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zoom RSS 「ラブ・アクチュアリー Love Actually」ーみんな誰かの愛しい人

<<   作成日時 : 2015/11/26 21:03   >>

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人とのつながりを実感したいなら、空港に行くべきだ。

「ラブ・アクチュアリー Love Actually」(2003年製作)
監督:リチャード・カーティス
製作:ティム・ビーヴァン&エリック・フェルナー&ダンカン・ケンワーシー
脚本:リチャード・カーティス
撮影:マイケル・コールター
編集:ニック・ムーア
音楽:クレイグ・アームストロング
出演:ヒュー・グラント(英国首相デヴィッド)
リーアム・ニーソン(ダニエル)
エマ・トンプソン(カレン)
アラン・リックマン(ハリー)
コリン・ファース(ジェイミー)
ローラ・リニー(サラ)
キーラ・ナイトレイ(ジュリエット)
ローワン・アトキンソン(宝石店員ルーファス)
ビリー・ボブ・ソーントン(米国大統領)
ビル・ナイ(ビリー)
アンドリュー・リンカーン(マーク)
マルティン・マカッチョン(ナタリー)
ジョアンナ・ペイジ(ジュディ)
クリス・マーシャル(コリン)
ルシア・モニス(オレーリア)
マーティン・フリーマン(ジョン)
トーマス・サングスター(サム)
ロドリゴ・サントロ(カール)
ハイケ・マカッシュ(ミア)
キウェテル・イジョフォー(ピーター)
アブダル・サリス(トニー)
グレゴール・フィッシャー(ジョー)
オリヴィア・オルソン(ジョアンナ)
シエンナ・ギロリー(ジェイミーの恋人)
エリシャ・カスバート
デニース・リチャーズ他。

クリスマスまであと5週間。
英国の新首相は、ハンサムだがまだ独身。国民の彼に寄せる期待は大きいが、大国アメリカの政治的圧力は甚大で先行きは厳しい。それなのに、彼の頭の中はぽっちゃり体型がかわいい秘書のことでいっぱい。
一世を風靡したものの、寄る年並みには勝てず落ちぶれた初老のロック・シンガーは、かつてのヒット曲をクリスマス用にアレンジして起死回生を図っている。苦楽を供にしたマネージャーと、売り込みのためにラジオやテレビを駆けずり回る毎日だが、視聴者の神経を逆なでするような言動ばかりを繰りかえす始末だ。
黒人である親友の結婚式に、特別なサプライズを用意したアーティスト。だが彼の心は、実は親友の新妻の虜になっている。親友との友情と恋心の板ばさみになった彼は大いに苦悩する。
お人よしな作家は、美しくてセクシーな恋人の心変わりを恐れていた。だが彼女は、彼の留守中になんと彼の弟をベッドに引っ張り込んでいた。傷心の彼は外国へ脱出したが、家政婦に雇ったポルトガル人の女性と全く言葉が通じず、ぎくしゃくする。
デザイン会社を経営する男は、長年連れ添った妻との間に3人の子供をもうけて、絵に描いたような幸せな家庭を築いていた。ところが美人の秘書が彼を誘惑しようと虎視眈々とチャンスを窺っている。折りしも同じ会社で働いている内気なOLは、2年7ヶ月もの間同僚の男性に片思いし続けていた。どうやら相手の青年も、彼女を憎からず思っているようではあるが。果たして彼女たちの恋は実るのだろうか。
妻をガンで亡くした男は、悲しみも冷めやらぬ間に妻の連れ子の変貌に悩む。ところがその11歳の少年は、同じクラスの女の子に報われぬ片思いをしていたというのだ。男は張り切って少年の恋を応援するが…。
一方、ポルノ映画を撮影中の男女は、裸でまぐわるシーンの間中おしゃべりを続けて、すっかり意気投合する。映画の助監督を務める黒人青年の悩みは、ケータリングを生業にしているぶさいくな親友が、英国を離れてアメリカにガールハントに行くと血気にはやっていること。アメリカに行ったところで、もてない事実には変わりがない。身包みはがされて一巻の終わりだということがわからないのだ。

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私は普段、いわゆる“ラブコメ”と呼ばれる映画は観ません。尤も、このラブコメの定義も広範囲に渡っていて、カテゴライズするに曖昧ではあります。観ない観ないと言いつつ、知らぬ間にラブコメ作品を観ちゃっているかもしれませんしね(笑)。

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その辺りの事情はもっと詳しい方にお任せするとして。「ラブ・アクチュアリー Love Actually」です。軽快なタッチのラブ・ストーリーを描かせれば右に出る者のいない名脚本家、リチャード・カーティスの初監督作です。今回なぜこれをチョイスする気になったのか。といってもたいしたことではなく、最近「グランド・ホテル Grand Hotel」(1932年)に代表される群像劇映画を数本観たからなんですね。ああそういえば「ラブ・アクチュアリー」も、惚れた腫れたがメインテーマではあるけれど、形式は群像劇だったよなあと。

各エピソードが全く独立した無関係のもののように見えて、その実細かい部分でリンクしている形。お互いに微妙な距離を保っている複数のエピソードを、ある一点に向けて徐々に収束させていき、大団円でそれを1つに纏め上げる手法は、最近の映画界で大流行しています。確かに思惑が成功すれば、映画的カタルシスも得られましょう。しかしまあ、それだけが監督の腕の見せ所か?今ではそれに時間軸の交錯という要素まで加わって、映画のストーリーは一層カオス状態を増しているわけです。ただでさえ記憶力の怪しい私に、最近の映画は極めて厳しいのですよ(笑)。みなさんいたずらにプロットを複雑にしていかれますが、数多い群像劇の中では、その必要はないと思われるものも当然あります。ストーリーをいじる前に、“映画ならではの上手い語り口はなにか”ということに、今一度立ち返る必要もあるかもしれませんね。

さて、この「ラブ・アクチュアリー」も、多彩なエピソードを欲張って詰め込んだタイプの作品です。誰が誰に惚れて、誰が誰に振られて、誰が誰と別れてくっついて…という人物相関図を追っていくだけで、一大絵巻ができそうです(笑)。鑑賞前は、肝心のテーマにちゃんと浸れるかしらと構えていたのですが、杞憂でした。観進めるうちに、エピソードの複雑さはさして気にならなくなっていましたね。各エピソードも気負いなく描かれていて好感が持て、それぞれがリンクする部分もさりげなくてあまり無理もなかったですしね。これはひとえに、カーティス監督のテンポよい筆捌きに負う部分が大きいでしょう。登場する人物は、全てがそれぞれの人生において主役を演じ、かつまた誰か他の人の人生の脇役も務めています。私たちの現実でもまさにその通りのことが起こっているわけで、それが劇中でよく表現されていたと思います。

また、群像劇の楽しみのひとつに、お気に入りのエピソードを探すということがありますね。個人的には、病んだ弟の看護のために、結局恋愛が実らないまま終わってしまうのでは…と思われたOLのお話と、秘書との浮気が妻にバレてしまった中年男のくだりが特に印象に残りましたね。クリスマスらしく、ハッピー・エンディングばかりのエピソードの中で、“愛に満ちた世界”の影を担っていたのが、この2つだと思うからです。日のあたる場所には必ず影が出来ますよね。OLも夫を寝取られた中年妻も、“家族愛”というより大きな名目の愛の下に、自身の恋愛感情を諦めるわけです。OLはおそらく今後も愛する人と結婚できる可能性はないでしょうし、夫の背信を経験した妻は、死ぬまで伴侶との間に溝が出来たままでしょうし。彼女達は劇中、愛の二面性を体現した存在だったのですね。

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この手の群像劇には、なにより豪華なスターを配するのがお約束ですが、この作品もすごいです。リーアム・ニーソンやらアラン・リックマンやらエマ・トンプソンやらヒュー・グラントやらコリン・ファースやら。しかもほんのチョイ役で、ビリー・ボブ・ソーントンや、カーティス監督とは古い付き合いのローワン・アトキンソンまで引っ張り出してきて(笑)。実にもって、まるでクリスマス・プレゼントのようなそうそうたる面子です。

しかし鑑賞後に印象に残った役者といえば、首相に恋する子豚ちゃんことマルティン・マカッチョンと、やもめ男の義理の息子を演じたトーマス・サングスター(強さのあるまなざしがいい)、時代錯誤がうれし恥ずかし老いぼれロッカーのビル・ナイですね。特に老いぼれロッカーの復活ソングは陳腐な歌詞ながら、この作品のメインテーマ“つまるところ、世界に愛はあふれている”をストレートに言い表しています。彼の歌が劇中全てのエピソードを繋げる役割を果たしているわけで、この演技でLA批評家協会賞や英国アカデミー賞を受賞したビルおぢさんは役得でした。ご本人は「まるでロッカーに見えないよ」と謙遜されていましたが、なかなかどうして、その見事な時代錯誤っぷりといい、苦楽を供にしたマネージャーとの友情を大切にする辺り、いぶし銀の魅力でありましたよ。
そうそう、本当にゲスト出演扱いのローワン・“ミスター・ビーン”・アトキンソンは、エレガントを気取ってるミスター・ビーンといった役どころで、作品に妙なアクセントをつけていました。

映画の冒頭と最後は、同じ空港のシーン。そこではあちこちで、人と人が再会を果たして喜んだり、別れを惜しんだりする模様が見られます。それはさながら人と人の綴れ織り。確かに空港に行けば、人はつまるところ、他の誰かとつながっていなければ生きられないものであることが実感できるでしょうね。この物語の登場人物たちの人生も、最後はこの空港で交錯し、それぞれに大団円を迎えます。結局皆収まるべきところに収まり、喜びも悲しみもまた新たな人生の綴れ織りの中に編みこんでいくのでしょう。


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