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zoom RSS 「禁じられた遊び Jeux interdits」Part1―ルネ・クレマン監督

<<   作成日時 : 2014/04/14 23:34   >>

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無二の真摯なる純真な眼差しの力を
悲劇と戦禍のただなかにある幼子の無垢の昇華とする術を知りて

「禁じられた遊び Jeux interdits」(1951年製作)
監督:ルネ・クレマン
製作:ポール・ジョリ
原作:フランソワ・ボワイエ「木の十字架・鉄の十字架」
脚本:ジャン・オーランシュ&ピエール・ボスト&ルネ・クレマン
撮影:ロベール・ジュイヤール
音楽:ナルシソ・イエペス
出演:ブリジット・フォセー(ポーレット)
ジョルジュ・プージュリー(ミシェル)
リュシアン・ユベール(ミシェルの父)
ジュザンヌ・クールタル(ミシェルの母)
ジャック・マラン(ミシェルの兄ジョルジュ)
ロランス・バディー(ミシェルの姉ベルテ)
アメデー(ベルテの恋人フランシス)

1940年6月、ナチス軍はパリを占領した。パリの人々はパニックに陥り、我先にとパリを逃れようとしていた。田舎へと続く道には、家財道具一式を積み込んだ荷馬車や自動車、徒歩でひた走る避難民があふれかえっていた。そこへナチス空軍機が現れ、無情にも空から避難民に向けて一斉機銃掃射を行った。逃げ惑う人々。悲鳴、怒号。彼らは一刻も早くその場から逃れようと、殺気を孕む。パリから避難しようとしていた少女ポーレットの一家も、掃射がやんだ隙にあわてて車に乗り込んだ。ところが、エンジンがやられてしまったのか車は動かない。後ろで待つ避難民たちは、道をふさがれたため一家の車を道路下に押し出してしまう。移動手段を奪われた一家は、手に出来るだけの荷物をもって走りだした。ポーレットは可愛がっている小犬を大事そうに抱える。そこに再び機銃掃射が行われた。爆音に驚いた小犬はポーレットの腕の中から走り出す。ポーレットも小犬を追って駆け出した。両親は慌てて娘の後を追い、身を挺して彼女を機銃掃射からかばって息絶えた。ほどなくしてポーレットは、隣に横たわる母親が動かなくなったのを見て取ると、瀕死の状態でぴくぴく動く小犬を抱えて呆然と立ち尽くした。後ろからやって来た、荷馬車を引く老夫婦に拾われた彼女。老女は迷惑そうな顔でポーレットを見やると、死んだ小犬を川に放り捨ててしまう。ポーレットは流されていく小犬の死骸を必死で追いかけ抱きとめると、そばを走っていた馬車の後について歩き出した。

南フランスの片田舎。ミシェル少年の一家は、わずかな牛を放牧して貧しいながらも厳しい時代を生き抜いていた。
一家の長男ジョルジュは、御者も荷物もなく走っていた馬車の様子を見にいって、興奮した馬に腹部を蹴られてしまう。一家がジョルジュに構っている間に牛は逃げ出し、ちょうど川伝いを放浪していたポーレットと出くわした。はじめて牛を見たポーレットは泣き出し、牛を追ってきたミシェルと出会った。こうしてポーレットは、彼女よりちょっぴり年上のミシェルの家に保護されることになったのだ。

ミシェル一家はドレ家という。すぐ隣に住むグアール一家とは犬猿の仲で、ここ何年も諍いが絶えない。ミシェルの家では母や姉、兄達が、好奇心満々でポーレットを質問攻めにする。ドレ家とて苦しい台所事情なのは確かだが、空襲で両親を失ったという彼女に同情した信心深い彼らは、とにかく少女を引き取ることにした。
ポーレットはいまだ両親の死をよく理解はしていない。一方、馬に蹴られたジョルジュの具合は次第に悪化していった。この田舎でもドイツ軍の空爆は間断なく行われており、医者も戦争負傷者の手当てで手一杯。とてもジョルジュを診てくれそうにもない。彼は家の中で緩慢な死を迎えつつあるのだ。まだ幼いポーレットは、ジョルジュの枕元に飾られているキリスト像がなんだかわからない。“神さま”の意味も知らない。ただ、死んだものは土に穴を掘って埋めるのだとミシェルから教わった彼女は、小犬の死骸を埋めようとする。そこに地区の司祭が通り掛かった。この付近では見ない顔である少女ポーレットに、神父は亡くなった両親への祈りはすませたかと問う。いたいけな幼子が、親を亡くしてどれほどの痛みを抱えているかということではなく、まずは死者への祈りを捧げることが優先されるのだ。もちろん祈り方など知らないポーレットに、司祭は祈りの文句を教える。“主よ、天に導きたまえ。父と子と精霊の御名において…”
彼女は朽ちた水車小屋へ向かうと、小犬の墓を掘り始めた。ミシェルはそれを手伝い、自分達だけのお墓を作ろうと彼女に提案した。お墓とは死者を他と葬る場所だから。でもポーレットの小犬は一人ぼっちだ。ポーレットは小犬が寂しくないように、一緒に埋めるお友達が欲しいと言う。彼女が祈りながら小犬を埋める様子を、一羽のふくろうが梁の上から見つめていた。ふくろうはもう100年もそこにいて生きているのだ。
ミシェルは、小犬と一緒に埋めるためにモグラの死骸を見つけてきた。ポーレットは、それだけでは足りないと泣きそうな顔で訴える。ネズミも蛇も馬も牛もライオンもトラも、人間だっている!ミシェルは子供ながらに、ポーレット自身が気づいていない彼女の深い悲しみを理解し、彼女の言うとおりにしてあげようとする。「お墓には十字架というものを立てるんだ」
ミシェルは木の枝で十字架を作る。ポーレットはそれに壊れたネックレスをかけた。もっときれいな十字架が欲しいという彼女に、ミシェルは素敵な十字架をいっぱい作ってあげると請け負った。ポーレットはミシェルが十字架を作る隣に座り、お祈りの言葉を習い覚えていく。“天にまします我らが父よ…”
「どうして最後はいつもアーメンなの?」「“それでおしまい”って意味だよ」
仲良く2人で祈りを口ずさんでいると、ミシェルの使うカナヅチの音がうるさいと、ミシェルの父が文句を言いにきた。ジョルジュが重体なのだ。しかもミシェルは十字架なんぞ作っている。縁起でもないと父はミシェルを叩き、ポーレットとミシェルは引き離されてしまう。
一家が夕食の席につこうとしたとき、ジョルジュの容態が急変し、彼は吐血する。家族は慌てて祈りを捧げようとするが、その言葉を覚えているのはミシェルだけだ。彼はお仕置きを解かれ、ジョルジュのためにパンをつまみ食いしながら祈る。ふと彼の目に、テーブルをちょこまか走るネズミの姿が映った。
家族は、ジョルジュに下剤の代わりにひまし油を飲ませようとするが、彼はすでに息を引き取っていた。ミシェルはジョルジュの枕元にやってきて、祈りの続きを行った。家族の「死んだ」という言葉を聞いて、ポーレットも引き寄せられるようにジョルジュのそばに近づいた。
「ねえミシェル、お兄さん死んじゃったの?穴掘ってあげる?」
「ばか言え、兄さんだぞ」
ポーレットには、モグラの死もジョルジュの死も区別がつかないのだった。ミシェルの母は、ひまし油を瓶に戻しいれながら、泣き崩れた。

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ジョルジュの葬儀のために、父は棺を運ぶ馬車を修理した。ミシェルは父の手伝いをしながら、馬車の天井に立てられている小さな十字架に目を付けた。ポーレットの墓にちょうどいい大きさだ。彼女が欲しがるだろう。

ミシェルの隣家グアール家に、息子フランシスが戦場から帰ってきた。まだ戦争は終わっていないのに、なぜ戻ってきたのだろう。ミシェルは、草刈をするふりをしながら事情を探りにいく。なんとフランシスは戦場から逃亡してきたのだ。ドイツ軍はすぐ近くまで迫ってきており、フランス軍は崩壊、連合軍もいなくなってしまった。ばからしくなったフランシスは、戦う意味などあるかとさっさと戦場に見切りをつけてきた。ミシェルは行きがけの駄賃に、グアール家のひよこを盗んでいく。どうやらミシェルの姉ベルテは、フランシスに惚れているらしい。
ミシェルは隣家から盗んできたひよこをポーレットに見せた。ひよこは死んだばかりでまだ身体が温かい。殺したのかと咎める彼女に、ミシェルはもう死んでたんだと嘘をつく。だから小犬と一緒に埋めてあげよう。ミシェルは、かわいらしいポーレットに淡い恋心を抱くようになっていた。父の目を盗んで苦労して取って来た馬車の十字架は、彼女のお気に召さなかったのだが。

ジョルジュの葬儀。棺は古い船の船底を使っての手作りだ。戦時中で物資不足の折、棺を新調する余裕はない。墓に立てる十字架だけはなんとか工面した。それでも村人はいろいろなものを持ち寄って、ジョルジュの葬儀を行った。葬儀の間中退屈なポーレットは、教会の中にある十字架を数える。
「ここにある十字架は盗めないよ」
「…そうね、あんまりきれいじゃないからいらないわ」
そう言いつつも彼女は、教会の祭壇の一番高いところに飾られている大きな十字架にうっとりとみとれるのだった。
ミシェルの父が馬車を修理していると、グアール家の娘達が通り掛かり馬鹿にしていった。ふと見ると馬車の十字架がなくなっている。父に咎められて、ミシェルはとっさにグアール家の仕業だと言い逃れる。さきほどの娘達の無礼な態度を思い出し、父はその嘘を信じてしまう。
グアール家。フランシスとその父が作業をしている。彼らは隣家の長男の葬儀にも顔を出さなかったのだ。ドレ家の娘ベルテと相思相愛の仲のフランシスが、彼女をおもいやってそれとなく非難すると、父はベルテを尻軽女だとののしった。頭にきたフランシスは鼻息も荒く、ベルテと絶対に結婚してやると宣言するのだった。
ジョルジョの棺が土中に埋められる間、ミシェルとポーレットは墓地に立てられている十字架を見定めていく。古い木の十字架は馬用、教会の屋根の上の長い十字架はきりん用…。

教会の懺悔室。ミシェルは司祭に、馬車の十字架を盗んだのは自分だと懺悔した。贈り物なのだと。司祭は、痛悔の祈りを捧げて十字架を元に戻すよう促す。だが祈りが終わるか終わらないうちに、彼はチャンスとばかりに、ポーレットが欲しがっていた祭壇の十字架を盗もうとする。懺悔室では姉のベルトが、司祭にフランシスとの罪を告白していた。彼女はどうしても隣家のフランシスと結婚したくて、司祭に仲の悪い両家の親の間を取り持ってくれるよう頼み込んでいたのだ。不審な物音に気づいた司祭は、十字架を盗もうとしていたミシェルを教会からたたき出した。懺悔を聞く司祭には、その秘密を外にもらしてはならないという義務がある。村の人々は、それを罪を犯す免罪符に利用していた。ために司祭も、ミシェルの罪もベルテの訴えも胸の内に収めなければならない。
ミシェルの父はグアールの父と十字架の件について話し合ったという。しかしシラを切られて、ドレ家一家はますますいきりたった。すでに亡くなっているグアールの妻の墓をゴミタメとあざ笑う始末だ。そんな中、ベルテだけはフランシスを思って、グアールの悪口を言う家族をたしなめるのだった。
大人達が勝手なことをしゃべる間、ミシェルとポーレットは、カードに「犬」「ミミズ」「コオロギ」…と書いていった。「どれからお墓に入れる?」
するとそこにゴキブリが這ってきた。ポーレットが捕まえようとすると、ミシェルは汚いからとペン先でつぶしてしまった。彼女はもう絶交だと泣きじゃくる。
「だって生きてちゃお墓に入れられないだろ」
「殺しちゃダメ。それに教会の十字架も取って来てくれないじゃない」
ミシェルが人形の手をあげても、彼女はつむじをまげたままだ。子供は寝る時間になり、ポーレットは愛くるしい仕草で家族の一人一人におやすみのキスをする。その様子を憮然とした表情で見つめるミシェル。彼は、十字架を盗もうとしたおかげでぶたれたほっぺたにも、キスしてくれとせがんだ。彼女はミシェルの言うとおりにしてあげた。そして、墓地にある十字架を持ってこようと言いはじめる。驚くミシェルだったが、ポーレットのためならと一緒に墓地まで行くと約束した。
2人で納屋に忍び込む。荷車を取りに来たのだ。するとそこにはベルテとフランシスの先客がいた。かまわず2人は墓地に向かい、十字架を15本引っこ抜いてきた。荷車で、秘密の場所水車小屋に運ぶ。上空では夜にも拘らず、激しい空爆が続いている。

翌朝、ミシェル一家が墓地に向かった。ジョルジュの墓に花を供えてやるのだ。その様子を窓から見ていた隣のグアール家の父は、自分達も負けずに母の墓参りに行くと勇む。
墓地に向かう道の途中に、ジョルジュの十字架が落ちていた。ミシェルの家族は、十字架を盗んだのがグアール家である確信を深める。ミシェルはいてもたってもいられない。墓地に行けば、十字架泥棒の犯人が自分であることがばれてしまう。逃げようとしても、後ろからはグアール一家がやって来る。絶体絶命だ。
墓地に着いたミシェル達。ジョルジュの墓から十字架が抜かれているのを見たミシェルの父は、怒りに任せてグアール家の妻の墓から十字架を抜き、2つに折った。そこに到着したグアール家の父と殴り合いのけんかになる。2人はもつれ合いながら新しい墓地の穴に落っこちる。それでも取っ組み合いをやめない2人の上に、司祭の雷が落ちる。司祭は、十字架を盗んだのは祭壇の十字架を盗ろうとした者の仕業だと、真犯人を明らかにした。ミシェルはたまらずその場から逃げ出す。
水車小屋には、ミシェルとポーレットが作った墓がある。大きい動物用、小さい生き物用。ミシェルは、それらすべてに石を積んだりカタツムリの殻をのせたりして、きれいに飾り付けた。家には戻れない。ミシェルの父は十字架の弁償代のことで頭を痛めている。ジョルジュの分はいれないで全部で14本。貧しい彼らにとって莫大な金額になる。とにかく十字架をどこに隠したか、ミシェルから聞き出さねばならない。彼は息子を探しに出た。
ポーレットは、ベルテから十字架のありかを言うように迫られていた。十字架はおもちゃじゃないのだ。はじめて厳しく怒られたポーレットはべそをかいたが、十字架の場所は言わなかった。家族は仕方なく就寝する。ベッドにやってきたポーレットを待ち構えていたミシェルは、お墓に全部十字架を立てたと報告した。お皿のかけらと花も供えてきれいにして。目を輝かせるポーレット。

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翌朝早く家を抜け出したポーレットは、ミシェルのいる納屋へ向かう。幼児らしく、ミシェルの差し出すりんごを嫌がり、カフェオレを欲しがる彼女。そうこうする間に警察が到着する。パニックになるドレ家。ミシェルは命に換えても十字架のあり場所は言わないと誓う。ポーレットもわけがわからぬままに誓った。父が納屋にやって来る。十字架の場所を白状させようと、父はミシェルにひどい折檻を加える。泣き叫ぶポーレット。そこに母がやって来た。警察は十字架の件ではなく、ポーレットを引き取りに来たのだった。彼女は連れ出される。ミシェルは、十字架の場所を言うからポーレットを連れて行かないでくれと懇願した。彼女が孤児院に行ってしまえばもう2度と会えなくなる。ミシェルは必死だった。ポーレットを家に置いてくれるなら、十字架を全部返すからと。父は約束すると請け負い、ミシェルはとうとう十字架が水車小屋にあることを告白した。しかし警察はやってきて、子供達の願いも虚しく大人達はノートに簡単なサインだけすると、さっさとポーレットを連れて行ってしまった。
ミシェルは父を嘘つきとなじり、水車小屋へ走ると、涙ながらに十字架をすべて川に投げ捨てた。それを見ていたのはふくろうだけである。ミシェルは、ポーレットが残していった壊れたネックレスだけは、ふくろうに預けた。100年見守っていて欲しいと。

赤十字の難民収容所。戦争でなにもかもを失った人が、配給を受けようとごった返している。修道女はポーレットの首に認識票をかけた。
「辛いでしょうけど、お友達もたくさんいるから大丈夫。がんばってね」
周りは見知らぬ人ばかり。ポーレットはしゃべることもできないほど緊張していた。雑踏の中で、誰かが「ミシェル」と呼ぶ声がした。ポーレットは唐突に少年のことを思い出した。彼女も、今にも泣き出しそうな顔でミシェルの名前を呼んだ。でもその“ミシェル”は中年の男性で、妻であろう女性と抱き合っていた。
彼女はミシェルの名前を叫びながら、少年の姿を求めて雑踏の中に駆け出していった。

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