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zoom RSS アナーキーのすすめ―「M★A★S★H マッシュ MASH」Part1

<<   作成日時 : 2017/01/18 11:31   >>

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“SSgt. Gorman: Goddamn army.
P.A. Announcer: That is all.

ゴーマン軍曹「クソッタレの軍隊め!」
PAアナウンサー「…そうそう、それそれ」”


「M★A★S★H マッシュ MASH」(1970年製作)
監督:ロバート・アルトマン Robert Altman
製作:インゴー・プレミンジャー&レオン・エリクセン
原作:リチャード・フッカー Richard Hooker
脚本:リング・ラードナー・Jr Ring Lardner Jr.
撮影:ハロルド・E・スタイン
特撮:L・B・アボット
音楽:ジョニー・マンデル
出演:エリオット・グールド(マッキンタイア大尉、トラッパー・ジョン)
ドナルド・サザーランド(ピアース大尉、ホークアイ)
トム・スケリット(フォレスト大尉、デューク)
ロバート・デュヴァル(バーンズ少佐、フランク)
サリー・ケラーマン(オフーラハン少佐、ホットリップス)
ロジャー・ボーウェン(ヘンリー・ブレイク大佐)
ジョー・アン・フラッグ(シュネイダー中尉、ディッシュ)
ゲイリー・バーコフ(オリーリー伍長、レーダー)
ルネ・オーベルジョノワ(パトリック神父、デイゴ・レッド)
デイヴィッド・アーキン(アナウンス)
ジョン・シャック(ワルドウスキー大尉、ペインレス・ポール)
カール・ゴットリーブ(ブラック大尉、アグリー・ジョン)
バッド・コート(ブーン)
G・ウッド(ハモンド将軍)
キム・アトウッド(ホー・ジョン)
フレッド・ウィリアムソン(ジョーンズ大尉、スピアチャッカー)
マイケル・マーフィー(マーストン大尉、ミー・レイ)
タマラ・ウィルコックス・スミス(マッカーシー大尉、ノッコ)他。

朝鮮戦争が激化した頃。最前線では、負傷した兵士達が次々とヘリコプターに担ぎこまれていた。彼らは、ここから5キロ先にある最前線野戦病院“MASH 4077”に運ばれ、緊急治療を受ける。MASHで控えている看護兵は、絶え間なくやってくる彼ら負傷兵を流れ作業で手術用テントに連れて行く。生死をさまよう負傷兵でごったがえすここ野戦病院も、毎日が戦場なのだ。どこからともなく流れてくる物悲しいメロディに耳を傾ける暇もないほどに。

朝もやに写るのは物の姿のあれこれ
私の知らない苦痛もあるが
自殺は苦痛ではない 気分で変わるもの
やるもやらぬも私の勝手
命をかけたゲームは厳しいもの
いずれは負けるならこれだけは言っておく
自殺は苦痛ではない 気分で変わるもの
やるもやらぬも私の勝手
時の剣が刺しても初めは痛くない
だが次第に傷は深まり 痛みは強まる
自殺に苦痛はない 気分も変わる
やるやらぬは私の勝手
昔の勇者が投げかけた問いがカギだ
生きるべきか死ぬべきかなぜ聞くのだ
自殺は苦痛ではない 気分が変わる
やるもやらぬも私の勝手
君も好きにするがいい  ―テーマソング「自殺のススメ」より

MASH4077の責任者であるヘンリー・ブレイク大佐は、オリーリー伍長こと“レーダー”に指示を与えていた。外科医の数が足りない。ハモンド将軍にあと2人外科医を要請すること。

1.ホークアイとデューク参上
雄々しい行進曲に乗って、ちんたら登場した背の高い男。まるでジョン・レノンのようなサングラスをかけた彼の背後にテロップが流れる。“老兵は去るのみ。お別れだ”―マッカーサー元帥のありがたい名文句である。“私は韓国に行く”―ついでにアイゼンハワーの言葉も。
彼はMASH4077へ向かうべく本部のジープに荷物を詰め込んだが、それを黒人将校に咎められる。そこへ、人の良さそうな南部なまりのある小柄な男がやってきた。彼もMASH4077へ行くらしい。小柄な男は、背の高い男を迎えの運転兵だと勘違いし、ジープに乗り込んだ。勝手に乗ってはいけないらしいジープだが、仕方ない。背の高い男は小柄な男の荷物をジープに積め、一路MASHへ向かった。それを見た黒人将校はカンカンだが後の祭り。
2人は MASHの将校用食堂に到着。背の高い男は、そこで食事していたブルネットの美女に早くも目を付け、舌なめずりする。小柄な男は一杯飲もうと相棒を伴った。同じく食事中であったヘンリー大佐は、見知らぬ2人の男が勝手に食事しているのを見て不審がる。将軍に頼んだ補充の軍医か?にしてはなんともだらしない格好だ。よその隊から遊びに来てるのか?ならば図々しい連中だ。
怪しい2人連れは、チャーミングでセクシーなブルネット美女に粉をかける。彼女はここMASHの看護婦シュネイダー中尉ことディッシュだった。が、亭主もちである彼女に完全に無視される。見かねたヘンリーは司令官の威厳を示すべく、 2人連れに名を名乗るよう命じた。小柄な男はフォレスト大尉ことデューク。背の高い男はピアース大尉ことホークアイ。目を丸くするデュークに、彼は軽く口笛で答える。前線帰りの2人は、MASH4077に新たに転属された外科医であった。ホークアイは転属されたばかりだというのに、図々しくも自分付きの看護婦に若い美人を要請する。パトリック神父ことデイゴ・レッド、凄腕の歯科医ウォルドスキー大尉ことペインレス・ポール…そこらへんにいた人間が次々新入りに挨拶した。皆がいっぺんにしゃべるので収拾が付かない。仕方なく、ヘンリーはレーダーを彼らに紹介する。そして、ホークアイとデュークが本部から盗んできたジープのナンバーを換えるよう命じた。
デュークは金髪の美人看護婦に目を付けたが、彼女はヘンリー専属の“彼女”だった。しょげるデュークとホークアイは、新しい宿舎へ向かったが、そこでは、先客のバーンズ少佐ことフランクが、現地の少年ホー・ジョンに読み書きを教えていた。そう、フランクとは、戦地とはいえ現地の人とも親交を持つ有徳の将校なのだ。
休む間もなく、ホークアイとデュークは手術に駆りだされる。患者は誰しも身体をひどく損傷しており、歴戦のツワモノである彼らでも手術は困難を極めた。だが彼らは、ときにジョークすら飛ばしながら淡々と仕事をこなしていく。
夜を徹した手術から解放された2人は、宿舎テントでホー・ジョンに作ってもらったマティー二を楽しんでいた。敬虔なクリスチャンでもあるフランクは、未成年に酒の相手をさせるような彼らの魂のために、一心に神に祈りを捧げる。こんな、ただ人が殺し合いをするような戦場で“神のご加護”もなにもあったものではない。彼のやっていることはただの偽善なのだが、本人はいたって真面目。ホークアイとデュークは呆れ果て、やけくそで歌い始めた。

クリスチャン兵士よ戦いに進め
イエスの十字架押し立てて
キリストの導きで敵に向かえ
主の旗印は戦の庭にひるがえる…

それを聞きつけた外の連中も一緒になって歌い、皆で行進まで始めた。頭にきたホークアイとデュークは、とうとうヘンリーに直談判をした。フランクをテントから追い出してくれというのだ。それから胸部切開の専門外科医も早急に必要だ。文句たらたらで手術に戻った2人に、ヘンリーは寛大な判断を示した。フランクを他所へ移し、すぐ“胸切り屋”を手配すると。再び手術。彼らが力を尽くしても、命を落とす兵士は絶えることはない。そんなときはデイゴ・レッドの出番だ。狭いテントの中は、時間との戦いに焦りの色を濃くする医師たちの怒号が飛ぶ。そんな中で死者に最後の祈りを捧げる神父は肩身が狭い。祈りの途中であっても、手術の手伝いに駆りだされることもしばしば。それはそうだ。死んだ者より生きる望みのある者の方が大事だろう。

2.トラッパー・ジョン登場
ホー・ジョンが慌てふためいてホークアイを探しに来た。だが本人はディッシュをベッドに押し倒そうと奮闘中。しかし胸切り屋がきたとあっては、ホークアイも下半身の事情を後回しにせねばならない。ラジオ東京のたどたどしい日本語放送が流れる中、ホークアイはデュークと新入りが待つテントへ急いだ。
問題の胸切り屋は、ボストンからやってきた。入隊してまだ2ヶ月だそうだ。その男はエスキモーのようなごつい上着を着込み、ひげ面で怪しい風体だ。どこの何病院にいたかもしゃべろうとしないが、ホークアイには彼に見覚えがあった。男はマティー二にオリーブを落とす。なんとマイ・オリーブを持ち歩いているらしい。
アナウンス『教会から聖書の寄贈があった。感謝しろ』
新入り胸切り屋はさっそくオペに立ち会った。彼の手際は素晴らしく、ホークアイやデュークもお手上げだった難しい手術を難なくこなしてみせた。デイゴ・レッドやペインレス・ポール達が、窓越しに血まみれの手術台を見つめている。
オペ終了後、水溜りだらけのテント外で皆でフットボールに興じる。見事なパスワークを見せた新入りを見て、ホークアイはようやく彼が何者か思い出した。学生時代の試合でホークアイの完璧なパスをカットしてみせた男、“トラッパー・ジョン”ことジョン・マッキンタイアだ。列車の婦人用トイレに忍び込んだ武勇伝を持つ、名物男だった。
シャワー用テントを覗き見しようと、人だかりがしていた。皆、歯科医ペインレス・ポールの立派な持ち物を見物するために集まっているのだ。出歯亀した連中は、そのあまりの大きさに呆然としていた。

3.軍隊バカ、ホットリップス登場
ヘンリー達は、新たに婦長として配属されたオフーラハン少佐を出迎えた。その頃、フランクが手術を担当した患者が突然意識不明に陥った。焦った彼は看護婦を呼ぶが不在。看護兵ブーンに、アドレナリンと強心剤をもって来るよう命じるが、一足おそく間に合わなかった。フランクは医師として言ってはいけない言葉をブーンに投げつける。「この患者はお前が殺したんだ」と。患者の死の責任を押し付けられたブーンは泣き出してしまった。それを目撃したトラッパーは暗澹たる気分になる。
オフーラハン婦長がMASH4077の面々に紹介された。気のいいマーハート大尉ことデニス、アグリー・ジョンことブラック大尉、手術中に話しかけられ毒づくサックス大尉、看護婦のマッカーシー大尉ことノッコ。
トラッパーは、仕事を追えたフランクを物置に呼び出し、一発ぶん殴る。ブーンへの暴言のお返しだ。だがまずいことに、その現場を新婦長とヘンリーに見られてしまった。驚いたヘンリーはトラッパーを逮捕監禁すると宣言。軍規はないがしろにはできない。
アナウンス『さっさと検尿を済ませろ』
宿舎でフテ寝しているトラッパーをヘンリーが詰問する。確かにフランクは、乱療医師のくせに患者を死なせては人のせいにしているが、だからといってそれを裁く権利はトラッパー達にない。ヘンリーは思案の挙句、トラッパーを主任医としてしばらく現場から遠ざけることを提案する。
うさんくさい日本語放送は、アキ・タカムラなる人物の歌を流している。渓流で釣りを楽しむヘンリーは、ハモンド将軍がフットボールの試合で留守だと連絡を受け憤慨する。「あの野郎、遊んでばかりだな」そういうヘンリーも釣り三昧なのだが。
アナウンス『今週の映画は「ウィリーの凱旋」。第2次世界大戦の大爆笑編だ。恋と笑いに期待しろ』
手術中のテント内。またもや停電だ。最前線から5キロと離れていないここでは、電源が確保されないのはしょっちゅうだ。ようやく予備の電気がともされ、手術中だというのに皆で厳かに合唱する。“世界に再び明かりが灯る頃…”
食堂にいたホークアイを、オフーラハン少佐が訪ねた。彼女は金髪でグラマーな美女だが、軍隊こそ我が故郷という軍隊バカである。彼女の考えでは、看護婦の風紀が乱れているとのことだ。看護婦が彼をホークアイと呼び捨てにするのもけしからん。上下のけじめがつかないではないか。彼女はフランクが現状に不満であることも重んじていた。だがホークアイは、医師として無能なフランクの言い分など歯牙にもかけない。彼はフランクを褒め称えるオフーラハン少佐に啖呵を切った。軍隊バカなどとしゃべるだに不毛だ。彼女は問う。「なぜあなたみたいな最低人間が軍隊にのさばっているの?」
聖書とくびっぴきだったデイゴ・レッドが代わりに答えた。「徴兵です。マダム」

4.ホットリップス誕生秘話
しこたま釣りを楽しんだヘンリーは、レーダーに将軍と打ち合わせのため基地に帰らないと告げた。将軍にかこつけて、こっそり街中で羽根を伸ばす魂胆である。そして愛人の看護婦にシャツのボタン付けを頼んでいく。
こうるさい上官が不在のその夜。ここぞとばかりにバカ騒ぎに興じるMASHの面々。食堂は卑猥な歌を歌う酔っ払いのパーティー会場と化した。フランクとオフーラハンは眉間にしわを寄せるだけ寄せる。トラッパーは、そんなオフーラハンを裸にひん剥けと叫ぶ。真面目バカコンビ、オフーラハンとフランクは席を蹴り、司令部の将軍に宛てて告発状をしたためる。ここMASHの不健全な現状を訴える内容である。彼らは息もピッタリの名コンビ。意気投合した興奮から、下半身の方も意気投合する。
アナウンス『大佐の事務室から覚せい剤を盗むな。今月3度目だ。いいかげんにしろ』
オフーラハンの寝室をフランクが訪ねる。“神をも恐れぬ連中”の悪の手を逃れ、2人で神の祝福を受ける行為に励むのだ。まあその実は、単にMASHの面々の鼻つまみ者ということなのだが。神の御心のままに愛し合う2人を、窓から覗き見ている者がいた。レーダーである。彼はこっそり彼らのベッドの下にマイクを仕込んだ。MASHの面々は、マイクを通して流れてくるお熱い現場に耳を傾ける。お堅いはずのオフーラハンが、あられもなく「唇が燃えるわ」と叫んでいる。これは他の連中にもおすそ分けしなければならない。彼らは、ホットリップス達の睦言を、基地内放送に切り替えた。手術中の連中も、宿舎で休憩中の連中も、皆一様に前代未聞の本番中継放送に大喜びだ。だが、異変に気づいたオフーラハンは、慌ててフランクを叩き出した。
翌朝。朝食の席に着く面々は、昨夜の放送を今までで最も士気を鼓舞する番組だったと感心しあっていた。青ざめた表情のオフーラハンの耳元で囁かれる「ホットリップス」の言葉。彼女はうろたえて食堂を出て行く。相当こたえたらしい。ホークアイはフランクのテーブルに座り、わざとらしく話しかけた。ヘンリーも戻り、愛人とレーダーを連れて食堂に向かう。犬猿の仲であるフランクとホークアイが同席するという珍現象に、思わずヘンリーは窓から様子を伺った。ホークアイはまことに真剣な表情で、ホットリップスの“具合” がどうであったかを訊ねていた。外から見ているヘンリーにはなにをしゃべっているかわからない。レーダーに実況を促す。困ったレーダーは、ホークアイがフランクに解剖所見を聞いていると嘘をついた。フランクの方は意見を調整中でまだ何も話せないようだと。オフーラハンをバカにされたと感じたフランクは、ホークアイの挑発にまんまと乗り、彼につかみかかった。ホークアイはヘンリーに聞こえるように、わざと大声で「突然殴られた」とわめく。ホークアイから引き剥がされたフランクは、そのまま拘束衣を着せられて基地を離れていったのだった。基地内放送では、しめやかな別れの曲が流された。

サヨナラを言うときがやってきた
でも私の心は永遠にあなたのもの
いつかはサヨナラを言う定めだったの

デュークはヘンリーにイヤミを言った。「オレもオフーラハンと寝てホークアイを殴れば帰国できるかい?」

頚動脈から血が噴出している重症患者が運び込まれた。術衣もまだ着ていなかったホークアイは、しかしパニックになることなく、軽口を叩きながらただちに動脈縫合にとりかかった。緊急を要する大手術の最中のアナウンス。『医学協会はマリファナを危険な薬物と断定した。アルコールより無害だという説はしりぞけられたぞ、覚えとけ』

5.自殺のススメ
困り果てたデイゴ・レッドがホークアイを探している。実はペインレス・ポールから深刻な告白を受けたのだ。その内容はデイゴの手に負えるものではないので、代わりに彼の相談に乗ってはくれまいか。
ペインレスの悩みとは。彼はかわいい新入りの看護婦をひっかけ、ベッドに引っ張り込んだのだが、なんと自慢の一物が言うことを聞かなかった。本番でうなだれたままなんてことは、初めて経験する屈辱らしく、彼はたった一度の失敗で落ち込んでしまったのだ。陸軍一のお宝の持ち主と称えられていた反動で、彼は自分は隠れホモに違いないと信じ込んでしまった。これにはさすがのホークアイも、口笛を吹くどころではない。

事情を知った仲間達は、ペインレスを肴に好き勝手なことをしゃべっている。実はホモだったという伝説の種馬の話。ペインレスの場合はただの強迫観念で気の毒なことなのだが、面々はどうしても笑いをこらえることができない。そんな雰囲気を敏感に察知したペインレスは、思いつめた顔で自殺することにしたと宣言する。トラッパーは、これぞお勧めという方法を示唆した。“ブラック・カプセル”、ヒトラー夫妻があおったという即効性の毒物だ。
その夜、ペインレスのための最後の晩餐が催された。デイゴは立場上、自殺者に祈りを捧げることはできないと困惑するが、ホークアイ達には思惑があった。本人は別として、これはただのヤラセなのだ。

画像

最後の晩餐の席に、皆正装―手術衣―で出席した。デュークは死の斥候に志願したペインレスの勇気を称え、デイゴは嫌々ながらブラック・カプセルをペインレスに手渡した。歌の上手いサックス大尉がデニスのギターの音色に合わせて“自殺のススメ”を歌い上げる。ペインレスは棺おけに横たわり、カプセルを飲み込んだ。1人1人が贈り物と共に彼に最後のお別れをしていく。彼らは眠りについたペインレスを特別しつらえの寝室に運び込んだ。ホークアイは、明日帰国だというディッシュと落ち合い、彼女をペインレスの待つ寝室へと誘った。優秀な看護婦として、“特別治療”を彼に施してやって欲しいのだ。気の進まぬディッシュは、それでも彼のモノを目にするとベッドにもぐりこんだ。ご丁寧にも彼らの寝室のドアには、“Crosed”の看板がかけられていた。
翌朝。疲れきって悄然としたディッシュは去り、何事もなかったかのように元気一杯のペインレスは再び難しいオペに向かっていった。それを見たホークアイは満足そうに口笛を吹く。ヘリコプターに乗り込んだディッシュも、うなだれていた表情を輝かせ、カメラに向かって満面の笑みを見せた。こうして貴重な人命が救われたのである。

6.はめられたホットリップス
捕虜である兵士が運ばれてきた。心臓周辺に複数の傷を負い、輸血用の血液が大量に要る。トラッパーはオペに取り掛かった。血液は眠っているヘンリーから勝手に抜き取ることにした。ホットリップスもこのときばかりは私情を抑え、トラッパーのカバーに励む。だが傷の所見を見誤ったトラッパーとホークアイの意見が対立する。そこへヘンリーからの献血が届き、オペは事なきを得た。
ヘリの墜落現場でのんきに水浴びをするホークアイ達。トラッパーは艶やかな黒髪が好みだが、デュークは金髪好きだ。どうやら彼は、ホットリップスの金髪が本物かどうか確かめたいらしい。彼女の金髪が偽物なら20ドル払うと。このおもしろそうな賭けに乗らない手はないが、どうやって確かめればいいだろう。そこでホークアイが悪知恵をひねり出した。
看護婦たちのシャワーの時間。ブーンの知らせで皆定位置につく。ホークアイ達は仲間の看護婦達を呼び止め、立ち話を始めた。ホットリップスは1人離れてシャワーテントに入っていく。彼女がシャワーを浴び始めたことを確認すると、椅子と酒持参で皆テントの前に集まった。ドラとギターの音を合図に、テントの幕が一斉に引き上げられ、ホットリップスは頭にシャンプーをつけたまま、皆に素っ裸を開陳することになってしまった。歓声が上がる中、デュークは双眼鏡で彼女の金髪が染めたものだと確認し、見事賭けに勝ったのである。辱めを受け、怒りの余り半狂乱になったホットリップスは、愛人としっぽりお楽しみ中だったヘンリーの寝室に怒鳴り込んでいった。半裸のまま、あの気狂い連中を残らず逮捕しろと絶叫するホットリップスこそ、正しく気狂いに見える。ヘンリーは、イヤなら君が辞職しろと諭した。

7.二バカ大将、小倉珍道中
ホークアイ達は、休暇を利用して現地の下町に赴いた。ホー・ジョンに徴兵検査を受けさせるため、地元の医者に診せる目的もあった。ホークアイがアメリカからやってきたTVクルーにインタビューされている間、医者はホー・ジョンの身体的異常を偽装と見破っていた。彼を徴兵にとられたくないホークアイ達は彼に薬を仕込んでいたのだが、それがバレたようだ。
ヘリコプターが見下ろす中、トラッパーとホークアイはゴルフに興じている。そのヘリコプターはホークアイ達の荷物を吹き飛ばして近くに着陸。本部からの命令で、手投げ弾を食らった議員の息子の心臓手術をせよとのことだ。場所は日本の小倉の病院。トラッパーは神妙にホークアイを助手に指名し、ただちにヘリに飛び乗った。傷はたいしたことはないのだが、彼らは日本でゴルフ三昧できるとホクホク顔だ。

意味不明なドラが鳴り響く。迎えのジープに立ち上がり、辺り構わず嘘っぱちの日本語をわめき倒すトラッパーとホークアイはご機嫌だ。年配の運転兵はうんざりしつつ「くさるなァ」と繰り返すばかり。ゴルフバッグを抱えたままの彼らは、早速病院にずかずか入り込む。手っ取り早く手術を済ませたい2人は強引に受付を突破し、責任者のメリル大佐をほったらかしてオペを敢行した。そこに大佐が現れたが、血まみれの手術台を見てすごすごと退散していく。そう、手術室では階級など関係ない。オペに成功するか否か、それだけだ。大佐をオッサン呼ばわりするホークアイに、麻酔医は呆れた。実は彼はホークアイの知り合い、マーストン大尉ことミー・レイ(“ボクちんと寝て”の意)だったのだ。ミー・レイは、他の病院と売春宿で秘密のバイトをしているらしい。売春宿の名刺を手渡され、ホークアイ達はコネが出来たと大喜び。ホークアイとトラッパーは、来たときと同じ格好で意気揚々と出て行こうとしたが、憲兵に追われてしまう。仕方なくメリル大佐の部屋でパットの練習に打ち込む2人。逮捕するぞと恫喝する大佐に、彼らは逆に脅しをかける。それはそうだ、彼らはここの軍医のヘマを助けてやったのだから。
ミー・レイに紹介された売春宿で、ホークアイ達は歓待を受ける。そこに急患の知らせが。売春宿に併設された小児科で診ていた子供の様子がおかしい。気管食道ろうだ。トラッパー達は、すぐ陸軍病院のオペ室を開けさせるよう言う。信用の置ける看護婦を呼び出し、緊急のオペが開始された。いかに人道的処置とはいえ、あの大佐がこの施設の不当使用を許すはずがない。ホークアイ達は最後の手段に出る。やってきた大佐に麻酔をかけ、眠り込んだ彼を売春宿に連れていった。その間に彼を裸にひん剥いて、ゲイシャガールと同衾している現場をでっちあげ、証拠写真を撮ったのだ。ペインレスほどではないが、大佐もどうしてなかなか立派なモノをお持ちだ。

8.フットボール大作戦
アナウンス『「地獄の戦場」を上映する。愛すべき海兵隊勇士の戦争映画巨編だ。それからハリウッド・カフェへの立ち入りを禁じるからな』
ゴルフウェアのままヘリから降り立ったホークアイとトラッパーは、そのままオペに向かった。MASHはますます激務になっている。ヘンリーも寸暇を惜しんで手術台に臨んでいた。
やっとオペから解放されたホークアイ達は、足を引きずるように宿舎に戻った。が、テントにはカギかかけられている。裏口からホットリップスが逃げ出した。なんとまあデュークは、鬼のいぬ間にホットリップスとねんごろになっていたのだ!
釣りの疑似餌作りに余念がないヘンリーに、ハモンド将軍から電話があった。以前ホットリップスが本部に送った告発状が、今頃になって将軍の目に留まったのだ。
アナウンス『名作「栄光の旅団」を上映する。戦闘工作員がブルドーザーを戦車代わりに大活躍。楽しんでくれ』
将軍がMASH4077にやって来る。一応告発状の捜査という名目だが、単に酒を飲みに来ただけだ。ホークアイ達は、フットボールの親善試合を行うことで、自らチームを率いているほどのフットボール狂の将軍の気を引き、告発状のことを忘れさせることに成功した。ご機嫌な将軍は、ぜひMASHチームと試合したいと、ヘンリーと日程の調整を行う。5000ドルもの掛け金が動くとあっては、ホークアイ達の目の色も変わる。本当のところ、MASHにはフットボールチームなど存在しないのだ。そこで彼らは、基地内でただ1人の黒人将校でフットボールの選手でもあった、ジョーンズ大尉(担当精神科)ことスピアチャッカーをトレードすることを思いつく。元選手らしく美丈夫のスピアチャッカーは、たちまちMASH内のアイドルになる。ヘンリーはいっぱしのコーチ気取りで、急ごしらえチームの練習を指揮した。ホットリップスは他の看護婦たちとチアの練習に打ち込む。基本的なスクラムの練習と肉体を極限まで苛め抜く練習。チームは素人同然のひどいものだが、掛け金はがっぽりいただきたい。試合前半はスピアチャッカーを隠し、掛け金を半額に抑え相手の得点を許して油断を誘う。試合後半戦で彼をチームに投入し、掛け金を倍増して一気に逆転する。5000ドルごっそり頂きだ。ヘンリーは、スピアチャッカーが考えたフォーメーション図を感心しつつ見たが、なんのことかさっぱり理解できなかった。
試合当日。ホットリップスのホイッスルを合図に、選手が入場する。将軍チームは歴戦のツワモノだ。MASHチームはあっという間にポイントを取られ、ホークアイ達は早くも音を上げそうになる。だがスピアチャッカーは敵の1番選手を試合からはずせと指示。一方ご機嫌な将軍は、自チームの選手にペースを落とすよう言い置く。彼にとっては赤子の手を捻るような試合だ。プレーのリズムが合わず、MASHチーム内は険悪な雰囲気になってきた。そこで彼らは伝家の宝刀を抜く。レーダーは水分補給の陰に隠れて、トラッパーにこっそり注射器を手渡す。試合再開。両者共にもみ合って選手が団子状態になった隙に、トラッパーは敵チームのエース1番の腕を消毒して注射器を突きたてた。とたんに1番は朦朧として精神錯乱に陥る。MASHチームは彼をベンチ送りにすることに成功したが、大きく開いた点差はいかんともしがたい。

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ハーフタイム。ヘンリーは沈うつな表情で将軍を訪ね、掛け金を倍掛けにすることを提案。勝利を確信している将軍は二つ返事で承諾した。
試合後半から、24番をつけたスピアチャッカーが大活躍を始める。騙されたと知った将軍サイドは怒り心頭だ。猛然と反撃を始めたMASHチームにより、両チームともに怪我人が続出する。担架が忙しく往来し、将軍は計算外の展開にいらいらし通しだ。だがMASHチームの選手が将軍チームの選手の挑発にのってしまい、喧嘩沙汰になる。退場を狙うプロの手口だ。スピアチャッカーは、彼の妹グラディスをからかえと指示。案の定敵チームの選手は激昂し、退場させられた。ホットリップスの“ぶっ殺せ”コールが響き、とうとうMASHチームは将軍チームにあと2点差と詰め寄る。ここでスピアチャッカーは“スペシャル・ラン・プレー”をしようと提案した。相手を欺くため全員がセンターに集まり、ホークアイは1ヤード走リ抜く。選手の1人が腹の中にボールを隠してライン際まで歩くのだ。最後のチャンスをかけてトリックプレーが始まった。企みは上手くいき、MASHチームはまんまとポイントを得る。結果、2点差でMASHチームの勝利となり、面々は大騒ぎをする。

9.さらば、MASH
勝利の乱痴気騒ぎのまま基地に戻ってきた面々に、またも忙しい日常が戻ってきた。激務の合間を縫い、寸暇を惜しんで遊びに励む毎日。そんなある日、ホークアイとデュークに帰国命令が出た。帰国…オイタの限りを尽くした彼らにも、故郷に帰れば、最前線から生還した英雄を出迎える暖かい人々が待っているのだ。デュークはホークアイに問うた。「今すぐかい?」
デュークのそばに控えていたホットリップスも動揺を隠せない。ホークアイは一瞬、嬉しさと寂しさが交じり合う複雑な表情を見せた。その後ホークアイとデュークは、仲間が去っていくので気落ちしているトラッパーに、無言で別れを告げた。ぐずぐずと去りがたいホークアイのケツを、トラッパーが蹴り上げる。さっさと帰れと。
そうして2人は、ここに来たときと同様、ホークアイが本部から盗んだジープに乗り込み、故郷に向かって帰っていった。
アナウンス『本日の映画は「マッシュ」でした。負傷兵のオペの合間に見せる軍医のあきれ果てたど道化振り。砲弾飛び交う中での崇高な医師の献身…けっ』

レーダーは2人を見送った後、ホークアイを真似てそっと口笛を吹いてみる。最後の最後、小倉の老運転兵が登場。「くそったれの軍隊め!」

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