴ売りからイチゴをひとつかっさらうと、慌てて捕まえようとする家庭教師とおいかけっこを始めるのだった。笑いながら全速力で走っていくタッジオの、少年らしい快活な姿。豪奢なドレスをまとった母は、一番上の姉を伴ってホテルへと戻った。
アッシェンバッハも後を追った。彼がホテルのエレベーターに乗り込むと、後からビーチにいた少年達がどやどやと入ってくる。その中に、セーターに着替えたタッジオの姿を見つけたアッシェンバッハは息が止まるような衝撃を覚えた。こんなに間近で少年の顔を見たのは初めてだ。改めてその神々しいまでの美しさに胸を打たれる彼。ビーチでタッジオにキスした少年が、アッシェンバッハの方をにらみつつ、タッジオに何事か耳打ちする。周りの少年達がくすくす笑いにさんざめくと、とたんにアッシェンバッハは気詰まりになった。2階でエレベーターを降りたタッジオは、帽子をとって彼の方に向き直ると、初めて真っ直ぐに彼と目線を合わせながら立ち去った。思わずその強い視線に意識を縫いとめられたアッシェンバッハは、抗し難い魅惑の囚われ人となったのである。恐怖にも似た美の誘惑から逃れるように、彼は自室に引きこもった。自分の手のどかぬところに圧倒的な美が存在していながら、それに手を触れることも許されず、またその誘惑から逃れる術もない。出口のない感情に翻弄されるしかない今の自分に彼はとまどい、怒りすら覚えるのだった。身のうちにとぐろを巻くどす黒い怒り。彼は苛立ちに任せて乱暴に服を取りだすと、バッグに詰めていく。

「恥ではない、恐怖だ。君に恥辱感などない。感情がないからだ。人間嫌いの逃避者であり、傍観者にすぎない。他人と接するのを怖がっている。くだらん道徳観が完璧な作曲を妨げているんだ」
「アルフレート、私は汚れたんだ」
「そうだグスタフ。君は官能に打ち負かされ、真の汚れに身を委ねるべきだ。それこそ芸術家の喜びだ。魂の健康なぞ取るに足らん」
「私はバランスを保ちたいんだ」
「いいかグスタフ、芸術は個人の道徳とは無関係だ。君の芸術の根底には何がある?教えようか。“平凡さ”だよ」

アッシェンバッハは明日ホテルを発ち、ミュンヘンに戻ることにした。彼は乱れた髪のまま、息も絶え絶えに支配人に言い訳する。急用ができたのだと。
あれほど勘定をせかしたのに、翌朝の彼は、出発ぎりぎりになってもまだ朝食のテーブルでぐずぐずしていた。なぜなら、今朝はまだタッジオを見ていないからだ。だが出立を促され、苛立った気持ちをそのまま従業員にぶつけてしまう。周囲の滞在客たちが静まり返った。彼は仕方なく、荷物だけ先に船に乗せるよう指示するのだった。
ひときわ目立つドレスに身を包んだタッジオの母が、相変わらず優雅な物腰で子供たちと共に食堂に降りてきた。だがタッジオの姿だけが見えない。アッシェンバッハは後ろ髪を引かれる思いでその場を後にするが、当のタッジオと廊下ですれ違う。2人は言葉もなく廊下の真ん中で立ち尽くした。驚いたようにただ呆然とタッジオを見やるアッシェンバッハ。少年は彼の視線をまともに浴び、照れくさそうに頬をバラ色に染めた。そして上目遣いに彼を見上げ、唇の端をわずかに上げると、あるか無きかの笑みがその白磁の顔に浮かんだ。余韻を味わうように少年がゆっくり立ち去ると、アッシェンバッハはぐらつく身体を必死の思いで支えるのだった。
「さらば、タッジオ。もうお別れだ。幸せに…」
このままここを去ってもいいのだろうか。アッシェンバッハの胸はどこまでも沈んでいく。さしずめ、彼が作曲した鬱々とした交響曲の調べのように。彼は額の汗をぬぐいながら、心を置き忘れた場所を想うのだった。
ヴェローナ行きの列車はあと4分で出発だ。アッシェンバッハは先を急ぐ。だが彼の荷物が手違いでコモの方に送られてしまっていた。彼は怒りのあまり、3日後には必ずミュンヘンへ送るという駅員の説明にも耳を貸さず、荷物を取り返すまではヴェニスから出ないと叫ぶ。しかし内心では、喜びで飛び上がらんばかりになっていたのだ。どんなに隠そうとも、顔がほころんでくるのは止められない。これでヴェニスに留まる正当な理由ができたのだから。そしてそれはタッジオに再び会えることを意味する。彼は先ほどの剣幕はどこへやら、穏やかな笑顔すら浮かべて駅員にリドまでの手配を頼んだ。1人のやせ細った浮浪者が、駅の片隅で突如倒れ臥した。蒼白の顔面には玉のような汗をいくつも浮かべ、眼窩は落ち窪み、ひっきりなしに荒い息を吐いている。もう立ち上がる気力すらないようだ。周囲の人々は、蜘蛛の子を散らすように彼のそばから離れていった。
船で再びリドを目指す。彼を出迎えたヴェニスの空は晴れ渡り、澄み切った日差しが美しい古都を明るい色に塗り替えている。アッシェンバッハは沸き立つ思いを抱えつつ、船からその景色を見つめた。流れる交響曲の調べは軽やかに転調し、穏やかな彼の心境を代弁した。
彼はホテルの部屋の窓を開け放つ。目の前の砂浜では、水着姿のタッジオが長い手足を持て余すように歩いている。まるで彼に見つめられるのを待っていたかのように。アッシェンバッハは、知らず彼に向かって手を振った。

第2幕
その日から、アッシェンバッハはタッジオへの募る想いを抑えようとはしなかった。砂浜に出かけ、人気がなくなるまで海水浴小屋のテントの下に陣取る。彼は至極満足であった。

妻が幼い娘の手を引いて走ってきた。アッシェンバッハは娘を抱き上げ、別荘の庭に倒れこむ。緑濃い自然に抱かれ、彼ら家族はささやかな幸せを噛み締めていた。遠くには霧にかすんだ山々が臨める。短くも懐かしい、アッシェンバッハの良き家族の思い出であった。

全身ずぶぬれのタッジオが海から駆け戻り、トンボ返りを披露。そのまま例の年嵩の少年と抱き合ったまま転げまわる。彼は砂まみれの姿のまま、母のテーブルに戻ってきた。貝殻をプレゼントに持って帰ったのだ。タッジオの見せる子供らしい仕草。アッシェンバッハは微笑を浮かべながらその様子を見つめていた。母は、典雅なヴェールの向こう側から息子のプレゼントを受け取り、娘と会話を交わす。全く、絵画の世界から抜け出てきたような光景である。タッジオはタオルにくるまれると、オレンジをもてあそんだ。暖かな家族の団欒。アッシェンバッハが遥か昔になくしてしまったぬくもりが、そこにはあった。彼は慌ててテーブルに戻ると、一心に紙に音符を書きつけ始めた。高らかに歌うテノールの声が流れる。美しきもの、神のそば近くにましますものを称える歌。タッジオはタオルを身体に巻きつけたまま、降臨した音を逃さぬよう譜面に向かうアッシェンバッハを見やると、神々しい調べを背に従えて海に向かっていった。
窓から見える朝日は様々な色に輝いている。アッシェンバッハは、寝ぼけ眼で夜明けの澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込む。今日も浜辺に向かう彼の前に、タッジオが 1人で佇んでいる。すぐそばに立つアッシェンバッハの視線を意識しながら、少年は優美な筋肉を操り踊るような足取りで歩いていく。天にも昇る心持ちでニンフの舞いを眺めたアッシェンバッハは、しかし明らかに身体の異変を感じ取っていた。汗が引かず、身体が重いのだ。
その日、誰もいないサロンで、タッジオが1人“エリーゼのために”をつまびいていた。それはたどたどしい調べであったが、アッシェンバッハはその奏でられる音に思わず聴き入ってしまう。少年が自分のために弾いているような気すらしたからだ。音の包まれたタッジオと自分だけの世界。そのとき背後に人の気配を感じた彼は、慌てて我に返る。アッシェンバッハは、ヴェニスの街にペストが流行しつつあるという悪い噂を支配人に問いただした。だが支配人は、伝染病などとんでもないこと、毎年夏になると告示される公衆衛生対策の予防措置にすぎないと笑い飛ばすのだった。新聞に書きたてられている噂は、ヴェニスから観光客を奪う陰謀だと。支配人が去っても流れ続けるエリーゼのために。だがタッジオの姿は幻だったように掻き消えていた。アッシェンバッハはピアノの足もとに崩おれるように座り込んだ。

アッシェンバッハは、昔娼館に娼婦を買いにいったことを思い出していた。がま蛙のような声の女主が彼にあてがったのが、まだ少女の面影を残したエスメラルダだ。彼女も、先ほどのタッジオのように“エリーゼのために”を爪弾いていた。時々つっかえながら紡がれる音たち。彼はその調べに誘われるようにエスメラルダの部屋に吸い込まれていく。だが、彼女のあまりに処女然とした汚れ無き美貌に恐れをなした彼は、ドレスを脱いで待ち受ける彼女の手を振りほどき、金のみ置いて去っていった。彼は一時でも汚らわしい肉欲に負けそうになった己を恥じる。去っていく彼を見送ったのは、“エリーゼのために”の調べであった。

ホテルには依然として多くの観光客が滞在していた。夜、アッシェンバッハはホテルの玄関近くでタッジオ一家とすれ違う。黒いセーラー服に白い帽子姿がまばゆいタッジオは、つい足を止めようとするアッシェンバッハに柔らかに微笑みかけた。ほんの一瞬ではあったが、花が開いたような微笑は神の祝福にも似て、アッシェンバッハの心を鷲掴みにしたのである。彼はベンチに腰掛け、闇に向かってつぶやいた。
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「そんな風に他人に笑いかけるのはよせ。タッジオ…私は君を愛している」

サン・マルコ寺院。無数のロウソクに火が灯っている。ミサの歌声を遠くに聴きながら、アッシェンバッハは教会の中で跪いて祈るタッジオを盗み見ていた。暗闇に浮かぶロウソクの炎にぼうと映し出された少年の横顔は、まさに天使の具現だ。彼は一家が外に出てくるのを広場で待ち受けていたが、彼らは裏町の方へ歩いていく。彼もまた一家の後について、薄汚れた下町の細い道を歩き続ける。彼らに姿を見られないように横丁から横丁へ。タッジオだけはアッシェンバッハの気配を感じていた。少年は時折わざと歩を緩めて、彼が追いつくのを待ち受ける。よどんだ水を臨む道に佇んだタッジオは、目の端にアッシェンバッハを認めると、安心したかのように家族の方へ走っていった。アッシェンバッハの方も、そんな少年の振る舞いに密かに笑みを浮かべる。目線と互いの存在の気配を感じること。2人の交歓に言葉は必要ない。あちこちの壁に衛生局からの告示が張り出されており、作業員が消毒薬をまいて歩いている。むせ返るような熱気の中に漂う耐え難い異臭と消毒薬のにおい。あたりに人影はなく、やはりペストの噂は本当であったのだ。
だがその夜のホテルのテラスでは、男女4人の流しのバンドが殊更陽気な音楽を演奏していた。タッジオは金ボタンに詰襟の黒服に身を包み、夜の闇に半ば姿を隠すように手すりによりかかっていた。彼はバンドの方を見るとも為しに見やり、アッシェンバッハのすぐ目の前に佇んでいる。アッシェンバッハもタッジオも、全身の神経を研ぎ澄まして互いの様子を伺っているくせに、どちらも話しかけることはなかった。だがアッシェンバッハの方は、少年に見つめられるたびにすくみ上がる始末だ。微妙な緊張感を保つ2人の間に、バンドが割って入り愛の歌を捧げる。タッジオの母はやかましい演奏にうんざりだった。タッジオは目の前で演奏されても動じる気配もなく、視線はアッシェンバッハにひたと向けられたままだ。アッシェンバッハは、バンドリーダーに心づけを与える代わりになぜ街中を消毒しているのかを尋ねる。リーダーは卑屈な笑顔を見せるばかりで、知らぬ存ぜぬの一点張りだ。彼らももちろん当局から口止めされているのだろう。ペストの疑いがあるのならば、ただでさえ健康を害した彼は一刻も早くこの地を去るべきである。しかしタッジオに未練を残したままヴェニスを去ることは、同時に彼に死を宣告するようなもの。アッシェンバッハの胸の内を、死への恐怖とタッジオへの熱い想いが引き裂いていく。
翌日。アッシェンバッハは人影もまばらな市街地に足を向けた。銀行に両替にいくためである。彼は思い立って、イギリス人頭取にヴェニス中の消毒の真意を問いただしてみた。当初は口を濁す頭取であったが、彼を別室にいざなうと、こっそり本当のことを打ち明けてくれた。実は数年前から、ヴェニスの各地でアジア・コレラが発生しているというのだ。ガンジス川流域が発生源で、ヒンドスタン、中国、アフガニスタン、ペルシャへと広まったコレラは、隊商のルート沿いにアフガニスタンやモスクワへもたらされ、そこから今度はヨーロッパを横断してシリアの港からツーロン、マラガ、パレルモ、そしてナポリへと勢力を拡大して、カリビア海に根を下ろしたという。気候や地形的な問題もあって、ヴェニスはコレラに対して全くの無防備状態。そしてついに5月には、2人の病死者からコレラ菌が発見された。船員と八百屋のおかみだ。この事実は内密にされたが、その後も死者は増え続け、今やヴェニス中にコレラ菌感染者が蔓延しているのだ。どの病院も感染者で満杯。地元住民はおびえながらも、観光に壊滅的な支障を来たすこの恐ろしい事実に沈黙を強いられているのだ。衝撃の事実に顔面蒼白になるアッシェンバッハ。すぐここを出立しなければ、2,3日のうちに交通手段が途絶えるという頭取の警告に、彼はある夢想を思い描いていた。

タッジオ一家以外誰もいないホテルのテラス。アッシェンバッハはきびきびとした身のこなしで深く一礼すると、タッジオの母に力強く進言するのだ。
「マダム、ぶしつけですが一言警告を。皆黙していますが、ここには疫病が蔓延しています。タッジオと娘さん達を連れて今すぐここを去りなさい!」
母は困惑した表情ながらも、アッシェンバッハの熱意に打たれたように、静かに進言に感謝する。深い声で息子を呼び寄せると、タッジオは無垢な微笑を彼に振り向ける。アッシェンバッハは、父親のような慈しみと誇りと喜びでもって少年の頭の上にそうっと手を乗せる。少年は、抱かれて満足げな小犬のように目を細めるのだった。

我に返ったアッシェンバッハは、ひきつった表情のままでホテルに戻る。今しがたの夢想を現実にするのかどうか。彼は自分でもどうすればよいかわからない。このまま黙って自分だけ死の街から逃げ出すか、あるいは勇気を奮ってタッジオ一家を救済するのか。手をこまねいてうろたえるだけか…。
「私はどの道を選べばいいのだ。一体どの道を?」
彼は自室の前のドアに身を投げかけて顔を手で覆い、声を殺して嗚咽した。

小さな棺が屋敷から運び出される。到底その光景を近くで凝視する気になれず、アッシェンバッハは庭の木の枝にすがり、かろうじて立っていた。そこへ、同じく涙で頬をぬらした妻が駆け寄る。夫妻は幼い娘を亡くしてしまったのだ。棺は夫妻を残して教会に運ばれていった。

アッシェンバッハは床屋にいた。鏡をのぞくと、頭には想像以上に白髪が増えている。床屋の主人は、仕事にかまけて髪の手入れを怠っていたアッシェンバッハを諭す。紳士は身なりに構わないものだが、それは間違いだ。年はとっても要は気の持ちよう次第で、いくらでも若さを保てるのだ。世間の目など忘れなさい。
彼はアッシェンバッハの若さを取り戻させてみせると請け負い、顔に化粧を施し始めた。眉とひげをきれいに描いてもらい、髪を染める。おしろいをはたき、頬には紅を差し、明るい色のアイ・シャドウを引く。唇には薄く口紅をのせる。仕上げは胸ポケットに一輪の花。アッシェンバッハは若返りの魔術にいたく満足する。だが鏡に映るその姿は、エスメラルダ号で見かけたあの醜悪な老人のそれと全く同じであった。
「これですぐにでも恋を語れますよ」
至る所で火が燃やされ、力なくうずくまった若者が、1人ぽつんと広場の真ん中にいた。街路は汚れ、裏通りには疫病による異臭が一層強く漂う。その中をタッジオ一家は歩いていく。アッシェンバッハも真っ白のスーツに身を包んで後を追う。交響曲5番は官能的なうねりを増し、死と背中合わせの愛を謳いあげる。タッジオはやはり皆から少し遅れつつ、アッシェンバッハが追いつくのを待っている。死臭と不快な煙のにおいの中、美神はアッシェンバッハを振り返りながら佇む。まるで彼を美と官能の極致へと誘っているように。その最果てにはなにがあるというのか。アッシェンバッハには、とても彼に近づく勇気はない。家庭教師に姿を見咎められそうになると、こそこそと建物の陰に隠れう始末だ。若返りの魔法をかけてもらい、赤いリボンの帽子に赤いネクタイまでしてきたというのに。惨めな気分に負けぬよう、彼は再び意を決して歩き始めたが、タッジオを見失ってしまった。一家は足早に去っていく。アッシェンバッハはもう汗だくだ。熱風に路上で焚かれる火、加えて衰弱してゆく身体。彼は足を引きずりながらも、必死になって愛しい少年の姿を探し求める。だが美神はどこにもいない。彼は迷子になった幼子のように目に涙を浮かべる。と、柱の陰に隠れる彼の前に、一家が現れた。タッジオは足を止め、家族の方を気にしながらも、愁いを帯びたまなざしでアッシェンバッハを見つめる。やはりアッシェンバッハは正面きってタッジオを見ることはできない。その後を追っているにも関わらず、視線すら合わせようとしないのだ。彼の白髪染めが汗でにじんで頬に黒い筋を作っていた。アッシェンバッハは、最後に自分の方を見やったタッジオの姿を脳裏に焼き付けながら、耐え難くネクタイを引きちぎる。古井戸にすがりつき、ズルズルとその場に座り込んでしまった。美がすぐそこで手招いているのに、体力を失った彼の身体がもういうことをきかない。汗で無残に化粧の剥がれ落ちた顔をくしゃくしゃにしながら、彼は狂ったように泣き笑い続けた。交響曲5番の調べが高みを求めてたけり狂う。

満場の観客を前に指揮棒を振るうアッシェンバッハ。だが演奏を終えた直後に会場を満たしたのは、歓声ではなくブーイング。観客は罵声を飛ばし、不満の口笛を吹く。疲れ切った風情のアッシェンバッハは、石持て追われるごとくに会場を後にした。客席からその様子を見守っていたアルフレートとアッシェンバッハ夫人は控え室に急ぐ。夫人が夫を抱きかかえるそばで、アルフレートはひきつった嘲笑を浴びせる。
「純粋な美、絶対の厳しさ。形式だけの純粋と完全性、感覚の抽象化がすべて消え去り、ただ無飲み残ったんだ!君の音楽は死産した。仮面がはがれたんだよ!」
怒り狂った観客が控え室にまで押し寄せてきた。アッシェンバッハは息も絶え絶えに、しばしの休息を請う。だがアルフレートは彼らの生贄になれと命じた。
「観客は君を裁き、死刑を宣告するだろう!」
観客とアルフレートに責め立てられ、アッシェンバッハは泣きじゃくる。
「嫌だ、嫌だ、嫌だ!」

真夜中、自室のベッドの中で、アッシェンバッハは悪夢にうなされていた。死を求める人々が彼に迫る。嫌だと叫ぶ彼の耳元で、アルフレートの無情な声が響く。
「英知、真理、人間的尊厳…全て終わりだ。もう君は自分の音楽と共に墓に入れ。君は完全なるバランスを達成したよ。人間と芸術家はひとつになり、共に深い底へ沈んだ」
「君は純潔とは無縁だった。純潔は努力で得られるものではない。君は老いた、グスタフ。老人はこの世で最も不純なんだよ」
うつろに目を見開くアッシェンバッハに、風と光を従えたタッジオの顔が映る。

翌朝。ホテルからは観光客が次々と引き上げ、ロビーも閑散としている。その真ん中を、荷物の山が占拠していた。タッジオ一家のものだ。彼らは昼食後ここを発つらしい。タッジオがここからいなくなる。醜悪な化粧をし、胸に花を挿しておしゃれしたつもりのアッシェンバッハは、内心の動揺を押し隠し、こう然と顎を上げて砂浜へ出て行った。その姿はまるで哀れな道化そのもの。
人影のない砂浜では、老婦人が1人物悲しげに歌っている。熱風に吹かれ憂い惑うそのか細い歌声は、真っ白に輝く砂浜に沁みこんでいく。聴く者はわずかだ。アッシェンバッハは浜辺の管理人の肩を借り、タッジオを求めてよろよろと浜辺を歩いた。彼の視界に、発つ前に浜辺で遊ぶ少年の姿があった。優美に砂の上に身を横たえている。アッシェンバッハは崩折れるように椅子に座り込む。
タッジオは、年嵩の少年と砂をかけあっていたかと思うと、取っ組み合いの喧嘩を始めた。逃げようとするタッジオを少年は追いかける。アッシェンバッハは思わず椅子から身を乗り出した。助けに行こうとするも、彼はもう立ち上がることさえできない。タッジオはうなだれながら、陽光輝く波打ち際まで歩いた。少年も慌てて後を追う。美が痛めつけられている…。アッシェンバッハは誰かに救いを求めるかのように、涙ながらに辺りを見渡した。彼のパナマ帽からは、汗に溶け出した白髪染めの染料が流れ落ち、顔には玉のような汗が吹きだしている。彼はがくがく震えながら身体を椅子に沈めていった。
画像

陽光が海面を照らし、宝石のきらめきをあたり一面に振りまいている。まばゆい輝きに包まれながら、タッジオは少年から離れ、1人海へと歩いていった。やがて光が彼の身体全体を覆っていく。意識の遠のきかけたアッシェンバッハの目の前で、光はタッジオと一体となった。そこに“完全なる美”が出現したのである。アッシェンバッハは蒼白な顔に満足の笑みを浮かべた。少年は柔らかな水音をたてながら、ゆっくりと光の海を歩く。ふと、彼がアッシェンバッハを振りかえる。それは天国の園を散策する天使を思わせた。少年の目には、汗まみれで化粧の剥がれ落ちた無様な老人の死など映らないだろう。なぜなら、光の中に立ち尽くす彼の姿はあまりにまばゆくて、手を伸ばすことも許されぬのだから。少年は一点を指差した。アッシェンバッハの行くべき場所か。老人は最後の力を振り絞って少年の方へ手を伸ばす。本物の美に手を触れたい。しかしその手は虚しく空をつかみ、ついに力尽きた。彼の魂はこの世に別れを告げたのである。老人の身体は若者の手によって運び出された。その様子は、どこまでも白い画面の中で徐々に小さくなり、やがてちっぽけな点となった。
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美は惜しみなく奪う−「ヴェニスに死す Morte a Venezia」Part1 House of M/BIGLOBEウェブリブログ
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